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UN-GO

小説 「UN-GO 因果論」 感想

UN-GOが思ってたよりずっと面白い作品だった件について。

これじゃ劇場版見た人との温度差が違うわけだ。新十郎が背負っているもの、探しているもの、それらが分かっているのといないのとでは感情移入の度合いが違う。

一般的には一貫した考えを持つことが美徳とされているが、人間はそんなに単純にはできていない。
何が本音で、何が建前なのか、自分ですら分からないまま、矛盾を内包して生きている。ぐるぐるまわって、落ちていくのだ。

ミダマですら本心とイコールではないのだと思う。あくまで隠している気持ちの一部にしかすぎない。
真実は一つとは限らない。
奇しくも、倉田由子と海勝麟六は同じ事を言った。

しかし、二人の信念はまったく逆のものだ。真実そのものにさして価値を置かず、見せ掛けの美しさで世界に安寧をもたらそうとする麟六。
一方の倉田由子は、普段自分が口にしている事も、心の奥底に仕舞っていることも全部真実だと言う。

新十郎は迷いながらも前に進む、倉田由子たちの命を背負ってしまったから、目の前には嘘と欺瞞だらけの美しい棺があるから。

偽物かもしれない、自分でも本当は信じてなどいないのかもしれない。確信など持てないけど、それでもあがき続けるしかないのだ。生きよ、堕ちよ。

だって、生きることは戦うことでしょう?


さて、本作のヒロイン美少女検事いずみちゃんの話をしよう。
古臭い正義感を燃やす彼女もまた、理想を追い求める人だったわけだが、麟六のやり方を糾弾しつつも結局はその手を取ることになる。

彼女のその選択は、妥協だったのだろうか?
真実を覆い隠してでも都合の良い答えを用意する。そのやり方は、正攻法では倒し得ない巨悪をも破滅させることすらできるかもしれない。
その意味では、泉ちゃんは合理的な判断をしたし、麟六もそこに付け込んだのだろう。

しかし、あらゆる情報を掠めり、隠蔽も捏造も自由自在なJJシステムは、利用する側が一種の悪になる事を強制される。
泉ちゃんが選んだのは麟六の共犯者になるという茨の道なのだ。
彼女の葛藤の大部分は、この覚悟のためだったんじゃないかな。

使いようによっては世界を支配できるかもしれない、そんなシステムを理想の為に使い続けることができるのか。
この話の時点ではまだ泉ちゃんは麟六の信奉者にはなってないようなので、彼女がいかにして麟六の信念を揺るがぬものと信じられるようになったのか気になるなー。

正義を成すために悪を行う決意をした泉ちゃんだからこそ、何にも縛られずただ真実を求める新十郎にああいう態度を取っていた訳ね。
真実を暴く事は、かつて泉ちゃんが悪を裁くために必要だと考えていたことだから、自分が選ばなかった方法で彼が何を成すのか、気になって仕方がないんだろう。

多分それは麟六も同じだと思うんだけどなー。
ああ、麟六の過去も気になってきた。
ここまでキャラクターのバックボーンに興味が湧く作品も中々ないなぁ。

UN-GOという作品の底の深さを思い知らされた読書体験だった。


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Comment

No title

本当、「因果論」の有る無しでは本編の評価が激しく変わると思います。
「因果論」のエピソードをTV版本編に盛り込んでいたら、もっと人気出てたかもしれないですね。
ノイタミナの尺の都合上、仕方ないですが・・・。

劇場版の展開とは微妙に異なっている部分もあり、初見のように楽しめました。

ミダマについての問答は、『ペルソナ4』でのシャドウとの対峙にも通じたところがありますよね。
隠された醜い本音だけが人間の真実じゃないんだよ、っていう。

泉ちゃんの心情の変遷とか、麟六の過去とか、謎の部分はまだまだあるので、やはり二期を期待してしまいます。

No title

>江楠さん

コメントありがとうございます。

本編の前半は結構ぼんやり見てたので色々惜しかったなーと思ってます。
録画がラスト3話しか残ってなくて見返せないのが痛い……。放送中に因果論見た人は勝ち組ですね。

ペルソナはタイトルからして抑圧された自意識がテーマですからね。
ペルソナシリーズは昔ちょろっと初代をやったくらいですが、その頃から既に人間心理の多面性を中心にドラマが展開されていたような気がします。かなりうろ覚えですが……。

二期は欲しいですねー。BDの売れ行き次第で決まるのなら厳しいみたいですけど。
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