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映画

サラの鍵 感想

以前オススメされたんだけど、文庫が出てなかったので映画版で妥協しました。しかもゲオのキャンペーンを利用したのでさらなる妥協をしたことになります(笑)

 
これはナチスの運動が起こっている時期にフランスでユダヤ人が大量摘発された時の話なんだけど、いかんせん知識がないので歴史的見地からの考察はナシの方向で。
 この系統で知ってるのは有名な「シンドラーのリスト」、最近読んだものでは「オリガ・モリソヴナの反語法」がある。それらと比較すると、収容所の生活を掘り下げるというよりはそれによって人生を狂わされた一人の女性の生涯と、彼女の過去を掘り起こすことで現代に及ばされる影響の是非がクローズアップして描かれていたように思った。

 ヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件によって検挙されたユダヤ人の少女サラは、弟を助けるために納屋に鍵をかけて閉じ込めてしまう。しかし鍵を持ったまま収容所に送られ、弟を助けさせてという言葉も届かない。
 意を決して脱走したサラだが、鍵を開けた戸の向こうには既に死体と化した弟の無残な姿があった。

 この自分のせいで弟を殺してしまったという記憶が、その後のサラの人生にずっと付きまとっている。
 ユダヤ人である自分を庇い、育ててくれた義理の両親の元を離れアメリカに渡るサラ。それはパリの地から離れ、人生をやり直したいという意志があったのだろう。しかし、結婚し子どもを設けた後に彼女は自殺してしまった。この辺の彼女の心理は余り読み切れなかったけど、幸せな家庭を築いてしまったからこそ自らの罪の念が強まってしまったのかもしれない。あるいは、自らの出自も何も話せず、偽りの人生を生きることに耐え切れなかったのかも。
 収容所という地獄から幸運にも脱することができた彼女が、それに付随する「呪い」により結局非業の死を遂げてしまったというのがなんとも皮肉。

 
 そして、現代でサラの足跡を追うジャーナリストジュリア。この作品は、現代に生きるジュリアと1942年事件当時のサラの視点を交互に移す構成となっているのだけど、実質的な主人公はジュリアかなぁ。
 自分の夫の実家がサラが当時住んでいたアパートの部屋だったことから、ジュリアは真実を暴こうと動き出すわけだけど、その行為が結果的に夫の家族に亀裂を入れ、さらには調査の末辿り着いたサラの息子に思いがけず残酷な真実を突きつける結果となる。

 当事件は、フランスにとっては黒歴史みたいだし、ナチの活動によって起こった悲劇を風化させてはならない、というのは理解できるし一定の正当性があると思います。ただ、過去の真実をわざわざ掘り起こすことによって現代に負の影響を与えてしまう危険性があるのもまた確かだ。
 現代の視点から過去の負の遺産を暴く、というのは「オリガ・モリソヴナの反語法」でもあったけど、そちらでは真実を暴くことの是非自体はほとんど問われなかったので、この点に最も注目しました。

 他の問題もあったけど、それによって自分の家庭に亀裂を招き、さらにはサラの息子ウィリアムを怒らせてしまう。それを受けてジュリアは自らの掲げるジャーナリズムの傲慢さを思う。「真実」を暴くことを正義とし、それによって周囲にどんな影響を及ぼすかを考えない。あるいは自覚していてもジャーナリズムの名の下に正当化してしまう。
 ただ、彼女の起こした行為は作中ではっきりと否定されたわけではない。結局ジュリアは離婚してしまったわけだけど、その結果そのものを登場人物たちはちゃんと受け入れている。また、ウィリアムは結果的に母の真実を知ることができてジュリアに感謝していた。
 結局は、「自覚をしろ」ということなのでしょうね。たとえ動機に大義名分があったとしても、その行為がすべて肯定されるわけではない。真実を暴くにしろ、秘密を守るにしろ、自分の行動に責任を持ちただその結果を受け入れる。全てが上手く転ぶわけではないけれど、それを続けていくことが人生を強く生き抜くということなのでしょう。ちょっとズレるけど、真実を暴くことの業を理解した上でそれを追求しようとする姿勢は「UN-GO」の結城新十郎を思い出しました。
 そう考えると、サラは自分の選択に絶対的な後悔を得てしまったから、ああいう結末を迎えることになったんじゃないかな。

 ぶっちゃけ一回見ただけだと流れを追いきれず、「例えばジュリアが子を宿したことがサラの足跡を追う物語にどう影響してるのか」とか、メタファーとしての「鍵」の意味とかその辺があまり読めてないという感覚があります。
 できれば返却期限までにもう一度見返したいなー。

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Comment

感想ありがとうございます( ´∀` )

「サラの鍵」ご覧下さってありがとうございます!
映画だとちょっと駆け足の部分がありますので、一回見ただけでは分かりにくい点がありますね。
もし文庫本が出たら、ぜひ原作もお読みになって下さい(o^―^o)
原作は本当に素晴らしいですよ!

No title

>セラフさん

コメントありがとうございます。
大分日が空いちゃってすみません。

やっぱり端折られてたんですね、ちょっと登場人物の心情が読み辛い面がありました。
原作も文庫になって、近所の図書館に入ったら読んでみようと思います(笑)

韓日友好!

5WxGg6Ub
あなたはK-POP派?J-POP派?
わたしは可愛ければそれでいいと思う
http://2T6siN37.k-j-pop.me/2T6siN37/

No title

>キムゆりあさん

コメントは非常にありがたいのですが、さすがに記事内容はおろかブログの方向性にすら掠らない内容のコメントをされると色んな意味で反応に困るので出来れば控えていただきたいです。

ちなみに私は音楽については別にどっち派でもないです。あと、可愛いかどうかは音楽を聴く際の判断基準にはしていないので悪しからず。
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アニバタ Vol.6アニバタ Vol.9に寄稿しました。よろしくです。


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