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2012年ベストアニメ10選 話数単位編

 今年の総決算その1。

 
 去年他のブログ様がやってるのを見て、自分もやってみたいと思ってた企画です。
 単純に作品を選ぶよりもずっと選択肢が多くて大変ですけれど、自分のストーリー・演出面の好みをより反映できるのが面白い点かもしれませんね。
 地続きのストーリー物や、全編安定してクオリティが高い作品からはむしろ選び辛かったり、逆に作品全体はそれほど好きでもないけれどこの回はすごく印象に残ってる、というのもあったりで非常に楽しかったです。
 
 基本的に順不同で、なるべく放送順にならべました。


1. モーレツ宇宙海賊 21話 「決戦! ネビュラカップ」
脚本:宮崎真一 絵コンテ:西村聡 演出:筑紫大介 
作画監督:大河原晴男、山下英美


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 この回は、すごく劇場の大スクリーンで見たい。それくらい登場人物たちが飛び回る世界が魅力的で、ケレン味たっぷりのSF描写が素晴らしかった。特に大気圏を無理矢理越えて来る弁天丸のシーンはスケール感は突き抜けてて最高です。世界の広さを感じられる作品っていいよね。

 実力と信頼関係に裏打ちされた丁々発止のやり取りもテンポ良く、軽妙なセリフのセンスを存分に楽しめた。また、アイちゃんの天才っぷりと、全力で世界を楽しんでいる姿勢、彼女が見ている風景を実感できる徹底した画作りもまた印象に残ってる。
 話数単位で言えば、この回のエンタメ性はズバ抜けてたと思います。



2. 戦姫絶唱シンフォギア 8話 「陽だまりに翳りなく」
脚本:金子彰史 絵コンテ:安田賢司 演出:江上潔 
作画監督:小林利充、小澤円


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 シンフォギアは良い回が多過ぎて迷うけど、やはりこの回がダントツで好き。個人的には年内ベストエピソードと言っていいほど、何度も見返したなぁ。

 響と未来の確執、奏が響に託したもの、ヒーローとは何か、それらが一つのシークエンスに集約された劇中歌が流れる一連のシーンが素晴らしい。
 これって、ノイズとの戦闘シーンじゃなくて響が自身の守りたい日常の象徴である未来を救うために「駆けつける」場面なんですよね。響が奏の想いを自分なりに昇華していくモノローグと共に、街中を空高く跳び回り、ブースターを吹かし、助走をつけ、そして新ギミックの脚部バンカーを使った大ジャンプからの響の力強いアップで締める。ただひたすらに、彼女が未来を助けに奔走する姿を見せ場として描いています。
 これが、彼女が奏のヒロイズムを継承する物語展開と非常にマッチしているなぁと。戦士として強くなるにつれ犠牲になってしまった彼女の日常。それを取り戻すことで、同時に本当の「人助け」とは何かを自覚し、自分の中で燻る想いをある確信へと変えていく。自分が一番最初に守るべきもの、帰るべき場所に回帰することで真のヒーローとして覚醒する物語構造にシビレました。
 「私ト云ウ 音響キ ソノ先ニ」もこの場面に最高にマッチしてるんだよなぁ。作画・演出面でのクオリティが特にすごいってわけではないけれど、自分の琴線に触れまくったエピソードでした。



3. 妖狐×僕SS 11話 「陽炎」
脚本:根元歳三 絵コンテ:吉田幾三 演出:吉田隆彦 作画監督:河野真貴、谷川政輝、蘇武裕子 総作画監督:飯塚晴子、清丸悟


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 一編のラブストーリーとして、すごく印象に残っている回。
 「自分」というものが酷く希薄だった御狐神が、蜻蛉の代筆として顔も見知らぬ凛々蝶という少女との文通をすることで、自分を見出していくという流れが美しい。
 情感豊かな凛々蝶様の手紙の内容を理解するために、何もなかった彼の部屋に物が増えていく描写を、季節の移り変わりと共に描くことで二人が共有した時間と「蜻蛉」を通じて御狐神が日常に転がる情景を追体験していることが見事に表現されてました。

