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氷菓

氷菓 6話 「大罪を犯す」 感想

千反田えるは何故怒ったのか? 奉太郎よ、その問いは心理の迷路なるぞ。

今回はまた見てる側にはどうでもいい謎を解き明かす『氷菓』のスタイルが帰ってきた、という感じかな。
普通の人なら考えもしないような点に疑問を見つけてみんなに報告するえる。それをみんなで考える。ああ、これが古典部の日常なのだろうな、というようなお話だった。

大天使チタンダエルは言いえて妙にもほどがある。
特にメガテンをやってて天使が必ずしも善なる者ではないというイメージがあると、好奇心の鬼とでも言う様な強烈なプレッシャーを奉太郎が感じているのもしっくりくるな。
机に身を乗り出して下から覗き込んでくるシーンなんて、あれが美少女じゃなかったら殴られても文句は言えないと思う。
平気で顔を近づけてくる無防備さと、大きな瞳でじっと見つめてくる目力は確かに天使のごとき力を有してるのかもしれない。


さて、七つの大罪の話が出たが、サブタイトル的にもこれが今度のテーマになるんだろうな。
今回は「怒り」について。
一口に怒りと言ってもそこには様々なパターンがあると思う。
大別すると、感情による怒りと、義務による怒りの二つかな。
たとえば「上手く怒れる」と評された摩耶花なんかは、今回何があったか知らないけど里志の失敗に対して感情が昂ぶったから怒っていたわけだ。
逆に、気持ち的には抑えられないほど怒ってはいないけれど、その場の「間違い」を正す為に必要だから怒る怒りもある。個人的には今回のえるの怒りはこれじゃないかと思うんだけど、また後で。

もちろんどっちの怒りが良い悪いという話ではない。「憤怒」が大罪とされるのだって、奉太郎が言う様に程度問題でしかなく。TPOに加えて怒り方、その内容まで斟酌して初めて是非が問われる問題だろう。
摩耶花の怒りだって、感情に訴えたものであっても里志がなんらかのミスをして、しかも反省してない様子だから「叱る」という意味で怒るのは正しい行為である。まあその行為が身を結んだかは別として。

逆に悪い怒り方は何かと言うと、今回で言えば数学教師オミチの癇癪ですね。
これは実際には生徒たちに落ち度はなく、彼自身の勘違いによる「間違い」があるがゆえの、理不尽な怒りとなるわけです。

そう、その場には確かに間違いがありました。
えるがその時怒ったのは、オミチの勘違いに怒りを覚えたわけでも指された生徒を哀れに思ったからでもないとすれば「義」による怒りでしかないと思います。
ある意味でのノブレスオブリージュに近いかもしれない。彼女はそこでその場の間違いを正すために怒るべきだと思ったから怒った。
できれば怒りたくないと普段から考えているえるが怒るのは、両家の娘として「義」を重んずる性質を持っていたからではないでしょうか? 必要な時に怒ることができる、これは大罪などではなく「正しい資質」だと私は思います。


とまあ私はこう解釈したわけですが、あくまで私個人からみた千反田える像でしかないわけで。
これでえるのことを分かった気になるのは奉太郎の言う様に傲慢かもしれません。
「何度意外と思ったのか分からない」
奉太郎が言うように、分かりやすい性格だと思われたえるにもまだまだ隠された一面があると言えます。
ただ、共に時を過ごすことで新たな一面を見ることができるのも人間関係の醍醐味であって、それを奉太郎が理解し始めたというのは彼の中で確実に変化が起こっているということですね。
何より、些細な謎と違って人間心理の謎に自然と頭が行っているあたり、彼が千反田えるという人間そのものに興味を惹かれ始めているのは間違いないと思います。

うーむ、最近演出について全然触れてないなー。語ることが多すぎるぜよ。

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