fc2ブログ

アニメを中心に、漫画や映画、小説など創作物の感想を載せるブログです。

Another

Another 10話 「Glass eye -漆黒-」 感想

えっ、もう合宿? いやだわ、早く推理しないと。


鳴ちゃんのセリフ・態度からどうやら三神先生=怜ちゃんだってことは分かる。
そして彼女が死者だと仮定すれば、一年半前に榊原君が夜見山に来たことも、その記憶が改竄されていることも、4月の時点で現象が起こっていたこととも辻褄が合う。

しかし、である。

問題はこの作品の原作者が綾辻行人であるということ。
綾辻さんはミスリード、叙述トリックを得意としていて、話のオチには二重三重のどんでん返しを用意していくるので有名だ。
その彼が、この段階であっさりと答が出るような情報を開示するだろうか?
つまり、三神先生=怜ちゃんが一つのどんでん返しではあっても、それが死者であることまで断定するのは作者の性質からして危険であるのではないか。
騙されたりせんぞ! 騙されたりせんぞ!

もちろんそのまま正解である可能性もなくはない。
残り3話?を使ってホラーサスペンスをやるのか、それともどんでん返しがあるのか、それが問題だ。


うん、これ以上は頭がショートするので無駄推理はやめやめ。

今回の赤沢さんの行動について考えてみることにする。

食堂で彼女がとった行動は、まず自分の不手際を謝ってから、鳴ちゃんを糾弾することで皆の矛先を彼女に向けたというものである。
行動だけ見たらズルいし酷いしで最悪だが、ここには赤沢さんの複雑な女心が表れていると思う。

そもそも、ただの糾弾目的で鳴ちゃんを吊るし上げるようなことを彼女がするはずがない。なぜなら明らかに彼女が好意を持っている榊原君は鳴ちゃんに肩入れしているということを赤沢さんは誰よりもよく分かっているからである。あんなことをすれば嫌われるということが分からない彼女ではないだろう、ただの嫉妬なら榊原君のいる場で言わずに、彼の見えないところでコソコソやればいいだけの話である。
何より、彼女はあの話をする前に三神先生に了解を取っていた。つまり、先生も了解済みの行動だったことになる。

わざわざ榊原君のいる場であのような行動を取った理由は、つまり鳴ちゃんを庇う人がいることもちゃんと分かっていたからだ。
今回の現象については誰にでも少しずつ責任があり、同時に誰のせいでもない。
だが、人間の心は弱いもので、異常な状況下で誰かに責任を押し付けたがる。
クラスの人たちが自分達が死の局面にある状況下で、誰かに責任を押し付けるとしたら誰になるだろうか。

そう、榊原君である。

なぜなら皆は4月から現象が始まっていたかもしれないなんてことは知らず、現象が起こったのは彼が鳴ちゃんを「いない者」として扱わなかったからだと考えるからだ。
おそらく、クラス委員でもある赤沢さんはクラスの不満が沸々と募っていることに気がついていたんじゃないかな。やがて矛先は榊原君に向かい、酷い目に合わされるかもしれない。
榊原君を守る為、三神先生と相談した結果、今回の現象の責任をわざわざクラスメートの前で糾弾することにしたのだと思う。

だが、ここで一応自分の非を認めながらも、事実上は糾弾する側に立つことで安全圏に避難していることに彼女の弱さがある。
そう、榊原君への矛先を逸らして皆の目を誘導する対象は、鳴ちゃん以外にもう一人、対策係でありながら不手際があった彼女自身でも可能なのだ。まあもともとクラスで浮いてた鳴ちゃんの方が皆が非難しやすいってのもあると思うけど。
赤沢さんのこの行いが保身によるものなのか、嫉妬によるものなのかは分からない。多分両方あるのだろう。ただ、あの後の複雑な表情からして榊原君に嫌われることも覚悟していたようだから、保身の意味合いが強いのだと思う。

鳴ちゃんを糾弾しても庇う人はいる、榊原君を守るため、この二点を免罪符にした結果が、あの食堂での行動だったんじゃないかな。この複雑で卑怯な女心、シビレるねぇ。


※追記

怜ちゃんが死者だと仮定すると九官鳥の「レイチャン、ドーシテ」とも繋がっちゃうんですよねー。
誰かが「怜ちゃん、どうして死んじゃったの?」って言ったのを九官鳥が聞いていればいいんだから。
こりゃいよいよ決まりかな。


関連記事
スポンサーサイト



Comment
Trackback

Another 第10話 「Glass eye -漆黒-」

第10話 「Glass eye -漆黒-」 夜見山神社への参拝は効果があるらしい・・・ そんな噂が流れ、合宿が始まります。 赤沢は以前恒一に会っていた?赤沢が号泣していたのは兄が死んだ...