 「手紙」というガジェットが上手く機能していたし、特殊EDとして流れたOPの紙飛行機が時を経て通じ合った二人の想いを表現したものと分かる憎い演出もあって、とても心地好い余韻に浸れるエピソードだった。



4. 坂道のアポロン 7話 「ナウズ・ザ・タイム」
脚本:加藤綾子 絵コンテ:松尾衡 演出:出合小都美 
作画監督:Cindy H.Yamauchi


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 些細なことから擦れ違った薫と千太郎が、音楽を通じてより絆を深めるというただそれだけの話を見事なカタルシスを持って描いたエピソード。
 ラストの演奏シーンはストーリー展開、ジャズ演奏、作画共に最高潮で本当に興奮した。観客の盛り上がりに素直に共感できるように描写するのはすごく難しいんだろうなぁと、「さくら荘」最新話を見て思います。
 この回が単純に楽しすぎて、その後の展開にどうしても物足りなさを感じてしまうのがネックでもある(笑)



5. LUPIN the Third 峰不二子という女 11話 「愚か者の祭」
脚本:岡田麿里 絵コンテ:袋小路ピーチク 演出:梟小路パーチク、立川譲 作画監督:依田正彦、竹上貴雄、石川晋吾、嶋謙一


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 まず一つ言わせて。絵コンテ・演出の袋小路ピーチク・梟小路パーチクって誰だよ!(笑) いや、マジで気になってるんで知ってる人情報プリーズ。

 本作オリジナルキャラオスカー君の憂鬱を描いたエピソード。彼の追憶、胸の奥底にしまった宝物を思い出す過程を緻密な水中描写と共に描く演出が素晴らしかった。ストーリー面でも、ホモ野郎の屈折した愛憎が呼び起こされた子供の頃の純粋な気持ちに昇華される展開がなかなか。振返ってみると、やっぱりオスカーの倒錯したキャラクター性が実験的要素の強かった本作でも一際目立ってた印象。

 ただ、ここで彼を死なせなかったのは本作最大の失敗だったと思ってる。どう見ても銭型を足止めする役が欲しかっただけだし。



6. 戦国コレクション 18話 「Four Leaves」
脚本:待田堂子 絵コンテ:後藤圭二 演出:三上喜子 
作画監督:中村深雪

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 戦コレは傑作エピソードがいくつもあるけど、一つ選ぶとしたらやっぱりこれかなぁ。
視聴後に訪れるなんとも言えない深い余韻はなかなか体験できるものじゃないと思います。

 吉継は徹底して不幸な目に会うけれど、決して「悲劇」とは言い切れない。この絶妙なラインを突く脚本は見事としか言い様がない。モノトーン調の作劇に合わせ、無音のBGMとゴッホをイメージした油絵の背景によってこの回専用の世界観を構築し、そこに後藤監督の主張し過ぎない絵コンテが加わって短い時間に詰め込まれたドラマに説得力を与えていて終始暗い話なのにグッと惹き込まれる。一つ一つの個性的な要素が、奇跡的なバランスで噛み合っていて、上質の短編映画のような完成度に仕上がっていました。



7. 氷菓 19話 「心あたりのある者は」
脚本:江上美幸 絵コンテ・演出:小川太一 作画監督:秋竹斉一


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 なぜか1話だけピックアップするとこの話に。基本的に奉太郎とえるが部室で駄弁ってるだけ。しかしながら、作中で最も純粋なミステリーの面白さが表現されていたエピソードだと思う。

 短い放送を元に、その内容の真意を推論する。フレーズの端々に仮定からの検証で条件を絞り込み、時にはひらめきという名の論理の飛躍で辻褄を合わせる。トリックの答がどうとか、意外な真相がどうのこうのではなくて、三歩進んで二歩下がりながら推理を進めていく「過程」にこそ醍醐味があるのだと、この推理ゲームを通して描いていたように思う。
 そして正解を言い当てるのではなく、ただ相手の納得をゴールに設定するというメタミステリー的なスタンスの奉太郎が、「とりあえずえるを納得させて、後日真相が全くの別物と発覚することで自分の才能の無さを知らしめる」という当初の目的を完全に忘れ、しかも運良く正解に辿り着いていたという捻りの利いたオチも実にお後がよろしくて見事な短編だったと言わざるを得ない。



