氷菓
氷菓 5話 「歴史ある古典部の真実」 感想
10年後にも覚えていること、忘れてしまうこと。何を信じるかが、人生の色を決めるのかもしれない。
序盤の山場が鮮やかに決まったなー。真相自体はビターだったけど、帰り際の奉太郎とえるの会話の爽やかさになんか感動しました。勢い任せの青春もいいけど、この作品のやや知的な思索を中心とした青春もまた味わい深い。
関谷純は自ら率先して権利獲得のために動いたのではなく、引っ込みの付かなくなった学生たちによって仕立て上げられたスケープゴートだった。
抵抗も許されず、学生運動という燃え盛る炎に焼かれていくだった一人の少年。
まさかあの文集のタイトルにあんな重い意味があるとは予想だにしなかった。英語に直せと言われた時には文字通り叫んだよ(笑)
氷菓→アイスクリーム→I scream→私は叫ぶ。
奉太郎の言うとおり、こんなのはただのくだらない駄洒落でしかない。
しかしだからこそ、こんなもので自分の意志を表現するしかなかった関谷純の怒りや悲しみが際立つ。自らの正義に酔う学生たちの中で、犠牲にされた一人の少年は声を上げることすらできなかった。
内なる叫びを、時代の無常さを次世代に伝わる形で残した彼の意志が現代に生きる奉太郎たちに間違いなく届いた瞬間は悲しくも美しかったな。
タダの駄洒落にここまでの悲劇性を込める構成は見事でした。
えるが忘れてしまった叔父との思い出。今回思い出したそれは、決して楽しい思い出ではなかったかもしれない。
しかし、おそらく叔父がその人生において感じた最も強い感情であったのには違いない。何より、関谷純がただの恨み言としてえるに話したのではなく、そこから「強く生きること」を彼女に伝えたという事実に感動した。
たとえ悲劇であれ、その経験が次代に残したいメッセージまで昇華された。無駄なことなど一つもないのだ。
一人の少年の経験がまさに「古典」となってますね。上手いなぁ。
えるが子供の頃に泣いたのは「生きたまま死ぬこと」を恐怖したからだと言うが、今回の涙は最も大切な思い出を思い出せたことにあるのだろう。彼女があれほど欠落した記憶に拘った理由も、自分が忘れてしまったもとのが何か重要なものである、という感覚があったからなのだろうな。
そういえば今回は初めて奉太郎が自らの意志だけで謎に挑む姿勢を見せましたね。冒頭の里志との会話から、彼が薔薇色の生活とやらをやってみようと考えたことが分かります。
自分のやっていることが本当に薔薇色なのか、楽しいのか楽しくないのかもわからない。それでも価値を見出しているからこそ行動してるんですよね。
手探りで進んでいく青春の時、それはきっといつかかけがえのない財産になる。すべてを見透かすかのような姉の言葉が印象的です。彼女、絶対最強キャラでしょ(笑)
何はともあれ今回で第一部完、という感じですね。文言の意味から過去の出来事を紐解いていく推理展開に、画面を彩る多彩な映像演出がマッチしていて非常に見応えがありました。独特の切り口で見せる青春の描き方も楽しく見れているし、今期では個人的にトップクラスの作品ですね。しかも本当に面白くなるのはまだまだこれからということなので非常に楽しみです。
しかし、今後一つの大きな謎を解いていくたびに文集のネタが増えていくという展開なのかもしかして(笑)
誰にでもある青春 いつか忘れて 記憶の中で死んでしまっても
あの日僕らが信じたもの それは幻じゃない SO YOUNG
序盤の山場が鮮やかに決まったなー。真相自体はビターだったけど、帰り際の奉太郎とえるの会話の爽やかさになんか感動しました。勢い任せの青春もいいけど、この作品のやや知的な思索を中心とした青春もまた味わい深い。
関谷純は自ら率先して権利獲得のために動いたのではなく、引っ込みの付かなくなった学生たちによって仕立て上げられたスケープゴートだった。
抵抗も許されず、学生運動という燃え盛る炎に焼かれていくだった一人の少年。
まさかあの文集のタイトルにあんな重い意味があるとは予想だにしなかった。英語に直せと言われた時には文字通り叫んだよ(笑)
氷菓→アイスクリーム→I scream→私は叫ぶ。
奉太郎の言うとおり、こんなのはただのくだらない駄洒落でしかない。
しかしだからこそ、こんなもので自分の意志を表現するしかなかった関谷純の怒りや悲しみが際立つ。自らの正義に酔う学生たちの中で、犠牲にされた一人の少年は声を上げることすらできなかった。
内なる叫びを、時代の無常さを次世代に伝わる形で残した彼の意志が現代に生きる奉太郎たちに間違いなく届いた瞬間は悲しくも美しかったな。
タダの駄洒落にここまでの悲劇性を込める構成は見事でした。
えるが忘れてしまった叔父との思い出。今回思い出したそれは、決して楽しい思い出ではなかったかもしれない。
しかし、おそらく叔父がその人生において感じた最も強い感情であったのには違いない。何より、関谷純がただの恨み言としてえるに話したのではなく、そこから「強く生きること」を彼女に伝えたという事実に感動した。
たとえ悲劇であれ、その経験が次代に残したいメッセージまで昇華された。無駄なことなど一つもないのだ。
一人の少年の経験がまさに「古典」となってますね。上手いなぁ。
えるが子供の頃に泣いたのは「生きたまま死ぬこと」を恐怖したからだと言うが、今回の涙は最も大切な思い出を思い出せたことにあるのだろう。彼女があれほど欠落した記憶に拘った理由も、自分が忘れてしまったもとのが何か重要なものである、という感覚があったからなのだろうな。
そういえば今回は初めて奉太郎が自らの意志だけで謎に挑む姿勢を見せましたね。冒頭の里志との会話から、彼が薔薇色の生活とやらをやってみようと考えたことが分かります。
自分のやっていることが本当に薔薇色なのか、楽しいのか楽しくないのかもわからない。それでも価値を見出しているからこそ行動してるんですよね。
