Fate/Zero
Fate/Zero 16話 「栄誉の果て」 感想
「外道」と「騎士道」。俄然面白くなってきた。
サーヴァントはあくまで囮で、自分はその隙に舞弥とマスターを仕留める。
これが切嗣の基本戦術ですね。セイバーを完全には信用してなくても成立します。
令呪を使わせてランサーを自害させてからの銃殺は、正直読めてたけどそれでもゾクッとさせられました。
何もさせてもらえず死んでしまったソラウにも、誇りもなにもかも踏みにじられて逝ったケイネス先生にも同情を禁じえない。
ケイネス先生がソラウを人質に取られて素直に切嗣に従ったのは意外でした。わりとマジ惚れしてたようですね、目の前で露骨にNTRれてたのに。意外な健気さです。
まあ、彼が犠牲にした魔術師の誇りとやらは教会で銃を撃った時点で自ら汚してるんだろうけど、焦燥やら憎悪やらで歪んだ彼の脳裏にはそんな理屈はもはや意味をなさなかったんだろう。
だからこそ、おそらく最大限の屈辱を味わってでもソラウを守ることを選んだ彼の心には確かに愛を感じました。
別に胸は打たれなかったけどな!
同じ選択を迫られた時、時臣ならどうするのかとちょっと気になったり。
ランサーは死に際の言葉が呪詛という悲惨すぎる最期だったけど、素直に同情できないんだよなぁ。
前半のケイネス先生のお説教は言い過ぎにしても、あれだけ言われてなおセイバーとの「決闘」に興じるあまりマスターを危険に晒すというのは愚挙と言ってもおかしくはないのでは。気付けたかどうか、が問題なのではなく明らかにセイバーとの戦いに夢中になっていたこと自体が騎士としては問題だと思う。騎士だからこそ、なのだろうけど。
ランサーは騎士道を重んずるが、その凶運ゆえか主と仰ぐ人物に恵まれずに理想と現実のギャップに苦しみ続けたキャラクターだと思う。だからこそ唯一自分と同じ道を歩むセイバーにシンパシーを感じ、基本ストレスしかない人生の中で楽しみを見出した。
しかし、その唯一の楽しみが自分にとって最悪の結果を招いてしまう。薄幸ってレベルじゃねーぞ……人生レベルでは同情するわ。
さて、今回ようやく本性を現した切嗣さん。
彼がセイバーに対してシカトという大人気ない対応を取り続けていた理由がようやくはっきりしましたね。
世界から争いをなくす、そのためには世界中の全ての悪を引き受けても構わないと言う。
正義を為すために、手段は選ばない。まさにテロの論理ですね。
しかしそんな切嗣からしてみれば、戦場に正義や誇りを持ち込もうとするセイバーの理念こそが言語道断であると。
人間の歴史は戦争の歴史。血で血を洗う闘争に、栄誉や生甲斐を見出すような理念こそが戦争そのものを生み出してきた。それらを先導してきたのが、まさにセイバーのような英雄である。彼らが見せた夢が数多の人々の命を奪ったのだと。これが切嗣の主張ですね。
なるほど、ここに踏み込んでくるのか。自衛のために戦う必要もあるとか、ケースごとに見れば反論の余地はありそうですが、これはもっと根本的な指摘ですね。それが悪かどうかはまた別問題だとは思いますが、概ね同意です。戦争それ自体が悪、という観念が現代のものだからこそ通用する指摘で、その決して埋まらないギャップ、時代による価値観の相違こそが切嗣とセイバーの間を隔てる最大の障害かな。
過去の出来事を一方的に否定するのは結果論が先行し過ぎててちょっとどうかと思う気持ちがなきにしもあらずなんだけど……セイバーの行いが肯定的に扱われる場面が今後あるといいな。
純粋に正義を信じる気持ちがかつての切嗣にもあったはずだ、というセイバーの指摘に対して露骨に不快感を示してましたね。
おそらくこれが彼がセイバーを毛嫌いする一番の理由でしょう。ようするに彼はセイバーの中に若かりし頃の自分自身を見ているわけだ。だからこそ、彼女のいちいちが目障りに感じるんじゃないかな。
正直1クール目はネット上での盛り上がりっぷりに付いていけないと感じたこともありましたが、2クール目に入ってからはかなり身を入れて観られるようになってきてます。
明らかに叶わないであろう切嗣の願いが、どのようにして潰えるのか。そしてセイバーはこの陰惨な戦いで何を得るのか、最後まで見届けたいと思う。
サーヴァントはあくまで囮で、自分はその隙に舞弥とマスターを仕留める。
これが切嗣の基本戦術ですね。セイバーを完全には信用してなくても成立します。
令呪を使わせてランサーを自害させてからの銃殺は、正直読めてたけどそれでもゾクッとさせられました。
何もさせてもらえず死んでしまったソラウにも、誇りもなにもかも踏みにじられて逝ったケイネス先生にも同情を禁じえない。
ケイネス先生がソラウを人質に取られて素直に切嗣に従ったのは意外でした。わりとマジ惚れしてたようですね、目の前で露骨にNTRれてたのに。意外な健気さです。
まあ、彼が犠牲にした魔術師の誇りとやらは教会で銃を撃った時点で自ら汚してるんだろうけど、焦燥やら憎悪やらで歪んだ彼の脳裏にはそんな理屈はもはや意味をなさなかったんだろう。
だからこそ、おそらく最大限の屈辱を味わってでもソラウを守ることを選んだ彼の心には確かに愛を感じました。
別に胸は打たれなかったけどな!
