うつけ者アイムソーリー

原点回帰のTVアニメ企画らしいが、初代を知らないのでどれだけ再現できてるのかは分からない。
だが全体に漂う退廃的な雰囲気、レトロなタッチで見せる軽妙なアクション、大掛かりな舞台装置、そして主役に抜擢された不二子というキャラクターを最大限に活かしたエロティックな描写は、近年のアニメと一線を画すなかなかインパクトのある構成になっていたという印象。

初回はキャラ紹介と作品の方向性提示のための導入回といったところか。作画的な見所も多く、このクオリティを維持しつつ不二子という本心の見えないキャラクターをどれだけ深く掘り下げていけるかが今後の焦点かな。BGMもオサレで実にいい感じだった。


さて、ルパンというと私のようなゆとり世代にとっては正直今更と感じる面もなくはない。
しかし、もしかしたら今だからこそ峰不二子というキャラクターをクローズアップする価値があるのではないかと思えた。
なんせ、本気が冗談か分からないがヒロインが主人公以外の人間にうつつを抜かしただけでビッチ呼ばわりされるこんな世の中である。
量産型美少女キャラが氾濫する現代アニメ業界において、自分の身体を武器にあらゆる男と関係を持ち目的を達成しようとする不二子はまさに時代の流れに逆行するキャラクターといえるだろう。

一途な女性もいいが、自分の魅力を理解し、それを利用してたくましく生きる｢イイ女｣が今のアニメ業界には足りないのではないか。いや、とびきりのイイ女だったか。

需要があるかは知らないが、そろそろそういうキャラクターが受け入れられる空気があってもいいんじゃないかと思う。今の時代にあえてこのシリーズをやる価値を考えると、そのための土台作り、という側面があるのではないかと妄想しました。

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