手探りで進んでいく青春の時、それはきっといつかかけがえのない財産になる。すべてを見透かすかのような姉の言葉が印象的です。彼女、絶対最強キャラでしょ(笑)
何はともあれ今回で第一部完、という感じですね。文言の意味から過去の出来事を紐解いていく推理展開に、画面を彩る多彩な映像演出がマッチしていて非常に見応えがありました。独特の切り口で見せる青春の描き方も楽しく見れているし、今期では個人的にトップクラスの作品ですね。しかも本当に面白くなるのはまだまだこれからということなので非常に楽しみです。
しかし、今後一つの大きな謎を解いていくたびに文集のネタが増えていくという展開なのかもしかして(笑)
誰にでもある青春 いつか忘れて 記憶の中で死んでしまっても
あの日僕らが信じたもの それは幻じゃない SO YOUNG
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Comment
ひとまず
お。
ザ・イエローモンキーの“SO YOUNG”ですか。
僕は“悲しきAsianboy”も好きです。
ザ・イエローモンキーの“SO YOUNG”ですか。
僕は“悲しきAsianboy”も好きです。
No title
>ネギ盛りMさん
コメントありがとうございます。
反応してくれる人がいると嬉しいですね。イエモンは好きなバンドの一つです。
今回この作品における青春の描き方について考えていたら、ふとこの曲の歌詞が浮かんできたので唐突に引用してみました。
コメントありがとうございます。
反応してくれる人がいると嬉しいですね。イエモンは好きなバンドの一つです。
今回この作品における青春の描き方について考えていたら、ふとこの曲の歌詞が浮かんできたので唐突に引用してみました。
Trackback
氷菓 第5話 歴史ある古典部の真実
氷菓 第5話。
45年前の出来事、「氷菓」の意味が明らかに。
以下感想
氷菓 第5話 「歴史ある古典部の真実」
氷菓という言葉の意味。
まとめtyaiました【氷菓 5話 「歴史ある古典部の真実」 感想】
10年後にも覚えていること、忘れてしまうこと。何を信じるかが、人生の色を決めるのかもしれない。
氷菓 第5話「歴史ある古典部の真実」 感想!
やばい、泣いてしまった。
氷菓 第5話「歴史ある古典部の真実」
姉からの電話で奉太郎は 45年前の真実にまだ不完全だったと知ります。
悲劇。 カンヤ祭が禁句となった意味は...?
奉太郎は さらに過去の再構成を経て 当時の生き証人にたどりつ...
氷菓 第五話「歴史ある古典部の真実」
氷菓 第五話「歴史ある古典部の真実」です。 本日は、日蝕があるので、観想記事は後
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「奉太郎の推理通りなら僕達のカンヤ祭は少なくとも一人の高校生活を代償の上に成り立ってることになるね。でも驚いたよ
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こ、怖かった!やっぱりミステリーは苦手ダヨw
『氷菓』#5「歴史ある古典部の真実」
「関谷純の高校生活は本当に薔薇色だったのか、
突き止めてやる」
私が生きているのは今なんです。
45年前の事件の謎解きに大活躍した奉太郎。
そんな奉太郎に、里志は逃げる
氷菓 第5話「歴史ある古典部の真実」
ED「まどろみの約束」『私が生きているのは今なんです!』
製作:京都アニメーション
監督:武本康弘
原作・構成協力:米澤穂信
折木奉太郎:中村悠一
千反田える:佐藤聡美
福
氷菓 第5話 「歴史ある古典部の真実」
折木供恵の話からすると、関谷純のことは「禁句」。
そして、事件は悲劇だと言う。
益々、謎が深まるばかりです。
そして、明らかになった事実。
好奇心の猛獣。基、好奇
さんかれあ 第7話 「おさな・・・なじみ・・・」
礼弥件で助けてもらったお礼か?
左王子蘭子の家お手伝いをする千紘。
ああ、でっち奉公みたいなものなんですね。
でも、板前姿が将来、蘭子の尻にひかれそうな雰囲気を
醸
氷菓 第5話 「歴史ある古典部の真実」 感想
まるで最終回のような感じでしたね。
プロセスとしては日常的ですが、内容は深いものでした。
45年前の真実。
それを知る意外な人物。
その人物と関谷純との間に何があったのか。...
(アニメ感想) 氷菓 第5話 「歴史ある古典部の真実」
投稿者・ピッコロ
氷菓 限定版 第1巻 [Blu-ray](2012/06/29)中村悠一、佐藤聡美 他商品詳細を見る
☆アニメを濃く熱く語りたい人は集まれ~!毎週水曜日と金曜日夜11時からアニメ系ネッ
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今回はOP曲もED曲も無し、詰めに詰めて進めた回でしたね。Aパートで奉太郎が“補足”という言葉を使ってましたけど、このエピソードをアニメに落としこむにあたっても原作の文章に言
2012年02クール 新作アニメ 氷果 第05話 雑感
[氷果] ブログ村キーワード
氷菓 第05話 「歴史ある古典部の真実」 #kotenbu2012 #ep05
京都アニメーションの渾身の作品。原作は、米澤 穂信氏。青春ミステリーということでどんな
◎氷菓第五話「歴史ある古典部の真実」
サトシ:謎解きをしたのはシタンダさんのためだろう。 :なんで回答を見つけようとしたんだい。ホウタ:灰色にも飽きたからな。無駄の多いやり方をしているよ。:俺は落ち着きた...
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