同じ選択を迫られた時、時臣ならどうするのかとちょっと気になったり。
ランサーは死に際の言葉が呪詛という悲惨すぎる最期だったけど、素直に同情できないんだよなぁ。
前半のケイネス先生のお説教は言い過ぎにしても、あれだけ言われてなおセイバーとの「決闘」に興じるあまりマスターを危険に晒すというのは愚挙と言ってもおかしくはないのでは。気付けたかどうか、が問題なのではなく明らかにセイバーとの戦いに夢中になっていたこと自体が騎士としては問題だと思う。騎士だからこそ、なのだろうけど。
ランサーは騎士道を重んずるが、その凶運ゆえか主と仰ぐ人物に恵まれずに理想と現実のギャップに苦しみ続けたキャラクターだと思う。だからこそ唯一自分と同じ道を歩むセイバーにシンパシーを感じ、基本ストレスしかない人生の中で楽しみを見出した。
しかし、その唯一の楽しみが自分にとって最悪の結果を招いてしまう。薄幸ってレベルじゃねーぞ……人生レベルでは同情するわ。
さて、今回ようやく本性を現した切嗣さん。
彼がセイバーに対してシカトという大人気ない対応を取り続けていた理由がようやくはっきりしましたね。
世界から争いをなくす、そのためには世界中の全ての悪を引き受けても構わないと言う。
正義を為すために、手段は選ばない。まさにテロの論理ですね。
しかしそんな切嗣からしてみれば、戦場に正義や誇りを持ち込もうとするセイバーの理念こそが言語道断であると。
人間の歴史は戦争の歴史。血で血を洗う闘争に、栄誉や生甲斐を見出すような理念こそが戦争そのものを生み出してきた。それらを先導してきたのが、まさにセイバーのような英雄である。彼らが見せた夢が数多の人々の命を奪ったのだと。これが切嗣の主張ですね。
なるほど、ここに踏み込んでくるのか。自衛のために戦う必要もあるとか、ケースごとに見れば反論の余地はありそうですが、これはもっと根本的な指摘ですね。それが悪かどうかはまた別問題だとは思いますが、概ね同意です。戦争それ自体が悪、という観念が現代のものだからこそ通用する指摘で、その決して埋まらないギャップ、時代による価値観の相違こそが切嗣とセイバーの間を隔てる最大の障害かな。
過去の出来事を一方的に否定するのは結果論が先行し過ぎててちょっとどうかと思う気持ちがなきにしもあらずなんだけど……セイバーの行いが肯定的に扱われる場面が今後あるといいな。
純粋に正義を信じる気持ちがかつての切嗣にもあったはずだ、というセイバーの指摘に対して露骨に不快感を示してましたね。
おそらくこれが彼がセイバーを毛嫌いする一番の理由でしょう。ようするに彼はセイバーの中に若かりし頃の自分自身を見ているわけだ。だからこそ、彼女のいちいちが目障りに感じるんじゃないかな。
正直1クール目はネット上での盛り上がりっぷりに付いていけないと感じたこともありましたが、2クール目に入ってからはかなり身を入れて観られるようになってきてます。
明らかに叶わないであろう切嗣の願いが、どのようにして潰えるのか。そしてセイバーはこの陰惨な戦いで何を得るのか、最後まで見届けたいと思う。
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Comment
好きな場面になりました(爆)
お久しぶりです。この間「Fate/stay night Heaven's feel I presage flower 」をついに視聴しました。「zeroのアニメ」がきっかけで「stay night」の存在を存在を知った人間の一人なので「HF」を初めて視聴した時は怖さを感じながらも(真の意味でFate/zeroの10年後の物語が始まったんだな。)と懐かしい気持ちになりました(しんみり)
「ファーストシーズン」を観る前に「総集編」を観てそのあと「14話~17話」を一気見視聴したので、ランサー陣営が退場する場面を初めて観た時は(ランサーとケイネスかわいそう。)という気持ちになりましたが、結末を知った上で「ファーストシーズン」から視聴してみると(ランサーがあの結末に至ったのは必然だったんだな。)と納得しました。そして今では虚淵さんのせいで大好きな場面になりました。褒めています(爆 part2)
