アニメを中心に、漫画や映画、小説など創作物の感想を載せるブログです。

スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

その他

中二病でも恋がしたい! 感想

中二病。それは輝く世界を信じる心。

 
 最高だった! まさかここまで抉ってくる作品だとは思わなかったなー。
 
 家族を安心させるため、「中二病」を捨てた六花。それは彼女が周囲のために自分を殺すということ。最も幼い六花をちゃんと見てあげることが彼女の家族がすべきことだったのに、実際は彼女が最も気を遣う形に納まってしまった。特に姉の十花は本当に最後まで変わらなかったなー。気持ちは分かるけど、正直第一印象が悪過ぎて同情する気になれない(笑) 作劇的には損な役回りですね。六花の家族関連はリアルではあるけど唯一モヤモヤが残る部分だったかな。


 全てを――少なくとも表面的には丸く治めるために個人の気持ちを封じ込める。
 それは「大人になる」と都合良く表現される現象だけど、それによってもたらされる秩序はやはりどこか歪だ。不可視境界線はないし、いつまでも中二病で家族に心配をかけてはいけない。それは真実だしまったくの正論には違いない。それでも、本当の気持ちを押し殺してまで現実ってやつは頑なに守らなければいけないものなのか?
 凸守はそれが分かってるから六花を止めようとしたんですね。彼女だけは、周りの事情に囚われずただ六花の幸せだけを願っていた。あの子は多分本当は頭良いし、全力で人生を楽しもうとしている。
 一方の勇太は、周囲との折り合いを付けるために六花を頭から抑え付ける「大人の理屈」を使ってしまった。実際にそれが諸問題の解決にはなったのだけど、代わりに犠牲になるものがあることに気付いてなかったんですね。
 その辺をモリサマーは「意地を張ってる」と称していました。

 中二病で妄想するような世界は現実には存在しない。これは真理だ。
 しかし、それが分かっていても信じることで救われることもある。いや、そこまで大げさじゃなくてもちょっとしたことに「カッコよさ」を感じたり、日常のある情景を比喩で彩ったりする心は誰にでもある。それはロマンとかそういうもので、どれも現実的に突き詰めれば無味乾燥なものだけれど、それでも心が動かされるのはそこに人間の想像力が働くからなんですね。ちょっとした発想や、見方を変えるだけで世界はもっと輝くかもしれない。それを自覚的に利用して楽しむのが、凸守やモリサマーがやっていた「中二病」なわけです。
 それは大なり小なり誰もがやっていることだから、「特別」と思っていても実は「普通」。それも含めて自意識過剰の普遍の病なんですね。

 六花の場合はさらに受け入れがたいリアルへの反抗心という属性が付加されていました。それは根本が父の死という現実の問題に根ざしているからで、だからこそ現実との壁がより強固なものになっていた。父の死にどうしても折り合いが付けられなかった時に、勇太に出会い中二病に触れることで、もしかしたら父と再び会うことができるかもしれないと信じることで彼女は一度救われた。
 最終話でも、中二病の反骨精神がクローズアップされていましたね。勇太は自分が何も出来ない凡人と自覚されながらも、過去からのダークフレイムマスターの手紙によって自分が「特別」だと信じていた頃を思い出す。つまり一歩を踏み出す「勇気」をもらったんですね。現実では自分は特別じゃない、でも特別な力を持っていると信じれば六花を救うことができるかもしれない。
 彼が六花に見せた不可視境界線も同じこと。あれはただの船の光で、不可視境界線などそこにはない。だけれど、封印していた中二病の力を自ら振りかざすことで勇太は確かにそれを出現させた。本当は存在しないものを、信じる力。現実を思うままに変える力。
 実在がどうだろうと関係ないんですよね。だってこれは六花の心の問題なのだから、彼女が信じることができればいいだけ。最近読んだ漫画にあったセリフにあった、「空想だって信じ切れば、それが現実」はドンピシャですね。望まない現実への抵抗を、こういう形で肯定的に描いたのは本当に素晴らしい。それは決して現実から目を背けるための逃避にはなっていない。六花は父に別れを告げるために、妄想の力を借りただけ。
 しっかりと現実を見据えた上で、より輝ける世界を見つけ出そうとする意志を描いているから、「中二病」が世界と向き合う一つのメソッドとして昇華されているのです。

 「中二病」という昨今では非常に曖昧模糊とした単語をテーマとして描ききった、傑作青春ラブストーリー。後半の繊細な所を突いたストーリー展開は圧巻の出来で、個人的にヨルムンガンドと並んで今期最高の作品でした。

 
関連記事
スポンサーサイト
Comment

No title

認めましょう・・・素晴らしい作品だったと!
賑やかな日常から始まり感動で終わらせるのはクラナド思い出しました。

ただまぁ原作とは完全に別物ですね(笑)一緒なのは名前だけ・・・
京アニならどんな改変をしても大丈夫だな~

冬もまさかの京アニ続投。今年は1年間京アニ作品が放送している年に。
今度は完全にオリジナル作品なので期待してます。

No title

>シカローさん

コメントありがとうございます。

本当、良かったですね。京アニ作品は実はフルメタとハルヒ1期しか見てなかったんですけど、今年この作品と「氷菓」を見て作画はもちろん、演出・脚本も高いレベルで備わった製作会社だと実感しました。

お、原作読まれてたんですか? 全然違うとのことですが、原作での「中二病」の描き方もちょっと気になりますね。

来年は、「たまこまーけっと」でしたっけ? 京アニオリジナル作品、今までの作品で培ったノウハウを活かしたアニメになったらいいなと思ってます。
Trackback
Trackback URL
Comment form













管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

ぽんず

Author:ぽんず
私は好きにした、君らも好きにしろ

アニバタ Vol.6アニバタ Vol.9に寄稿しました。よろしくです。


このブログについて

※感想記事はネタバレがデフォです。

当ブログはリンクフリーです。お気軽にどうぞ!
現在相互リンク募集中


twitter
検索フォーム
ランキング
にほんブログ村 アニメブログ アニメ感想へ

アクセス解析
外為どっとコムの特徴
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Page Top
Powered by FC2 Blog | | Template Design by スタンダード・デザインラボ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。