氷菓
氷菓 最終話 「遠まわりする雛」 感想
もう面倒臭がる素振りすら見せねぇなコノヤロウ(笑)
入須先輩がもう一度拝めるとは思わなんだ。男雛の格好がイケメン過ぎて誰だか分からなかったけど(笑)
目的のためには他人を利用することを厭わない彼女だけど、何もない時にまで人を騙るようなことはしない。彼女だって会話するたびに奉太郎に構えられて嬉しいはずがないので、その誤解を解くような発言があったのはフォローの意味合いも含めて良かった。
豪農千反田家の息女える。最終話にして彼女の将来を憂う一面が明らかになった。
名家の跡継ぎとしてゴールが決まった人生。彼女が治めるべき土地は決して嫌な場所でもきれいでないわけでもない。ただ、そこには可能性もなく若者の力もない小さな世界。
その中で一生を終えることに、彼女は不安を抱いていた。
しかしその一方で、なんでもない日常の些細な出来事に興味を抱き、その謎を解くことを全力で楽しんできた彼女の姿も一貫して描かれている。そしてそんな彼女の隣には、いつだって奉太郎がいた。彼がいれば、たとえ可能性の乏しい片田舎での人生だって輝かしいものになるのかもしれない。
それは奉太郎だってそうだ。紅を塗ったえるに危険を感じる彼の様子には、ついに恋の自覚のようなものが見られた。それが自らが望んではいなかった薔薇色の人生への道に他ならない。恋をすることによって自らの主義に反してしまうことになるというのは、形は違えど前回の里志と被ってますね。だからこそ奉太郎もあの時の里志を連想したわけで。
自分以外の誰か、大切な人がいれば灰色の世界も薔薇色に変わるかもしれない。彼にまだそれを口にする勇気はなかったけれど、すでに卵の殻は破られた。今は遠まわりする雛でも、世界を革命するための翼を広げる日はそう遠くないのかもしれない。
今までの一つの集大成と思える、ラストに相応しいエピソードでした。
・総評のようなもの
京アニは「涼宮ハルヒの憂鬱」以来の体験だったのですが、細かい芝居と職人の技を感じる作画、そしてキャラクターの感情を様々な形で見せる高い演出力を堪能させてもらいました。
でも何より良かったのはやはり題材だと思いますね。ミステリー風味の日常で、少年少女たちの苦悩や挫折を描いていく。時に後味の悪い話もありましたが、むしろその苦味を売りにすることで数ある青春物との差別化を図っていました。
「氷菓」というタイトルに内なる心の叫びという意味を込め、作品全体のテーマの一つとして描ききったのは好印象。
キャラクターも皆魅力的で、主人公の奉太郎は最近良くいる無気力系主人公かと思いきやその人間性が見えるにつれて心の優しい、純情な少年であることが明らかになってきていつの間にか好きになっていました。最初はキャラが弱いと思っていた里志や摩耶花も、文化祭のエピソードで非常に人間らしい、凡人ゆえの「氷菓」を見せてくれたことで一気に個々の実態が見えてきてこれもまた好きになりました。
えるだけはずっとマスコット的な萌えヒロインとしての側面が強いかなーと思ってあまり好きではなかったのですが、ここ数話のエピソードでようやくその人格に迫れたと思います。
傷付き、迷いながらも少しずつ前に進む彼らの学園生活はまだまだ続く。是非またこのスタッフで、その続きを作ってほしいものです。
入須先輩がもう一度拝めるとは思わなんだ。男雛の格好がイケメン過ぎて誰だか分からなかったけど(笑)
目的のためには他人を利用することを厭わない彼女だけど、何もない時にまで人を騙るようなことはしない。彼女だって会話するたびに奉太郎に構えられて嬉しいはずがないので、その誤解を解くような発言があったのはフォローの意味合いも含めて良かった。
豪農千反田家の息女える。最終話にして彼女の将来を憂う一面が明らかになった。
名家の跡継ぎとしてゴールが決まった人生。彼女が治めるべき土地は決して嫌な場所でもきれいでないわけでもない。ただ、そこには可能性もなく若者の力もない小さな世界。
その中で一生を終えることに、彼女は不安を抱いていた。
しかしその一方で、なんでもない日常の些細な出来事に興味を抱き、その謎を解くことを全力で楽しんできた彼女の姿も一貫して描かれている。そしてそんな彼女の隣には、いつだって奉太郎がいた。彼がいれば、たとえ可能性の乏しい片田舎での人生だって輝かしいものになるのかもしれない。
