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漫画

漫画雑感③

ヴィンランド・サガ、暗殺教室、ハンタの最新刊感想。

 
 ヴィンランド・サガ 12巻

 ああ、こうして再びトルフィンとクヌートの道が重なるのか。

 トルフィンが奴隷になって畑を耕して、そこで今まで彼がいた戦場では見えなかった世界の一面を見て、暴力との決別を誓ったトルフィン。
 しかし、今回のガルザルの件でトルフィンは自らに課した禁を破ってしまう。
 「見逃せ」と言うのは簡単だし、それで誰もが「許す」ことができれば世界は平和になるのだけど、現実はそんなに甘くはない。部下を殺された以上、ガルザルを見逃すわけにはいかないという「蛇」。それは復讐どうこうじゃなくて、当たり前のオトシマエなんだよね。罪を犯した者には罰が必要。それは現代においても変わらない。
 そして一つの「罪と罰」は、周囲にも影響をもたらし様々な確執を生む。今回はアルネイズがまさにそれですね。世界には戦争や奴隷制というマクロな負の連鎖の中に、そういった幾重ものミクロな負の連鎖があって、トルフィンにはそれをどうこうすることはできない。
 彼もそのジレンマを痛いほどに理解していて、そして考えた果てについに幼き日に聞いた「ヴィンランド」のことを思い出す。いやー、ここまで長かった(笑) でもまだスタート地点に立ったに過ぎないんだよなぁ。

 トルフィンはここにきて「争いのない世界」を強く望むようになり、それは「地上の楽園」を造ろうとするクヌートと同じ地平に立ったということ。でも、二人のやり方は絶対的に相容れないものなんですよね。今のこの二人が再会したとき、確実に何らかのコンフリクトが起こる。それをどう描くかが、この奴隷編最大の肝となりそうだなぁ。楽しみだ。


 暗殺教室 2巻

 ビッチ先生かわいい!
 イイ女風だけど人智を超えた化物に言い様にされてヘタレる辺りは、ネウロのジェニュインを思い出す。

 プロの暗殺者として素人のE組生徒たちを軽んじるも、烏丸さんに「暗殺者」と「教師」を両立できない奴はいらないと言われるビッチ先生。暗殺に成功すれば大金が手に入るから頑張らなくていいやと学生の本分である勉強を疎かにし、殺せんせーに保険の大切さを教えられる生徒たち。そしてターゲットとしては無敵な殺せんせーが、教師として理事長に敗北する展開。
 各キャラに与えられた「二面性」を強調する話が目立っており、この作品のテーマの一つでもあるのかもしれない。ネウロは心の闇を戯画的に表現していたけど、こちらでは異なる役割同士の影響を中心に描いていて、それが「個性」とかその辺の教育学的問題(適当)に繋がってる感じかな。

 ネウロが念頭にあるからか、現時点であちこちに種を蒔いているのがなんとなく分かる。予想外に売れているようだけれど、ジャンプ編集部にはちゃんと作者の意向を汲んで欲しいところ。頼むぜ、マジで。


 HUNTER×HUNTER 31・32巻

 ハンター協会の新会長を決める選挙戦と、ゾルディック家に潜む「闇」アルカを巡るオカルトサスペンスが同時進行で繰り広げられ、最終的にゴンの復活へと収束する。
 本当にこんなに自由なバトル漫画って他にないよ。選挙戦とかもはや念能力ほぼ関係ないし(笑)。 あらゆるジャンル、戦い方がエンターテインメントに変換され、それがそのまま世界の多様性に繋がっていて本当に面白い。そしてそこから世界が一気に広がるんだからもうね。たまらん。
 
 ついに再会したゴンとジン。この二人の会話がまたいいんだ。
 見たことのない何かを探して旅を続けるジン。しかし、目的を達成したその時にはもうそれ以上の何かを手に入れていた。
 平たく言うと、「結果」より「過程」が大事って感じですかね。ゴンも、ジンを探してハンターになって、ずっと旅をしてきたわけだけれどその途中で何人もの掛け替えのない仲間と出会い、濃密な時間を過ごしてきた。何かに全力で打ち込んで、その道中に落ちているものこそが自分にとって何よりも輝く宝物。それを探すのが彼らハンターなのだと。
 いやー、ジンは父親としては最低のクズかもしれないけどハンターの先輩としては最高の人物ですね。

 そしてもう一人、十二子んが一人パリストンが素晴らしいキャラクター。
 胡散臭さ全開で、裏で色々悪事に手を染めている優男。ジン曰く、十二子んの中で最もネテロの意志を継いでいるのは彼だという。
 あの選挙戦を色々引っ掻き回していたのも、そもそも勝とうとしていなかったのも、全部あの得票ゲームを全力で楽しんでいたからなんだろう。つまり、彼にとっては遊びだった。たとえ世界の脅威に立ち向かっていても、ネテロがメルエムとの闘いを楽しんでいたように。
 これも「結果」と「過程」の話ですね。チードルたちは「パリストンを勝たせない」という「結果」に固執していたから、そもそも「勝つ気のない」パリストンに踊らされるしかなかった。パリストンはあの選挙戦を最大限に楽しむことで、ネテロへの手向けとしたのだと思う。
 ジンを敵視しながらも、だからこそ彼を誰よりも評価してその言葉を信じたのはジンもまたネテロに近い領域にいる存在だと認識しているからかな。

 もうこの作品はとっくに善悪の垣根を超えた場所での戦いを描いていて、それを特に強調するでもなく普通にエンタメにできてるのがもうすごいです。選挙編もアルカ編もそうだけど、最終的な目標設定が必ずしも「選挙に勝つ」「敵を倒す」と従来のエンタメに沿ってないんだよね。だから、たとえ戦闘力が高くなくても、レオリオみたいに人柄だけで表舞台に立って活躍する機会が与えられる。蟻編でインフレどうこう言われてたけど、もうそんな事関係ない領域にいるんじゃないかな。次は何を見せてくれるのか、最高にワクワクさせてくれる少年漫画です。


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アニバタ Vol.6アニバタ Vol.9に寄稿しました。よろしくです。


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