新世界より
新世界より 2話 「消えゆく子ら」 感想
なるほど、つまりこれはSF系伝奇ジュブナイルなのか。
1000年後の世界を、誰に説明させるでもなく、そこに生きる少年少女の体験を通じて描き出す作劇。
何が起こってるのか、どういう状況に置かれているのかは完全には分からないものの、主人公たちが感じる理不尽への憤りや未知のものに対する恐れと好奇心がダイレクトに伝わってくるので物語そのものを感じ取ることができる作風が好みです。
特に夕暮れの中、化けねずみという彼らからしても見たことのない生物に対して、都市伝説染みた伝聞に二の足を踏みながらも接触を図り、その生態の一部に触れることができたというラスト付近のシーン。
放課後の帰り道に出合った不可思議な体験というのは、文脈的にはまさに伝奇物のジュブナイルのそれで、子どもの視点から徐々に世界の不可思議さ、不気味さ、そして美しさを感じ取れるような描写をアニメで表現してるのが見事です。こういうのを感じたのは「電脳コイル」以来だなー。演出力の高さを感じる。化けねずみを助けた後、皆が走って帰っていくシーンで早季がふと河原を振り返るシーンは最高だった。
消えていく子ども達。前回ラストで消えた子に早季たちは誰も触れないものだから、てっきり記憶の改竄が起こったのかと思った(笑) 長期休暇扱いだったのね、それでも誰か気にしろよとは思うけど。
次に消えるのはボーリングでルールを無視した少年。表向きは事故という白々しい彼の主張を受け入れておきながら、消えたあとも平然と課外授業の説明をする教師の姿にゾッとした。
あの学校の管理側にある教師からすれば、出来の悪い子や倫理規定から外れた子どもを判を押すという事務的な行為で「消してしまう」というルールは「当たり前」でしかないのだろう。いや、まだ確定じゃないけど。
ともあれ、教師という子どもを教え導く立場にあるものがルールを守らない生徒に対し叱るでもなく、ただその場を流して知らぬ内に制裁めいた決断をしてしまうというのは学校の管理体制の異常性を感じさせるには十分な描写であった。まるで教育してるというよりは、ふるいにでも掛けているみたい。
明らかに異常なことが起こっていて、少なくとも早季たちはそれに纏わる噂を耳にしているはずなのに、二人の生徒が消えた事実にほとんど無頓着な生徒たち。彼らがそれを自覚するのはいつになるのか。課外授業にて真理亜がなんらかの悲劇の引き金を引くことを暗に示すモノローグを聞くと、その時は意外に早くくるのかもしれない。
1000年後の世界を、誰に説明させるでもなく、そこに生きる少年少女の体験を通じて描き出す作劇。
何が起こってるのか、どういう状況に置かれているのかは完全には分からないものの、主人公たちが感じる理不尽への憤りや未知のものに対する恐れと好奇心がダイレクトに伝わってくるので物語そのものを感じ取ることができる作風が好みです。
特に夕暮れの中、化けねずみという彼らからしても見たことのない生物に対して、都市伝説染みた伝聞に二の足を踏みながらも接触を図り、その生態の一部に触れることができたというラスト付近のシーン。
放課後の帰り道に出合った不可思議な体験というのは、文脈的にはまさに伝奇物のジュブナイルのそれで、子どもの視点から徐々に世界の不可思議さ、不気味さ、そして美しさを感じ取れるような描写をアニメで表現してるのが見事です。こういうのを感じたのは「電脳コイル」以来だなー。演出力の高さを感じる。化けねずみを助けた後、皆が走って帰っていくシーンで早季がふと河原を振り返るシーンは最高だった。
消えていく子ども達。前回ラストで消えた子に早季たちは誰も触れないものだから、てっきり記憶の改竄が起こったのかと思った(笑) 長期休暇扱いだったのね、それでも誰か気にしろよとは思うけど。
次に消えるのはボーリングでルールを無視した少年。表向きは事故という白々しい彼の主張を受け入れておきながら、消えたあとも平然と課外授業の説明をする教師の姿にゾッとした。
あの学校の管理側にある教師からすれば、出来の悪い子や倫理規定から外れた子どもを判を押すという事務的な行為で「消してしまう」というルールは「当たり前」でしかないのだろう。いや、まだ確定じゃないけど。
ともあれ、教師という子どもを教え導く立場にあるものがルールを守らない生徒に対し叱るでもなく、ただその場を流して知らぬ内に制裁めいた決断をしてしまうというのは学校の管理体制の異常性を感じさせるには十分な描写であった。まるで教育してるというよりは、ふるいにでも掛けているみたい。
明らかに異常なことが起こっていて、少なくとも早季たちはそれに纏わる噂を耳にしているはずなのに、二人の生徒が消えた事実にほとんど無頓着な生徒たち。彼らがそれを自覚するのはいつになるのか。課外授業にて真理亜がなんらかの悲劇の引き金を引くことを暗に示すモノローグを聞くと、その時は意外に早くくるのかもしれない。
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今回の“搬球トーナメント”は面白いですね。
呪力の基礎を学ぶための競
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「新世界より」第2話
【消えゆく子ら】
能力のない者とルール違反をする者。
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(アニメ感想) 新世界より 第2話 「消えゆく子ら」
投稿者・ピッコロ
新世界より 上(2008/01/24)貴志 祐介商品詳細を見る
☆アニメを濃く熱く語りたい人は集まれ~!毎週水曜日と金曜日夜11時からアニメ系ネットラジオ「ピッコロのら
新世界より 第2話「消えゆく子ら」
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新世界より 第2話。
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以下感想
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原作読むのがツラすぎて泣きたい
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最初に拍手を止めた者の100人までをこの禊の日の生贄にすると、いきなり狂気としか思えない宣言。
これ ...
新世界より 2話
次々と生徒が消えていくにも関わらず、
平然と過ごす他の生徒たちには不気味さを感じずにはいられません。
先ほど初めて公式サイトに行ってみて、麗子が消えたことに関して
誰も
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つまり、2班にはおよそルールというルールを踏みにじっても平気な人間がいることになる・・・天野麗子の突然の失踪をその存在ごと忘れてしまったかのような子供たち。そして今日も ...
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