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「今期終了アニメ(12月終了作品)の評価をしてみないかい?19」に参加します

 例によってゲームやアニメについてぼそぼそと語る人様の企画に則り、2012年12月終了作品の評価をしたいと思います。

 
 企画の詳細はこちらを参照してください。
 私が視聴した今期終了アニメは

ソードアート・オンライン
となりの怪物くん
ヨルムンガンド PERFECT ORDER
中二病でも恋がしたい!

の4作品です。

 今期は来期への継続作品が多かったので、随分少なくなりました。
 評価に当たって一部批判的な意見が含まれることもあります。ご了承下さい。
 また、点数評価が必ずしも私の評価指数と一致するわけではないという点も一応強調しておきます。

 それでははじめます。


ヨルムンガンド PERFECT ORDER

ストーリー 5
キャラクター 5
画 4
演出4
音楽 5
総合的な評価 5

合計 28
 
 武器を憎む少年兵と世界平和を望む武器商人。
 矛盾した性質を持つ二人が出会い、旅の果てに辿り着いた答とは。

 魅力的なキャラクター達の掛け合い、派手なガンアクション、時に協力し時に騙しあう多層的な人間ドラマ、それらが軽妙なテンポで描かれた本作は単純にエンタメとしても高水準。しかしその水面下では、ココ達が渡り歩く戦場を通してビジネスとしての戦争が特筆すべき悲劇ではなく「日常」として描かれ、そこで生きる人間達の倒錯した感情の揺れる様が淡々と映し出される。世界の「傾き」が知らずの内に印象付けられ、そして終盤の展開で視聴者は己の価値観を問う選択を迫られる。

 とにかく終盤のダイナミズムに繋がる構成が素晴らしい。くど過ぎない演出も、岩崎琢さんのカッコイイBGMも原作の持つ淡々とした雰囲気を損なわずアニメーションとしての良さを出すのに貢献していたように思う。
 欠点を上げるとすれば、銃撃戦での不自然な演出の数々が緊張感を削いでいたくらいか。あれもある意味で原作通りだが、アニメに起こす上でもうちょっとなんとかならなかったのかと思わないでもない。
 
 キャスティングも見事で、吹き替え声優さん達の渋い演技はもちろん、ココ役の伊藤静さんとキャスパー役の松風雅也さんはこれ以上ないというくらいのベストマッチっぷりだった。


中二病でも恋がしたい!

ストーリー 4
キャラクター 4
画 5
演出 5
音楽 4
総合的な評価 5

合計 27

 色んな意味でちょっと「イタイ」ネタを扱ったハイテンションコメディかと思いきや、後半からは一転して一人の少女の心の問題を扱った重い話にシフトしたのが印象的なこの作品。
 この転調、ネットで評判を見てみると思った以上に不評みたいだけど、個人的には後半の展開の方が楽しめた。やっぱり自分は何かしら明快な「テーマ」を持ち、それを貫く物語が好きなんだなぁ。

 子供っぽい、いい年して恥ずかしい、大人になるにつれて子供の頃に感じた純粋な感情は周囲から排斥される対象となる。自分の気持ちを封じ込めて、それで少なくとも表面上は全て丸く収まるのかもしれない。それが大人の理屈であり、大なり小なりモラトリアムの中で誰もが身に着けていく処世術だ。

 でもそれで本当に、自分が今まで信じてきた世界を否定してもいいの? 
 「中二病」を最後に誰にでもある普遍の病と謳ったこの作品には、そんな問いかけがあったように思う。皆が持ってるはずの「中二病」を力強く肯定した、一種の人間賛歌だと言えよう。
 問題はそのテーマが勇太と六花の二人だけで完結してしまったことで、結局六花の家族たちは「大人の理屈」に囚われたままで終わってしまっている。まあその一点突破っぷりが本作に勢いを与えているんだけど、サブキャラの扱いといい作劇としては結構大味だ。
 逆に言えば「中二病」という定義が曖昧なテーマにはまだ掘り下げる余地があるということで、もしかしたら2期が期待できるかもしれない。


となりの怪物くん

ストーリー 4
キャラクター 4
画 4
演出 5
音楽 4
総合的な評価 3

合計 24

 一癖も二癖もある少年少女が織り成す王道青春ラブコメディ。
 この作品の魅力はと言えばやはりキャラクターであり、無為に高校生活を過ごしている彼らが何か欠けたものを補うように、なんとなく集まって緩く繋がっていっている描写が見事。絆とか仲間とか、そういう強固な繋がりではなくいつの間にかただ一緒にいる、みたいな人間関係。
 勉強の邪魔だから人間関係めんどいと思ってる雫も、女子から疎まれるから恋愛沙汰は起こしたくないけど友達はほしい夏目ちゃんも、満たされないのか知らねーけど不良行為に勤しんでるヤマケン軍団も、皆どこかで「ひとりじゃ寂しい」と思っていて、無意識的に共鳴し合ってる感が上手いと思う。

 ブレインズ・べースの安定した作画と背景、そしてレベルの高い演出力でスラップスティックコメディとしてもテンポよく楽しい仕上がりになっていた。
 ただ一点、好きな女の子を(物理的に)傷付けてもヘラヘラ笑ってる野猿の存在が私の許容範囲から逸脱していて、素直に楽しむことができなかった。ヤツが特に成長するでもなく、ただ周囲の状況が好転していく作劇に見えてしまって残念だった。
 

