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輪るピングドラム

輪るピングドラム 20話 「選んでくれてありがとう」 感想

マジで泣いた。ロマンティックが止まらない。
陽鞠が女の顔に…。やっぱり晶馬への感情は恋なのかな。
眞悧との会話で、「キスだけじゃ消費される」「私は追わない。疲れちゃうし」と言う陽鞠。この追わないというのが、冒頭で剣山が演説していた「選ばれるのを待っている存在」にかかっているのが気になるなあ。だからきっと何者にもなれない。

剣山の主張には不本意ながら頷ける部分がある。現代社会では選ばれなければ生きていけない。高校、大学とふるいに掛けられ、就職活動で選ばれなければ自身を養えない。そういった社会で子供達がすり潰され、消費されていく。そんな世界を正す、誰かに何かを与える世界にするという彼らの思想には正当性があると言ってもいいだろう。

ただ、そのこととテロを起こすことがどう繋がっているのかはまだ分からないとはいえ、彼らのやり方が大勢の罪なき人々を犠牲にしている以上、それを肯定することはできない。

とある漫画作品のやはり革命を目論む悪役の台詞で「悪を行い、世界に対し僅かながらの正義を為そう」というものがあった。この悪役は、目的は正義でも手段が間違っていることに自覚的だ。
しかし剣山にその意識があるとは思えない。そしてそれは現実の思想的なテロ組織にも言えることだろう。
何より剣山の思想に賛同しているはずの構成員達がピクトグラムとして描かれているあたり、彼らの思考停止ぶりが浮き彫りにされている。思想だけに酔って、やろうとしている行為がどういう結果をもたらすかにまで考えが及んでいないのではないか。ただ、扇動者である剣山だけは欺瞞を知って行動しているのかもしれない。

ピングフォースから企鵝へ。ペンギンマークは確か三つあったはずで、もう一つはゴミ収集車に描かれていた。まあ今までの話でどのマークがどこにあったのか覚えてないんだけど。夏芽家の父親も企鵝内にいた様だし…まだまだ謎が多い。


実は妹キャラだった真砂子。歪んだストーカーだと思いきや、ただ本当の家族を求めていただけだったのか…。何気に一番の苦労人なんじゃないか。自分の本当の家族が嘘で塗り固められた家で兄弟ごっこをしているなんて、想像するだけで心が苦しくなる。それでも余りあるバイタリティで縦横無尽に駆け回る彼女はとても魅力的だ。

冠葉は前回両親のやることに対して盲目説を唱えたが、もしかしたら意図的に思考を止めているのかもしれないな。少なくとも剣山の思想に賛同しているようには見えなかった。ただ陽鞠のために。やっぱりそれだけが彼のアイデンティティなのだろう。ハリボテの家族を維持するためにどんどん汚れていく彼を救ってくれるのは誰なんだろうなあ。真砂子の役目であると思いたいが。


そして晶馬と陽鞠の運命の出会いの全貌が明かされる。
もうこの物語があまりにも美しくてね、新たなED曲も相まって見終わった後の余韻がハンパなかった。

両親に捨てられるか、もしくはそれに近い状態に置かれ一人ぼっちだった陽鞠。そこに現れた少年時の晶馬が彼女に話しかける。
ここで19話のあのマフラーが晶馬のものだったことが発覚。本当いちいち小道具の使い方が上手い。EDでトリプルHが巻いていたりダブルHにマフラーを編んだりと、陽鞠にとってマフラーは絆の象徴なのだろう。

一緒に遊ぶようになった二人は一匹の捨て猫を見つけ、陽鞠はそれに「SUNちゃん」と名づける。ここでぞわっと鳥肌が立った。
ペンギン1号2号は後から書かれていたはずの番号が、9話で陽鞠と初めてあったはずの3号の背中に既に描かれていた理由。
これはそのままペンギンの正体を指し示しているなあ。
結局捨てられて撤去されてしまったあの猫に、当時の陽鞠は自分の境遇を重ねていた。あの猫は陽鞠の分身で、ペンギンもやはり陽鞠のアバターなんだ。

誰からも選ばれず、あの猫のように消されてしまうと感じた陽鞠はこどもブロイラーへ。この施設の解釈が厄介なんだよなあ。比喩が入っているのは間違いないけど、大人の剣山もその存在を知っているし、多蕗のようにいつの間にか収容されていることもあれば、陽鞠のように能動的に行くこともできる。現実と虚構の境が曖昧で、どういう存在なのかがはっきりと分からない。もともとそういった面がある作品にしても、この部分だけ異様にぼかされているのには何か意図を感じるなあ。現代を舞台にした童話を描いているのかも。とりあえずは、未来のビジョンが見えず、透明になるしかない子供たちが存在する社会を表しているものとして理解しておけばいいか。

晶馬との思い出を胸に、陽鞠はベルトコンベアに乗る。陽鞠は一話目から諦めの意識が強いという印象を持っていた。それは治らない病気を抱えているからだと思っていたが、実は幼少期の経験がそうさせていたのだな。もうだれからも選ばれず、透明になるしかない子供たち。
しかし陽鞠の前に晶馬が現れ、「家族」として彼女を選ぶ。剣山は与えられるだけの存在を否定していたが、少なくともこの瞬間陽鞠は「何者にもなれない者」から「家族」になった。剣山はこの新しい家族をどう迎え入れたんだろうか。それとも運命の乗り換えをしたから「最初から家族だった」という認識なのかな。あの赤玉で記憶を操作されてるのかもしれない。

とにかく、晶馬に選ばれたことで陽鞠が救われたのは事実である。晶馬も、桃果だって誰かに何かを与える存在だが、そういった描写には運命の乗り換えだの魔法だの何か超常的な力が働いているんだなぁ。
与えられるだけでなく、誰かに何かを与える存在であれというのがテーマだとすると、陽鞠が与える側に立つことで何者かになれるということかも。

晶馬にやたらと強い罪悪感の正体も分かったな。彼は陽鞠を選んだ。高倉家の一員にしてしまった。だから両親の犯した犯罪で学校にいられなくなったし、罰を受けて死の病を抱えてしまった。真実がどうであれ、彼にとっては全部繋がっているんだ。メリーさんの話は晶馬の罪の意識を象徴化したものだと思っていたけど、剣山の演説にもいくつか共通するフレーズがあったし、晶馬が使った「魔法」に関係する何かがまだあるのだろうか。

それにしてもこういった話を苹果にしてしまうあたり、晶馬が苹果を特別な存在として信頼していることが分かって嬉しい。余りにも大きい高倉家の闇を苹果はどう受け止めるのだろうか。全てを包み込む慈愛の心(これも与える事?)が今の彼女にはあるが、それだけで彼らを救えるとは到底思えないんだよなあ。


本当の家族ではない「高倉家」は本当の「家族」と呼べるのだろうか。
三者三様に、考えが違うのが面白い。
晶馬にとっての家族は兄弟三人だけ。
陽鞠は両親のことも勘定に入れている。
冠葉は…どうだろう。陽鞠至上主義にも見えるが、なぜ実の親ではない剣山にあんな無邪気な表情を見せる?
運命の乗り換えで記憶が改竄され、実の親と錯覚してるのかな。

家族になるために血の繋がりが必要だとは思わないけど、真砂子の本当の「家族」を奪っている以上、このままでいいとは思わない。
だからこそ、「家族」という形に固執せずに、別の絆を見出すことが鍵になるのじゃないかな。
しかし水面下では人間関係がドロドロになっている。もうどうすればいいのこれ。

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