さくら荘のペットな彼女　11話　｢銀河猫にゃぼろん｣　感想

　
　リタによってましろが文化祭後にイギリスに帰ってしまうことを聞き、文化祭の作業に身が入らなくなってしまう空太。
　そして美咲もまた、仁が卒業後大阪の大学に行ってしまうことを聞かされる。

　近しい者が、遠く離れた地に行ってしまう。
　しかし、似たような境遇に立たされた二人の反応が全くの逆だった。美咲は仁の大阪行きは端から問題にしておらず、ただ彼がモトカノである自分の姉を振ったことを喜んだ。
　なぜなら「会いたい」という気持ちがあれば、いつでも会いに行けるから。

　この答は非常に簡単でシンプルだ。
　空太がイギリスとの間に感じていたのは「金銭」や「時間」、「距離」の壁。しかしそれはただの障害であって物事の本質ではない。本当に会いたければそんな壁はいくらでも乗り越えられる。空太は物理的な距離に囚われすぎていて、それに気付かなかった。
　大事なのは細かい理屈じゃなくて自分の胸を突き動かす衝動。それに気付いたなら後は今向かうべき問題に全力を傾ければいいだけ。ましろに最高の思い出を作ってやりたいという気持ちが、イベントの完成度をより高めるインスピレーションを彼にもたらしたという流れはなかなか。

　美咲が物理的な距離を厭わないのは、あるいはそれ以上に仁との間に心理的な距離を感じているからかもしれないなー。彼女が取り払わなければならないのは彼との「気持ち」の壁なわけだ。その点で言えば、空太とましろの目に見えない壁は大分薄くなってきている気がする。この辺に二人の反応の違いが表れているのかもしれない。

　まあお約束的にましろは結局さくら荘に残るパターンでしょうね。個人的には半ば強制的にイギリスに渡ったましろを、空太たちが連れ戻す展開を希望します。それならリタの出番も増えるだろうし。

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