うつけ者アイムソーリー

昔読んでいたWEB小説の作者の作品をこうしてアニメで見れる日が来るとは、なんだか不思議な気分です。SAOも楽しみだ。

デブでいじめられっ子の主人公。ここまで意気地がないキャラも最近珍しいような気がしないでもない。その外見からか、強烈なコンプレックスを抱いているようで可愛い幼馴染の女の子にも八つ当たりをしてしまう心の弱さ。見ていて胸が痛いです。
チユリとタクムは、いわゆるリア充であるからこそ彼らの行動が一々自分を哀れんでいるようにハルユキには見えてしまう。ある意味で最も彼のコンプレックスを刺激する存在だろうな。卑屈になればなるほど彼らは自分を心配してくる。負のスパイラルですな。

そんなハルユキが唯一自信を持てるのが仮想世界内のスカッシュゲーム。
おそらく黒雪姫が高得点を叩き出したのは｢加速｣を使ったからだろうから、本当にこの点についてはすごいのだろう。
虚構の世界の、ちっぽけなスコアが心の拠り所になるのはまあ珍しくもない話で、ゲームのレベルを上げることでわずかながらも自尊心が満たされることの延長線上にあるのだろう。

美人で黒髪ロングでクールな上級生。テンプレっちゃぁテンプレですがそれでもいいものはいいのです。
｢ブレイン・バースト｣という新たな力を得ていじめっ子にも勝てる力を得るハルユキ。
しかし、彼は相手を倒すという選択を取らず、殴られるという消極的な手法をとった。
この描写が一番の見所だったかな。全体的に中二妄想に忠実な作劇なのだけども、唯一ここだけが違う。新たに手に入れた力で相手をぶちのめす。普通の中二作品ではここまでがテンプレなのだ。

だが、優しさからか意気地のなさからかは分からないが、とにかく彼は暴力を振るうことを避けた。

この選択が、彼をただのウジウジ系主人公と一線を画すものになるんじゃないかな、多分。いや、殴り返したりしたらカメラに写っちゃうんですけどね。

力を与えておきながら、あえて｢殴られろ｣という提案をする黒雪姫。ただハルユキに痛みを享受させるのではなく、自分も一緒に痛みを受けてみせる。この意気がかっこよくて、漢らしさすら感じた。当面はハルユキのウジウジは治らないだろうから、その分彼女の魅力が作品を引っ張る原動力になるのだろう。

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