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映画

劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ 感想

 「誰かに見つけてもらえるって、幸せなことだね」

 2011年に放送されたTVアニメSteins;Gate(以下シュタゲ)の劇場版作品。
 TV放映の本編はおろか、劇場版の内容すらうろ覚えだけど頑張って感想書く。
 
 本編のメインヒロイン牧瀬紅莉栖を主人公に据えた本作。私は元々紅莉栖目当てで見に行ったので、彼女の色んな姿が見られて満足。シャワーシーンよりもTシャツ姿での胸チラに興奮した。今井麻美さんの熱演も素晴らしく、特に嗚咽するシーンでは色気の欠片もないエグい演技にシビレました。

 ストーリーも良かった。本編ラストから物語を発展させることで、シュタゲはもちろん「バタフライエフェクト」からも一歩踏み込んだテーマを描いている。SF考証的には問題があるようだけど、私は設定に関してはわりとどうでもいいのでこの記事ではスルーします。


 シュタゲは主人公オカリンの口癖として「シュタインズゲートの選択」とあるように「選択」の物語だったと思う。過去を変える選択、人の想いを無に返す選択、大切な二人を天秤にかける選択、そして世界を騙す選択。何度も時を越え、世界線を渡り、あらゆる罰を受け続け、ついに求め続けたSG世界線に辿り着く。
 この劇場版ではさらに、本編ラストの選択の「代償」として、様々な世界線の記憶が混濁することによって自分の存在を維持できなくなったオカリンがSG世界線から「いなかった事」にされる、という事態が発生する。
 しかしそれでも、まゆりと紅莉栖が生きていけるならそれでいいと、オカリンは自ら選択した行為の「責任」を全て受け入れる決意をする。
そんな彼の意志と、科学者としての理性と、己の感情との間で揺れ動く紅莉栖。彼女は迷いながらも、オカリンをSG世界線に戻すために時を越える。


 この物語で描かれたのは、リーディングシュタイナーの能力を持つオカリンの孤独を如何にして救うか、という問いである。それに応えるのは本編ではヒロインであった紅莉栖で、ここで主人公とヒロインの逆転現象が起こっている。
 これはつまり、一方的な救済者であったオカリンと紅莉栖が対等な立場に立つための話だったんじゃないかと思う。大切な人を二人とも救うというオカリンの行動理念は気高いものであるとは思うが、一方でエゴイスティックな側面もある。だからこそ、彼はその「代価」を支払わされるわけだ。それを全部一人で引き受けているから彼は常に孤独であり、世界から消えてしまうことになった。
 紅莉栖はオカリンと恋人未満な関係を続けながらも、彼との蓄積された経験の差に戸惑いを覚えている。時折彼女を襲うデジャヴがそれですね。オカリンは自分の知らない自分との思い出を持っていて、そのギャップが彼の孤独を産んでいることも理解している。
 だからこれは、紅莉栖がオカリンと対等な恋人関係になるための話。この流れは個人的に少女革命ウテナのTV版から劇場版への流れを思い出すな。

 紅莉栖はまず自身もタイムリープすることでオカリンが味わってきた苦しみの一部を理解。そして一度は納得しようとしたオカリンのいない日常を否定する。ここで自分が足りないもの=鳳凰院凶真の代わりを努めようとする紅莉栖がいじらしくて切ない。彼女もダルも、誰も彼の代わりになることはできないのだ。
 そしてラボメンたちは思い出せないながらも、デジャヴとして「喪失」を自覚する。これはたとえ忘れてしまっても、その空間に、彼らの心に「彼」がいた痕跡が残っているということかな? つまりそれは、皆がオカリンの存在を「観測」できる可能性があるということで、だから紅莉栖は再びオカリンを見つける決意をした、と。

 そしてラストシーン。オカリンが紅莉栖が生きる世界線を見つけたように、今度は紅莉栖がオカリンを見つける。この「観測」というものが、オカリンの孤独を癒す手段として描かれていて、それは単に目に見えるということではなく、その人が行動し関わり為すことで積み上げてきた時間というのかな、それを実存として認識するという意味なんだろうと思う。その積み上げというのは、たとえ別の世界線の出来事だとしても「今、ここ」に収束しているということかな。上手く説明できてないけど感覚で理解してください(笑)。

 そしてオカリンをSG世界線に固定するために紅莉栖が書き換えた記憶が、奪われたファーストキスを奪い返す、というなんともロマンチックなものであるというのが素晴らしい。やっぱりシュタゲってラブストーリーだよね。
 人混みの中で擦れ違う二人、というTV版最終話ラストと同じシチュエーションを全く違う意味を持たせて再び描いたラストシーンはグッときた。いや、ずっと泣いてたけどさ(超涙もろい奴)。
 徹底して紅莉栖にオカリンの追体験をさせ、やられたことをやり返させた作劇。それでもって紅莉栖をオカリンと対等な場に立たせ、彼の孤独を解消する。本編と地続きなテーマを描き、一段上のステージでオカリンと紅莉栖のラブストーリーを完結させてみせた誠実な劇場作品だったと思います。



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