8. 中二病でも恋がしたい! 7話 「追憶の…楽園喪失」
脚本:花田十輝 絵コンテ・演出:坂本一也 作画監督:高橋博行

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 迷ったけど、作中でもシリアス方面に話が触れたターニングポイントであるこの回で。
モリサマーと凸守の仲の良さとか、登場人物のなかで唯一なにものにも縛られないくみん先輩のブレなさとか、各キャラが一番バランス良く動いていた回だったかなと。女子三人が皿を洗ってるシーンの構図が好きです。良い尻だ。

 あとはやはり、何がなんだか分からないままに六花を連れ出す勇太のシーン。後先考えない情動に任せた彼の行動に、六花が「ダークフレイムマスター、最強だった!」と興奮気味に言う場面が京アニによる海岸線の美しさと相まって最強だった。

 ラストでいつもの決め台詞が現実へのささやかな抵抗を表現する言葉にシフトするのも、かなりインパクトがあったなぁ。



9. ソードアート・オンライン 22話 「グランド・クエスト」
脚本:木澤行人 絵コンテ:長井龍雪 演出:久原謙一 
作画監督:米澤優 アクション作画監督:鹿間貴裕 
総作画監督:川上哲也


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 今年の長井さんの仕事ではこれが一番好きです。次点でココロコネクトED。

 万能感に満ち溢れる英雄キリトが、権力という名の現実に踏み潰され無力を噛み締めるエピソード――はオマケと言わんばかりの直葉の痛ましすぎる告白シーンの素晴らしさ。どうしようもない想いをただぶつけるしかない、一人の少女を見事に表現するその手腕はさすがとしか言い様がないです。

 SAOは鹿間さんが作画監督だけでなく演出面も全面的にプロデュースした20話の空中殺陣回や高橋亨さんの顔芸+陵辱回も良かったけど、やはり当て馬サブヒロインの玉砕展開が一番面白かったかなぁと。構成で不味った1クール目はともかく、2クール目からは演出面が非常に充実していたと思います。



10. 新世界より 10話 「闇よりも」
脚本:浦沢広平、十川誠志 絵コンテ・演出:山内重保 
作画監督:羽山淳一


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 私がにわかオタだからというのもあるけれど、山内さんの演出は癖が強すぎてイマイチ良さが分かってません。今年はこの回を見るまでちはやふる20話での仕事が主張控えめで一番好きでした。ピンドラ18話も素晴らしかったし、使い所の問題なんじゃないかと思い始めたりもする。

 この回は、瞬が置かれた状況からも彼の異空間的な演出が噛み合っており、基本的に早季と瞬の会話で構成されているのでアップを多用する彼の手法も二人の心の動きを表現するのに適していたと思います。
 また、羽山さんの癖のあるキャラ作画も大人になった二人の色気が存分に表現されていて、特に早季はえらく美人に描かれていたなあ(笑)
 二人の永遠の別れが非常にドラマチックに描かれていて、シリーズの山場に相応しい出来になっていたんじゃないでしょうか。




 今年はブログを始めて見る本数も増えて、一応演出面も気にするようになりました。どうあっても素人だし、何も分かってないで適当なことを言ってるんですけど、それでももっと色んな角度からアニメを楽しめるんじゃないかと思ってにわか臭上等で記事を書いたりしています。
 基本は自分が感じたことが全てでいいんだろうけど、できればそれを他人にも理解してもらえるくらいに言語化できるようになりたいなー。映像を言葉で説明するのって、本当に難しい。

 あとは年内に頑張って作品別ベスト10の記事を書いて、それで今年のまとめをしたいと思います。

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アニバタ Vol.6アニバタ Vol.9に寄稿しました。よろしくです。


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