それは奉太郎だってそうだ。紅を塗ったえるに危険を感じる彼の様子には、ついに恋の自覚のようなものが見られた。それが自らが望んではいなかった薔薇色の人生への道に他ならない。恋をすることによって自らの主義に反してしまうことになるというのは、形は違えど前回の里志と被ってますね。だからこそ奉太郎もあの時の里志を連想したわけで。
自分以外の誰か、大切な人がいれば灰色の世界も薔薇色に変わるかもしれない。彼にまだそれを口にする勇気はなかったけれど、すでに卵の殻は破られた。今は遠まわりする雛でも、世界を革命するための翼を広げる日はそう遠くないのかもしれない。
今までの一つの集大成と思える、ラストに相応しいエピソードでした。
・総評のようなもの
京アニは「涼宮ハルヒの憂鬱」以来の体験だったのですが、細かい芝居と職人の技を感じる作画、そしてキャラクターの感情を様々な形で見せる高い演出力を堪能させてもらいました。
でも何より良かったのはやはり題材だと思いますね。ミステリー風味の日常で、少年少女たちの苦悩や挫折を描いていく。時に後味の悪い話もありましたが、むしろその苦味を売りにすることで数ある青春物との差別化を図っていました。
「氷菓」というタイトルに内なる心の叫びという意味を込め、作品全体のテーマの一つとして描ききったのは好印象。
キャラクターも皆魅力的で、主人公の奉太郎は最近良くいる無気力系主人公かと思いきやその人間性が見えるにつれて心の優しい、純情な少年であることが明らかになってきていつの間にか好きになっていました。最初はキャラが弱いと思っていた里志や摩耶花も、文化祭のエピソードで非常に人間らしい、凡人ゆえの「氷菓」を見せてくれたことで一気に個々の実態が見えてきてこれもまた好きになりました。
えるだけはずっとマスコット的な萌えヒロインとしての側面が強いかなーと思ってあまり好きではなかったのですが、ここ数話のエピソードでようやくその人格に迫れたと思います。
傷付き、迷いながらも少しずつ前に進む彼らの学園生活はまだまだ続く。是非またこのスタッフで、その続きを作ってほしいものです。
- 関連記事
-
- 「ふたりの距離の概算」 米澤穂信 感想
- 氷菓 最終話 「遠まわりする雛」 感想
- 氷菓 21話 「手作りチョコレート事件」 感想
スポンサーサイト
Comment
Trackback
『氷菓』#22「遠回りする雛」(最終回)
「俺の省エネ主義が致命的に脅かされている」
省エネは恋愛沙汰を扱えない?
突然、えるに「傘を持ってくれませんか?」と電話で頼まれた奉太郎。
何を頼まれているか分からず、
氷菓 第22話 「遠まわりする雛」
氷菓 第22話 「遠まわりする雛」 感想です
えるの生き雛
もっと見たかったです
氷菓〜22話感想〜
「遠まわりする雛」
えるから雛祭りの傘持ちを頼まれた奉太郎。
奉太郎は引き受け、えるの元へと向かう。
行ってみると、みんな大忙しの状況。
礼儀正しくご挨
【感想】氷菓 最終回 滅多に見れないその光景
氷菓 22話「遠まわりする雛」
の感想を
『気になります』にも、もう慣れた省エネ主義者
「折木」は淡々と推理をし、いつものごとく「千反田」納得させる
見慣れた2人の後ろ姿、
『氷菓』 第22話(最終回) 観ました
早いもので、氷菓も最終回です。
実はこの最終回はとっても楽しみにしていた話なのです。それもこれも、我慢しきれずにネタバレも構わずに読んでしまった原作小説の短編集「遠回り
氷菓 第22話 「遠まわりする雛」 感想
遠回りして見えてくるもの―
氷菓第22話(最終話)感想
記事はこちら(TBもこちらへ)
元記事はhttp://sigerublog.txt-nifty.com/utakata/2012/09/post-5bc5.html
氷菓 第二十二話「遠まわりする雛」
氷菓 第二十二話「遠まわりする雛」です。 アニメ版『氷菓』も、今週で最終回らしい
遠回りしても前に進む アニメ感想 氷菓 第22話「遠回りする雛」
桜舞い散る道を彼等は歩んでゆく
氷菓 第22話「遠まわりする雛」(最終回)
遠まわりする雛 (角川文庫)(2010/07/24)米澤 穂信商品詳細を見る
最終回だけあって、オッサンさんが声優さん的にも豪華でしたね。千葉さんがいい感じで。祭りの傘持ち役として、奉太郎...
