うつけ者アイムソーリー

ようやくニコが来たか、まったく待たせやがって……。彼女が物語に登場するだけで一気に話の流れが明るい方向へと動き出す、まさにこの作品きってのムードメーカーと言えるだろう。
その役割を担うかと思われたチユリはアレだし、アッシュさんは一時的に空気を変えたけどアレ以降出番ないし……。
しかし明らかに狙ったようなセリフと、必要以上に甘ったるい声でぶりっ子してる時の違和感が相変わらずひどい(笑)

タクムが心意システムの教えを乞うためにニコに師事するのは良い展開だけど、ニコが心意を使えたという事実の後付臭でちょっとモヤモヤした。設定の後出しは今に始まったことじゃないが、心意システムは当初から考えていた設定だと思っていた分余計に。

だが、扱える心意の力が結局はアバターと同じく自らのトラウマの延長線上にあるという設定は良かった。
タクムのトラウマは剣道の突き技ね。ずっと前の感想で｢男性としてのコンプレックス｣とか好き勝手書いちゃってごめんよタクム。

ニコの能力もそう。巨大な重機でその身を覆ってはいるものの、彼女のアバター自体は小さくひ弱な少女のまま。攻撃も防御もできない。それは彼女の世界に対する拭いきれない恐怖に起因する。

アバターの設定からも、このブレインバーストというゲームは徹底的に自分のコンプレックス・トラウマと向き合わされるように設定されている。それと向き合うか、それとも大して悩まずにゲーム自体を楽しむかはその人のスタンスによるけど、ゲームの目的である｢加速｣はおそらくそれらに向き合うことでしか果たせない。
少年少女が自身を見つめなおし、その上で先に進むことをこの作品は｢加速｣というキーワードを用いて一貫して描いていると思う。まあそれが上手く描けているかはまた別の話ですが。
｢心意システム｣が後付けであれ、そのテーマを補強する形で必要性のある設定だとある程度は納得できるので、賛否のあるこの設定については私は賛成します。どう見てもインフレの予兆にしか見えないなんでもアリっぷりも、この作品が内包する｢少年漫画のメソッド｣を考えれば十分許容範囲かな。

ニコの右腕っぽいせっかちメイドのパドさんがまた美人（バイク乗ってるから多分高1）でカッコよくて素敵です。ニコといい彼女といい、赤のレギオンの女達は純粋にキャラとして魅力的で良いなあ。

関連記事

• アクセル・ワールド　21話　｢Insurrection ; 反逆｣　感想
• アクセル・ワールド　18話　「Invitation ; 挑戦」　感想
• アクセル・ワールド　17話　「Fragmentation ; 分裂」　感想