「16話」を観た後に「to the beginning」を聴いたので(切嗣の心情を歌ったこの歌がzeroの主題歌にふさわしいな。)という考えを持っていましたが、最近になって(oath sighもzeroらしさとサーヴァント達の心情を歌っている感じがあっていいな。)と好きになりました。
「ファーストシーズン」を観る前に「総集編」を観てそのあと「14話~17話」を一気見視聴したので、ランサー陣営が退場する場面を初めて観た時は(ランサーとケイネスかわいそう。)という気持ちになりましたが、結末を知った上で「ファーストシーズン」から視聴してみると(ランサーがあの結末に至ったのは必然だったんだな。)と納得しました。そして今では虚淵さんのせいで大好きな場面になりました。褒めています(爆 part2)
「16話」を観た後に「to the beginning」を聴いたので(切嗣の心情を歌ったこの歌がzeroの主題歌にふさわしいな。)という考えを持っていましたが、最近になって(oath sighもzeroらしさとサーヴァント達の心情を歌っている感じがあっていいな。)と好きになりました。
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Fate/Zero #16
【栄誉の果て】
『Fate/Zero』 Blu-ray Disc Box Ⅰ出演:小山力也アニプレックス(2012-03-07)販売元:Amazon.co.jpクチコミを見る
久しぶりの先生キター(゚∀゚)ー!
『Fate/Zero』#16「栄誉の果て」
「騎士道の剣に誉れあれ。俺はお前と出会えてよかった」
なぜこのセリフで終れなかった…
キャスター討伐にランサーが貢献したとして、協会に令呪を求めるケイネス。
何とか無事
Fate/Zero 第16話「栄誉の果て」
Fate/Zero (3) (カドカワコミックスAエース)(2012/04/02)真じろう商品詳細を見る
このエピソードを原作で読んだとき、沈んだ気分で印象に刻まれました。ウツになった方
Fate/Zero 2nd #16
第十六話「栄誉の果て」
非常にすっきりとしない結末に‥
やはり正々堂々の戦いに、正々堂々の結末を期待したいところなのですが、そうはいかないのがこの作品なのでしょう。
正々...
Fate/Zero 第16話 「栄誉の果て」 感想
ランサーの不遇職っぷりが……。
切嗣の理想、その果てが英霊エミヤだと思うと切ないです。
キャスター討伐の褒賞として令呪を得ることに成功したケイネス。
これにより、再び聖
Fate/Zero 第十六話「栄誉の果て」 感想!
戦闘に感情を持ち込むべきではない。だが。
Fate/Zero 第16話
野球に例えると、球団のオーナーが裏で、日本シリーズ第7戦の相手チームの先発投手の奥さんと子供を誘拐して、「お前が明日負けなかったら、奥さんと子供を殺す。」って脅して、
Fate/Zero:16話感想
Fate/Zeroの感想です。
おお、もうね…。
アニメ感想 アニメ感想 Fate/Zero 第16話「栄誉の果て」
「俺はお前と出会えて良かった!」
Fate/Zero 第十六話 栄誉の果て
Fate/Zero 第16話。
セイバーvsランサー、誇りある戦いの果てに待っていたのは・・・。
以下感想
Fate/Zero 2NDシーズン 16話
妻のアイリでさえ受け入れがたい切嗣のやり方。
彼にとってはこれが一番効率の良い戦法なのかもしれませんが、
やはり現時点で彼の思想を理解することはできないような気がします
Fate/Zero 16話「ランサー絶命!英雄のセイバーには世界は救えない。外道の俺が世界を救う」(感想)
ランサー絶命。周りの状況に翻弄され
本懐を遂げられなかった悲しきサーヴァント。
騎士道も切嗣に利用される羽目になりましたね。
今回はセイバーと衛宮切嗣の進む道が
完全に
アニメ Fate/Zero(フェイト ゼロ) 第16話「栄誉の果て」 感想
ガクガクブルブル、切嗣鬼過ぎるー!!「もう僕にはお前を殺せない・・・僕にはな・・
Fate/Zero 第16話
Fate/Zero 第16話
『栄誉の果て』
≪あらすじ≫
キャスター討伐に見事成功した面々。その中で教会を訪れたのはケイネスだった。彼はランサーの働きを監督役の璃正に説き、約束通り
Fate/Zero 第16話 「栄誉の果て」
聖杯に呪いあれ、その願望に災いあれ――!
