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話数単位で選ぶ、2016年TVアニメ10選


 なんだかんだで今年もやりますこの企画。
 参加者一覧は「新米小僧の見習日記」を御覧ください。
 いつもありがとうございます。


ルール
・2016年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。


僕だけがいない街 10話 「歓喜」
脚本:岸本卓 絵コンテ・演出:鹿間貴裕 作画監督:前田学史

 鹿間フィルムとしては作監まで担当した3話の方が良いんだけど、やはり真のヒロインである八代と主人公悟が初めて互いを認識する運命的な話数に軍配が上がりました。
 未来で誰にも信用されず逃げ惑ってきた悟が、過去で築き上げてきた信頼。正に自身の穴を埋めるかのような代償行為に消化されていくヒーローごっこが、彼の中に歓喜を産む。
 子どもを決して独りにはしないと、そのために奔走するがゆえにいつの間にか自分が独りになってしまったことに気付かない、その隙を宿敵に突かれる。
 八代への信頼が、ヒーローへの憧れが、そして未来からの宿命が全て反転する、その瞬間を実にサスペンスフルに描く車内での描写、トントンと叩かれる指が演出する緊迫感がたまらない。そしてヒーローごっこの結末として、自身の命と引き換えの平和を用意するという形で敬意を示す八代の、代償行為という信念を徹底させた手向けと、悟の叫んだ言葉に足を止めてしまう描写に見る人間性。二人の関係性にはやはり運命的なものを感じます。


この素晴らしい世界に祝福を! 9話 「この素晴らしい店に祝福を!」
脚本:朱白あおい 絵コンテ:亜嵐墨石(稲垣隆行) 演出:久保太郎
総作画監督:菊田幸一 作画監督:中澤勇一、木下ゆうき、清水勝祐

 1話も年間ベスト級に良かったのだけど、この回が一部で作画崩壊扱いされているのがあまりのも忍びないというのもあって、このスーパー菊田回にしました。
 作監の菊田幸一さんが全カットのレイアウトを直したというこの回、館の中でカズマたちが画面の中でわちゃわちゃしている、そんなパーティ団欒の様子を圧倒的な多幸感で描いていました。肉感的な蟹作画、ダクネスの拘りを感じる肢体、中割りやパロディで随所に遊びを盛り込んだ、古き良きアニメーションの魅力に溢れたエピソードでした。


甲鉄城のカバネリ 9話 「滅びの牙」
脚本:大河内一楼 絵コンテ:熊澤祐嗣、平尾隆之 演出:渡邉徹明、青柳宏宜、田中洋之
総作画監督:丸藤広貴、浅野恭司、江原康之 作画監督:千葉崇明、荒尾英幸、胡拓磨、野崎あつこ、松尾真彦、池田早香、大杉尚広、土屋祐太、齋藤雅和

 クール後半で登場した重要人物にして本作の悪役である天鳥美馬の心理に迫った話数。
 人に紛れ人を襲い、仲間を増やしていくカバネの影に怯えるがあまり、疑心暗鬼に苛まれる人々の姿を描いてきた。そんな中で、美馬は人が恐怖と対峙した時にどう振る舞うかを徹底的に試すような手を打っていく。他人に危険を押し付けて、安全圏でぬくぬくと暮らしている人々を、カバネのひしめく陽の下へ引っ張り出す。弱肉強食の世界では、恐怖に打ち勝つ強さと脅威を退ける強さがなければ生き残れない。
 そんな思想を持ちながら、あるいは主人公の生駒以上に自覚的に恐怖に立ち向かってきたのが美馬。本人の振る舞いだけではその内心は伺いしれないが、彼の仲間でありカバネリである滅火という存在が鏡となってその本質を映し出す。おそらくは彼女だけが、美馬の心に巣食い続ける恐怖の存在に気付いており、そんな唯一の理解者を彼は直接手にかける。
 黒血漿によって暴走する滅火に刃を突き付けられる、その瞬間に流れる一筋の汗。どんなに外面を取り繕っても抗えない生理現象によって、それまでの言動が紐解かれ人物像が浮かび上がる見事な描写。弱肉強食の世界を照らし出す太陽の光は残酷なまでに美しく、しかし恐怖を越えて仲間の屍の前に立つ美馬には影がかかる。シンプルながら奥深い光と闇の演出はやはり大好物です。


モブサイコ100 5話 「OCHIMUSHA 〜超能力と僕〜」
脚本:瀬古浩司 絵コンテ・演出・作画監督:藤澤研一

 超作画で描かれる本作発の超能力者同士によるバトル。
 しかし、そこで描かれるのは熱さやカッコ良さとは無縁の、どこまでも力に振り回されてしまう少年たちの悲哀に溢れた姿。持って生まれた力で驕り高ぶるテルが、自分よりも優れた超能力者が目の前に現れたことでアイデンティティクライシスを迎える。しかしモブは力を持っているだけでは何者にもなれないことを知っている。自分に打ち勝てない弱さを嘆くモブによって、皮肉にも自分を見つめ直すことが出来たテルは救われた。
 ただ、本人が気付いていないだけでモブは超能力に拠らず、普段に自分の振る舞いによって肉体改造部の面々との絆を獲得しており、己と戦い続けた彼の努力が無駄ではなかったことを示す。総じて、絶大な力を思春期の悩みと接続した映像作りが完璧だった話数です。
 あ、テル役である松岡禎丞氏の怪演も見所です。