ソードアート・オンライン

ストーリー 3
キャラクター 3
画 5
演出 4
音楽 4
総合的な評価 4

合計 23

 かつて読んだネット小説をこうして今TVアニメとして見る事ができたというだけでも貴重な体験だと思う。
 1クール目のアインクラッド編では、元々は外伝だったエピソードを時系列順に組みなおしたものが放送された。だが、ぶつ切りのエピソードの繋がりをちっとも意識してない構成のせいで全体的には非常にまとまりの欠ける出来となり、主人公キリトのキャラクター性がぼんやりしてしまった。
 しかし2クール目では、アルヴヘイムの世界観の広大さ、直葉という新ヒロインによる視点の統一、「空を飛ぶ」というアニメ映えするギミックといった要素が見事に噛み合って完成度の高い出来になっていたと思う。

 ストーリー面では、万能感を振りかざすキリトのチートっぷりやおざなり臭のするイベントの数々、ご都合主義的な展開と粗の多さが目立っている。
 その一方で、根幹の部分ではゲームの中でも現実を生きるキリトにアスナが惹かれ、結ばれるラブストーリーや、英雄と呼ばれ自身もその力に酔ったキリトが須郷相手に己の無力さを噛み締め一人の少年に戻る「帰還」の物語が荒削りながらも描かれている。
 直葉がキリトに感じていた「届かない」という憧れと諦めの気持ちを、高く空へ舞い上がるフェアリーダンス編通してのテーマと重ね、最後にアインクラッドの出現で強引ながらも対等の関係になれることを示唆させているのもなかなか面白い。

 2クール目からは演出も良好。作画面ではスタドラから注目していた鹿間貴裕さんが作画監督から絵コンテまで精力的に参加していたのも印象的で、各アクションシーンの出来には目を見張るものがあった。


 以上が作品別評価になります。
 ここからは各ベスト賞。今回は対象作品が少ない分偏ったかもしれません。


ベストキャラクター賞

夏目あさ子@となりの怪物くん

 緩く不透明な繋がりを必死に繋ぎ止めようと頑張る真の主役。
 とにかくいちいち言動が可愛くて、そりゃ周りの男惚れちゃうようなーと、設定に凄まじい説得力があった。
 都合の良い人間関係を求めていたのに、よりによって自分自身にそれを壊しかねない変化が訪れるという皮肉。永遠に「今」を求める彼女が、この先どう「恋」に向き合っていくのか気になります!

次点

ココ・へクマティアル@ヨルムンガンド

 Her name is Koko.She is loco.I said “Oh,no”.
 ヨナあってこそ、という側面があるので次点で。
 常に笑みを絶やさず戦場を渡り歩いてみせる強かさと、仲間に執着する少女らしさが見事に同居したキャラクター。終盤に見せたイカレっぷりもシビレました。


ベストOP賞

となりの怪物くん OP 「Q&A リサイタル!」

 作品のドタバタ感に非常に合ったキュートなハイテンションポップソング。
 本編でも活躍していた出合小都美さんによるカラフルな演出と、キャラクターたちがすれ違っていくコンテが素晴らしかった。ロボノの2期EDも最高だったし、出合さんは最近の注目株ですね。

次点

中二病でも恋がしたい! OP 「Sparkling Daydream」

 私も最初は例の演出で「目が痛い」と文句を言ったクチだけど、段々良さが分かってくるスルメOPだったと思う。なんて勝手な言い草だ(笑)


ベストED賞

中二病でも恋がしたい! ED 「INSIDE IDENTITY」 

 こっちは純粋にスタイリッシュで格好いいED。本編にはないキャラクターたちのエロかっこよさが下品でなく描かれていたように思う。

次点

ソードアート・オンライン 後期ED 「Overfly」

 これも出合さんの仕事。オシャレな装飾と共に直葉の憧憬を描き、歌い上げた上質なEDだった。


ベスト声優賞 男性編

松風雅也さん キャスパー・ヘクマティアル役

 キャスパーの「軽さ」と「底知れなさ」を見事に表現した演技が見事。ココに喋り方を似せていたのも印象的で、今まで知らなかった声優さんだけど名前を覚えました。

次点

子安武人さん 須郷伸之、水谷隆司役

 彼の手に――いや、声にかかれば不快な陵辱シーンもギャグに変わる。子安劇場、堪能しました。

 
ベスト声優賞 女性編

伊藤静さん ココ・ヘクマティアル役

 まさにハマり役。要所要所での仮面の裏の本性を思わせる絶妙な演技が見事で、演説シーンの迫力も素晴らしかった。

次点

種崎敦美さん 夏目あさ子役

 期待の新人。とにかく声がかわいくて、舌足らずな喋り方が夏目さんの愛くるしさに拍車をかけていた。


 今期は次のクールまで持ち越す作品が多く、物足りない感じになりました。
 全体的にはヨルムン、中二病がツートップで、純粋なエンタメとしては突出していたガルパンと一つの欠点を除いては非常に完成度の高いとな怪がそれに続く感じだったかな。
 2期継続作品はどれも面白くなってきていて、来期は非常に充実したラインナップになりそうな予感。


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No title

こんばんは、ぽんずさん。「ゲームやアニメについてぼそぼそと語る人」の総責任者のピッコロでございます。

このたびはお忙しい中、当ブログの企画に参加して頂いて本当にありがとうございました。評価して頂いた結果は集計に加えさせていただきました。

なお、今回の企画の中間集計結果の発表については、本日2月8日(金)夜11時から放送のネットラジオで行う予定でございますので、お時間がありましたら聞いて頂けると嬉しいです。

詳しくはこちら→http://picoro106.blog39.fc2.com/blog-entry-6681.html

どうか次の企画も参加して頂けると幸いです。これからもブログ共々よろしくお願いいたします。

No title

>ピッコロさん

いつもお疲れ様です。次回も是非参加したいと思います。
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Author:ぽんず
私は好きにした、君らも好きにしろ

アニバタ Vol.6アニバタ Vol.9に寄稿しました。よろしくです。


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