ケイネスは セイバーの活躍を理由に令呪を手にするが…。
貰うもの貰ったら綺礼神父を処分(汗)
手段を選らばないやり方は すぐに...
Fate/Zero -フェイト/ゼロ- 第16話 「栄誉の果て」 感想
美しいもの、汚いもの―
2012年02クール 新作アニメ Fate/Zero 2 第16話 雑感
[Fate/Zero] ブログ村キーワード
Fate/Zero 第16話 「栄誉の果て」 #Fate2012 #ep16
大作 Fate/Zeroのセカンドシーズン であります。本作は『Fate/stay night』の10年前(第四次聖杯戦争)の物語。...
Fate/Zero 2ndシーズン #16「栄誉の果て」感想
ケイネスの逆襲はじまるソラウさんの腕がぁ・・・強制的に剥奪ってか キャスター討伐の褒美として令呪を貰うも用済みとして爺さん殺すってこの世界に救いはないのですか・・・切嗣...
Fate/Zero 第16話 『栄誉の果て』
ランサー、哀れ。本人の騎士道を全うしたい気持ちに嘘はありません。しかし周りがそれを許さない。ソラウには言い寄られケイネスには疎まれ気がつけば伝説の再現。所詮主の女を掻っ...
Fate/Zero 2ndシーズン第16話感想。
うっはほーい……。
切嗣、ぱねぇ(汗)
以下、ネタバレします。ご注意を。
Fate/Zero 第16話 『栄誉の果て』
「俺は…おまえと出逢えて良かった」
ディルムッド・オディナ、推して参る!
ランサー最愛の私にとっては辛い回でした。
あー…(´;ω;`)
Fate/Zero 第16話「栄誉の果て」
to the beginning(アニメ盤)(DVD付)『世界を救う英雄を誰よりも信じて、求め欲していたはずた』
制作 : ufotable
監督 : あおきえい
衛宮切嗣:小山力也 セイバー:川澄綾子 ア
Fate/Zero 第16話 感想「栄誉の果て」
Fate/Zeroですが、ケイネスはキャスター討伐の褒美に令呪を求めます。これで聖杯戦争に復帰できると思ったのですが、ソラウを人質にとられています。ランサーはケイネスに罵倒され絶望...
「Fate/Zero-2ndシーズン」第16話
【栄誉の果て】
外道と呼ばれて。
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アニメ「Fate/Zero」2ndシーズン 第16話 栄誉の果て
空は高く風は歌う(アニメ盤)(DVD付)(2012/05/02)春奈るな商品詳細を見る
切嗣。若き日の本当の貴方は、正義の味方になりたかったはずだ。
「Fate/Zero」2ndシーズン」第16話のあらすじと感想
Fate/Zero 第16話 「栄誉の果て」
ケイネス先生、キャスター討伐の報酬で令呪Get!
ついでに他に渡さぬように銃で璃正殺害し切嗣に疑いにが行くような工作も完了。
しかしランサーが戦い、ケイネスがそんなこと
【アニメ】Fate/Zero 16話 終わらぬ連鎖を終わらせる
Fate/Zero 16話「栄誉の果て」
を紹介します
高く高く欲する物を求めたがゆえに、それに見合った絶望を突きつけられる
それでも、ただそれだけを目指す
その身が滅びるまで、それは...
Fate/Zero 第16話 栄誉の果て
自らの足で歩く事すら出来ず、かつてのロード=エルメロイの面影もない車椅子のケイネスは、キャスター討滅へランサーが貢献したと、璃正に報酬として令呪を要求。
時臣に令呪を渡 ...
Fate/zero~第十六話「栄誉の果て」
奇跡をかなえるという聖杯を求める選ばれし7人の魔術師の戦い。 セカンドシーズンスタート、第16話場面1 ケイネス、神父 ケイネスは教会へ。キャスターを討伐したことに...
Fate/Zero 第16話 栄誉の果て レビュー
今回の未遠川の事件のもみ消し工作でお疲れモードの言峰パパの所に ケイネスがやってきていた。 「さて、神父殿。私の申告についての判定はどのように? その…キャスター討伐に
Fate/Zero 16話「栄誉の果て」
流石の切嗣さんも平行世界とはいえ、自分の娘が正統な魔法少女をやってるとは思わなかっただろう…
何処かの世界には、調整を受けず衛宮の魔術刻印を引き継いだイリヤが居たのか
◎Fate/Zero第十六話「栄誉の果て」
=教会*:聖堂教会でも手に余る。アーチ:私の判定は?褒章の件ですが。手がマイヤさんに切り落とされる。ソラウ:私の、右手!右手!右手!マイヤ:ソラウを確保しました。右手を...
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