ラブライブ!サンシャイン!! 11話 「友情ヨーソロー」
脚本:花田十輝 絵コンテ:渡邊哲哉 演出:安藤尚也 
総作画監督:齊田博之、平山円、藤井智之、村山公輔、室田雄平
作画監督:江上夏樹、川島尚、佐藤誠之、吉田雄一
ライブパート絵コンテ:酒井和男 ライブパート作画監督:田村里美
 
 私がどれほどの衝撃を受けたのかは、既に記事に起こしているので手短に。
 ダンスの振り付けから家の場所、遠く離れたステージ、そして幼馴染の間にいつの間にか生まれていた断絶に至るまで、徹底的に「距離を突破する」その一点を力強く見せてきた話数。
 何よりも、決して対等ではなかった幼馴染二人が、それでも互いの存在を己の原点とし、それを以って相互理解に基づかずとも想いを一つにすることが出来た。ディスコミュニケーションを経てなお燦然と輝く尊さが、手探りでも心に触れられたその所作にすべて表れていました。
 『幼馴染』とはこんなにエモーショナルな代物なのだと、久々に価値観レベルで揺さぶられた、今年のマイベストエピソードです。


NARUTO疾風伝 697話 「ナルトとサスケ」
脚本:宮田由佳 絵コンテ・演出・作画監督:山下宏幸

 普段から見ているわけではないTVシリーズで、クライマックスだからと見た話数を選出するのは個人的には微妙なラインなんですが、これはどうしても入れたかった。実際は696話と繋げて一時間SPとして放送されたので、どこからどこまでが697話なのかも曖昧ですが、語りたい部分は確実に含まれているので良しとします。
 あの伝説のNARUTO133話と同じ場所で再び相見えるナルトとサスケ。忍界大戦も終息し、残るは互いの存在を賭けた二人の対決のみ。切り捨てようとするサスケと、繋ぎ止めようとするナルトの決戦が描かれます。
 そういやこれも幼馴染モノだな......。
 凄まじいのは、互いのチャクラがほぼ尽きてからの一連の流れ。スクライド最終回を彷彿とさせる殴り合いが、それ以上の泥臭さと、真逆の虚しさを以って展開される。一撃一撃の重さを伝えるカット割り、挟まれる二人の咆哮、滴る血や飛ぶ歯の描写の生々しさ。色彩もワンカットごとの動きも最高なのですが如何せんこれを伝える知識と表現力が足りてないのが口惜しいところ。
 白眉はボロボロのヨロヨロになった二人の滑稽ですらある泥仕合を引きで映すカット(ロトスコープ?)、今年ナンバーワンの長回しでした。
 疾風伝が終わってもBORUTOが始まるそうなので他の作品で名前を見ることはほとんどなさそうなのが少々残念ですが、山下宏幸という演出家の才能はやはり特筆すべきものがある、と再確認したエピソードでした。
 この次の都留稔幸回も凄かったけど、やはりこういう殴り愛には弱いです。


文豪ストレイドッグス 16話 「文豪ストレイドッグ」
脚本:榎戸洋司 絵コンテ:五十嵐卓哉 演出:浅井義之
作画監督:服部聡志、徳岡紘平

 怒涛の4話連続榎戸脚本五十嵐絵コンテで繰り広げられたノワール風青春ストーリー『黒の時代編』から代表して締めに当たるこの話数を。
 全編通して美しくも物悲しさが漂う空の色とキレッキレの構図がもう戻らない青春の日々をどこまでも切なく彩る。「なにか」があると期待して血と暴力の世界に身を投じた太宰、そんな彼の手から次々とこぼれ落ちていく友の影。太宰だけではない、織田作も安吾も、いつか見た未来を目の前で失った。地獄を彷徨う自分を救えるのは自分自身だけ、織田作の写し鏡であるジイドは手段を選ばず自ら望む死を手繰り寄せた。織田作との赤と青の対比、互いに銃口を向けつつ背中合わせから交錯して向かい合う構図に至る演出が凄まじい。
 人は自分を救済するために生きている。救済の物語となる本作の原点となるこのエピソードで、内から沸き起こる衝動ではなく、友の言葉に突き動かされ手段として人を救う仕事を探す太宰の歪みは、しかし後に彼が導く者たちが為すことを考えれば、大局的には大した問題じゃないのかもしれない。ただ太宰が永遠に彷徨い続けるのだろうという、それだけの話。だからこの話のサブタイトルは彼だけを指す単数形なのだ。


舟を編む 8話 「編む」
脚本:冨田頼子 絵コンテ:黒柳トシマサ、長屋誠志郎 演出:由井翠
総作画監督:青山浩行 作画監督:山崎淳、石井丈裕、小柏奈弓、高野羽二、りお