「Another アナザー」 第10話

「Another  アナザー」 第10話 明かされる「鳴」の出生の秘密、そして左目の謎・・・・・。 「鳴」は実は1話終盤、病院で亡くなった「藤原未咲」の双子の姉妹だったということ、

Another 第10話 感想「Glass eye -漆黒-」

Anotherですが、最悪回避への一縷の望みをつないで、榊原恒一や見崎鳴たちは神頼み合宿に行きます。 学校の宿舎は企業の研修所をもらったそうで、まるで洋館ですが、持て余すにも程

Another 第10話

Another 第10話 『Glass eye -漆黒-』 ≪あらすじ≫ 八月八日。いよいよ始まる三組だけの夏合宿。綾野一家の最期、小椋の兄の事の顛末を聞いた生徒たちは、逃げ場はないのだと悟り、ま

Another 10話

見えてんのかよ!!! というわけで、 「Another」10話 そういうことは早く言えの巻。 やるべきことは確定した。 偶然の過失致死がもたらした、再殺という対処法。 不自然すぎる...

Another・アナザー 第10話「Glass eye -漆黒-」

凶夢伝染(2012/01/25)ALI PROJECT商品詳細を見る  ちぎれたテープも再生されて、3組にかけられた呪いから脱出する方法が示されました。「呪いのビデオ」をダビングして他人に見せるとい

Another 10話

待望の、そしてきっと戦慄の合宿が遂に…!

Another アナザー #10「Glass eye<漆黒>」

”死の傍にあるもの”の色。 邪気眼          Another アナザー第十話のぶっきら感想。

Another 第10話

「Glass eye -漆黒-」 死者を死に返すんだ! 災厄の止め方がやっと分かったけど、誰が死者なのかわからんよぉ!(´Д`;) しかし、この写真を見るだけでゾッとしますね(((?д?;))) ...

Another:10話感想

Anotherの感想です。 合宿開始、そして…。

Another 第10話 「Glass eye -漆黒-」 感想

  クライマックスの幕開け、です。

Another 第10話 Glass eye -漆黒-

逃げようとして死んだ彩の事や由美の兄の事が噂になり、合宿に意味があるらしいと… 取りあえず、参加者は確保できそうですね。 今回は前回の次回予告で気になっていた、泉美の号 ...

Another -アナザー- #10「Glass eye -漆黒-」

Another -アナザー- #10「Glass eye -漆黒-」です。 さて

Another 第10話「Glass eye-漆黒」

『恒一たちは旧校舎で松永が残したテープを見つけたが、犠牲者はさらに増えてしまった。成す術がないままクラス合宿が始まり、3年3組の生徒たちは副担任の三神と千曳に引率され、宿

Another アナザー 第10話 「Glass eye -漆黒-」 

死者を死に帰すんだ――。 夜見山神社への参拝する合宿。 宿泊場所の前で写真を撮ってましが、この中の 誰が死者なのか?(汗) 恒一たちは松永のテープの続きを聞きますが。 そ

Another~第10話「Glasseye<漆黒>」

 東京から引っ越してきた中学3年生、榊原恒一。転校してきた3年3組は死に一番近いのろわれたクラスだった。第10話。場面1 合宿所に到着  3組のメンバーが集結。保養所は...

Another 第10話 「Glass eye -漆黒-」 感想

やっぱり死者は、三神先生 = 怜子 なんじゃないかな。 今までもそう推理してきましたが、今回でますますそう思うようになりましたよ。 恒一たちは旧校舎で松永が残したテープを見...

2012年01クール 新作アニメ Another 第10話 雑感

[Another] ブログ村キーワード Another 第10話 「Glass eye -漆黒-」 感想 #Another2012#ep10 ■概要 夜見山北中学校3年3組に転入した榊原恒一。初登校日に病院で出会った見崎鳴と再会する。...

Another #10 Glass eye -漆黒- レビュー

お兄のばか…!と土手の上で泣く赤沢さん。 ん?赤沢さんのお兄さんどうかしたのかな?? 蹴った缶が土手の下にいる人に当たり、急いで土手を 下った時に転ぶが、その時、赤沢さんの...
Trackback URL
Comment form













管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

ぽんず

Author:ぽんず
私は好きにした、君らも好きにしろ

アニバタ Vol.6アニバタ Vol.9に寄稿しました。よろしくです。


このブログについて

※感想記事はネタバレがデフォです。

当ブログはリンクフリーです。お気軽にどうぞ!
現在相互リンク募集中


twitter
検索フォーム
ランキング
にほんブログ村 アニメブログ アニメ感想へ

アクセス解析
外為どっとコムの特徴
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Page Top
Powered by FC2 Blog | | Template Design by スタンダード・デザインラボ