氷菓 第22話 「遠まわりする雛」
エフェクトが凄く効いていて……
氷菓 第22話(最終回)「遠まわりする雛」 感想!
遠まわりして、辿り着くのは。
氷菓 第22話(最終回)「遠回りする雛」
奉太郎がいい感じに籠絡されてきたところで、完。終わるのはやいよー
氷菓 第22話(最終回) 「遠回りする雛」 感想
綺麗でいい終わり方でしたね。
これで最終回というのが惜しいです。
えるに「生き雛祭り」の「傘持ち」役を頼まれた奉太郎。
祭りの会場に行ってみると…、そこは戦場さながらの
氷菓 第22話 「遠回りする雛」
氷菓 限定版 第4巻 [Blu-ray](2012/09/28)中村悠一、佐藤聡美 他商品詳細を見る
雛の姿になり化粧をした千反田える。
入須冬実も化けたが、えるも昔の貴族のようですね。
祭り
氷菓 #22 「遠まわりする雛」 <終>
彼女が十二単に着替えたら? 「氷菓」の最終話。
春休み中、えるから突然「傘持ち」を頼まれる奉太郎。
行列の経路の問題でドタバタが起きたりするがえるが手配して無事収まる。
...
[アニメ]氷菓 第22話「遠まわりする雛」(最終回)
終わった。終わっちゃった。でも、終わった感じがしないのは、二人の未来ともう二人の未来がなんだか明るいものに見えてきたので、その妄想で楽しめそうだからなのかも知れません。
(アニメ感想) 氷菓 第22話 「遠回りする雛」
投稿者・ピッコロ
氷菓 限定版 第4巻 [Blu-ray](2012/09/28)中村悠一、佐藤聡美 他商品詳細を見る
☆氷菓 第21話 「手作りチョコレート事件」の感想をポッドキャストにて収録!
里志が最...
氷菓 第22話「遠まわりする雛」
こちらの期待以上の、良い最終回でした。制作に関わった全ての方々は本当にお疲れさまでした。今回、まずは十二単に桜という組合せの絵で雅な雰囲気が表現できていたのは、さすが京...
氷菓~#22「遠まわりする雛」
神山高校1年B組の折木奉太郎(おれきほうたろう)は姉が所属していたものの、部員不在で廃部寸前な古典部に入部。 学校生活の中でおこる謎を次々と解決していく、第22話、最終回...
氷菓 第二十二話「遠まわりする雛」
…何と……何と美しい……。
京都アニメーションの描いた桜のシーンは、これまで何度も目にしてきましたし、そのいずれもとても美しいものでした。
でも、今回のこの桜...
気になります!
アニメ「氷菓」を見ました。
テレ玉にて 日曜深夜にやってました
米澤穂信の小説 古典部シリーズのアニメ化
1作目、2作目は既読でした
日常の謎を扱ったミステリで
そこに高校生
氷菓 第22話(最終回) 「遠回りする雛」 感想
傘を持ってくれませんか?+;・ο。..+(○´▽`)o☂o(´▽`○)+。ο・;+
折木さん生き雛祭りで傘をさす人になる!
衣装かわいい(*´ 艸`*)
えるちゃんのお雛様キレイ~♪
男雛は入須先輩...
Trackback URL
Comment form