 前話から13年後に舞台を移す大胆な時間経過を、新たに辞書編集部に配属された岸辺みどりの視点を通して描いた回。
 ダブルクリップを止め、一枚一枚ページを繰り(しかも紙質の差まで付けて)、モグモグと咀嚼をさせ、フリック入力からビールの泡が垂れていく様まで描写する地味で細かく執拗な芝居作画はシリーズ全般に言えることですが、岸辺ちゃんが加わったことでそこに華やかさが備わったように感じます。髪を耳に掛けてピアスが見えるカットとかフェティシズムの塊でしょう。
 この岸辺ちゃんがとにかく魅力的で、突如変人主任がいるまるで知らない世界に放り出された異邦人だから自然と応援したくなるし、そんな彼女が馬締と言葉を探しつつもすれ違っていく様は、原点に立ち返ったように本作の主題をなぞる。自分は前の部署を追い出されたのだと、辞書編集に向いているとは思えない岸辺ちゃんが、新しい場所によって自らの新しい側面に気付かされ、仕事に前向きになっていく。そんな筋書きには、長い時間をかけて編まれていく辞書『大渡海』が人の営みそのものであると、そう示すような継承の文脈を感じました。


響け! ユーフォニアム2 9話 「ひびけ! ユーフォニアム」
脚本:花田十輝 絵コンテ・演出:石立太一 作画監督:高瀬亜貴子

 これも既に記事に書いたので手短に。
 家庭環境と学校社会と、そして自分自身が造り上げた「田中あすか」という仮面。自他共に彼女を孤高足らしめてきたその傲慢でさえある振る舞いに、ついに神様が罰を与えたのだと、そう語るのはある種の告解だったと思うし、聞き手に久美子を選んだのはかつて純粋だった頃の自分とどこか重なるからだろうと、そう読んでいます。しかし久美子が与えたのは赦し、今でもまだ「音楽が好き」だと言っていいのだと、諦めなくていいのだと、あすか先輩はそんな彼女の想いに突き動かされて再びユーフォニアムを手に取った。
 夕暮れの河原で響くユーフォニアムの音は仮面の下で押し殺した彼女の感情そのままの、ひとりの少女の叫び。圧巻の叙情性が深い余韻を作る、珠玉のエピソードでした。


機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 38話 「天使を狩る者」
脚本:樋口達人、岡田麿里 絵コンテ:寺岡巌、斉藤哲人、忍川信一 演出:錦田慎也
キャラクター作画監督:大貫健一、中本尚 メカニック作画監督:塩川貴史、豊田暁子

 これ見るまで上げるの待ってて本当に良かった。
 モビルアーマーの脅威を前に、自分の全てはオルガに捧げるのだと語る三日月は、バルバトスのリミッターを解放しさらなる力を求める。ここから描かれる戦闘描写は、まさに常人に踏み入ることを許さない、人外同士の対決と呼ぶに相応しい凄まじさで、機体の損傷をまるで厭わないような三日月の戦いぶりは自身をオルガの道具とすることに何の迷いもないことを示しています。絶大な力によりついにモビルアーマーは撃破されるが、その代償として三日月はついにバルバトスに右半身の感覚を奪われた。
 日常生活もままならなくなった三日月は、それが事実上農場経営の夢が果たせなくなったということであることを知っている。それでもアトラやクーデリアが恐れたように、まるでいつもと変わらない三日月の在り様が後戻りの出来なくなったオルガを追い詰めていく。「火星の王」という形ある称号にオルガが拘り出したのは今までまるで見えなかったゴールを決めるためであり、自分を使い潰し続ける三日月の戦いを終わらせるためである。
 自分の目的のために、唯一無二の相棒を犠牲にし続ける罪悪感を抱えるオルガだが、三日月は止まることも謝ることも許さない。「余計なことを考えなくてよくなった」と語る三日月はもはや戦場でしか生きられない。ならばオルガに求めるのは戦場のみで、それに応えてその先へ連れて行くのが果たすべき契約である。
 互いが互いの燃やし尽くすような生を突き動かす、ただの契約が存在そのものを支える愛と呼べるものにまで昇華されたことに確かな感動を覚えました。


 私からは以上です。

 
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Comment

No title

「凪のあすから」がきっかけで(岡田磨里さんが脚本を担当した作品をいっぱい観たい。)と思うようになったのに、今年は全然観れなかった22歳の社会人見習いです。


「闇金ウシジマくんの映画版」を観るようになってから(もう特撮ヒーロー物は観れなくてもいいや。)と思っていましたが、「次元大介の墓標」の脚本家がメインライターを務める「エグゼイドの10話」が面白かったので特撮ヒーロー物の世界に戻ってしまいました(笑)

アニメと関係ない話になってしまいましたが、よいお年を。


Re: No title

>シンジンさん

コメントありがとうございます。

岡田のマリーさんのことですから、来年もまた複数のアニメに参加していると思うので、旧作も含めて見られるといいですね。良いお年を。
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アニバタ Vol.6アニバタ Vol.9に寄稿しました。よろしくです。


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