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俺ガイル

やはり俺の青春ラブコメは間違っている。 最終話 「それでも彼と彼女と彼女の青春はまちがい続ける。」 感想

 タフでなければ生けていけない。優しくなれなければ生きている資格がない。

 八幡は本当にすごいな。まさかあんな形で相模の依頼まで完遂させるなんて。

 「文化祭を通して成長したい」

 相模にとっては上っ面だけのセリフでしかない。だけれど実行委員長の任に任に就く以上は、落とし前は付けなければならない。
 自分の居場所を失い、プレッシャーに耐え切れず逃げ出した相模。しかし果たすべき責任からも逃げてしまっては、失敗も後悔も自分の物にすることができない。彼女のもとに残るのは空っぽの自分と絶望だけ。
 だから、たとえ恥を掻いても、どん底に陥ってでも彼女は舞台に立たなければならない。八幡の策略で「被害者」という地位を獲得してしまったから、彼女が今回のことを反省して今後に繋げられるのかどうかは正直分からない。だけれど奉仕部≒雪乃の方針は「魚の獲り方」を教えることだけ。実際に成長できるかどうかは結局は相模次第。八幡はただ委員長としての経験を彼女に全うさせたのだ。
 正直相模関連の落とし所には不安もあったけど、これほぼ満点に近いかも。

 相模みたいな子、どこにでもいると思うんですよ。周囲の目を過剰に意識して、カーストという分かりやすい地位にしがみついて、他人にレッテルを貼って下に見ることでしか自分を保てない。他人と本気で競って、自分自身を確立するような面倒臭いことはしたくない。だから文実でも、楽な方楽しい方ばかりへ傾倒して、苦しいことから逃げ続けた。こう書くと、自分にも結構当てはまってることだから耳が痛い。相模は好きではないけど、憎めないなぁ。
 相模にはいつも取り巻きがいたが、決して彼女たちは相模の悩みを共有してはくれない。彼女たちがやってるのはあくまで青春ごっこだから。
 相模もカースト上のプライドがあるから決して内部では弱みを見せられない。誰も、自分でさえも信じられないという点では彼女も本質的には孤独なんでしょうね。というか、自覚するしないの差はあれど人は誰もが孤独を抱えているもの。ひとりだと寂しいから群れるけど、今度はその共同体の中でも他者から排斥されないように気を張らなければならない。
 
 でも、そんな彼女だからこそなあなあで済ませちゃあいけないんだ。あのまま葉山の説得に任せていたら結局彼女がやりたかった「青春ごっこ」に戻るだけ。自分がやらかした事に向き合って、ケリを付けなければ決して成長の糧にはなり得ない。だから相模に最後までその役目を、責任を果たさせた。
 

 その点八幡は、他人との関係性に依存しなければ自己を確立できないという構図に欺瞞を覚え、自己肯定によって空気に呑まれない確固たる自分を形成する。ぼっちの自分を否定しない彼だからこその信念だけれど、それは決して自分に甘いだけではない。自分が吐いた嘘も、それによってもたらされた結果も全て受け入れるというのは恐らくとても辛いこと。だからきっとひとりではいつか破綻する。

 実際彼のやり方は、全能感による解決(誰も傷付かない)方法を否定して、誰かの犠牲が避けられないというのなら失うもののない自分がそれを負うというもの。葉山は前者を志向している存在で、だけれど主人公格がないから何もすることができない。まああの場では八幡をヒールに確定するための「ヒーロー役」として彼の存在は必要だったんですけどね。葉山は八幡の意図も分かっているし乗るしかないけど、思想的に対立しているからそれを認めることがどうしてもできない。葉山は作劇上の貧乏くじを引いてるキャラクターなので、今後の救済が欲しい所ですね。
 で、八幡はまたもや自分を犠牲に事態を収めて見せることで人知れず傷付くんだけれど、「加害者」というレッテルの奥にある「目に見えない大切なもの」をちゃんと見てくれる人たちが彼の周りにはいる。まあそれで彼が救われるかどうかはまた別の問題で、葉山の件も含めて今後はこの辺が焦点でしょうね。
 というか、これって表裏で同じ問題なのかも。


 一方姉へのコンプレックスから脱却した雪乃。
 相模を探す時間を隠すため、彼女は陽乃さんに協力を命令(笑)し、結衣に助けを求めた。
 彼女が誰かを頼るということは、すなわち「何でも出来る自分という理想像≒陽乃さんの幻影」を追いかけるのをやめたという事。
 姉への対抗心を失ったわけでも、何かを諦めたわけでもない。ただ自分の弱さを認めることで、ありのままの自分を確立することができた。

「私は元々こういう人間よ。17年一緒にいて、見てこなかったの?」

 雪乃は変わったのではない。自分ではない誰かに無理に変わろうとするのをやめただけ。まあそれも視点を変えれば「変化」「成長」と言えるので、変わらない事を是とする八幡と社会に適応するためには変化が必要と言う雪乃、二本の平行線の境界線上にたどり着いた、ということなのかもしれない。


 そして奉仕部での八幡と雪乃のやり取り。完全に1話を踏襲してますね。
 最初に出会った時は「あなたのその弱さを肯定してしまう部分、嫌いよ」と言った雪乃が、これまでの物語を受けて「嫌いではない」に変化したのもそのまま彼女の(あえて言うけど)成長と繋がっていて個人的にポイント高い。
 この二人、互いに拠って立つ存在になりつつあるな。それが恋愛に発展するかどうかは微妙。
 余計な線引きも理想の押し付けもなく、二人は改めてあるがままの互いを認識した。それもまたその時点での主観的評価に過ぎないのだけれど、それを新たに問い続けていくことで人と人との関係が構築されていく。で、八幡と雪乃を繋ぎ止めるのが結衣であると。
 三人の関係性が更新されたことで物語は一端幕を閉じる。この作品の最終回に相応しい最高のエピソードだった。

 
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Comment

No title

相模さんの正体は、お前はちやほやされたいだけであり、最底辺の俺と同じでお前を誰も真剣に探していなかったという八幡のセリフが全て。人との繋がりでも社会的でも「きっと何者にもなれない」ことに薄々と気づいているのを見て見ぬ振りをしてたのを八幡に指摘されて顔が歪む。

八幡が相模さんを「被害者」に仕立て上げて委員長の仕事を全うさせたのは
>自分がやらかした事に向き合って、ケリを付けなければ決して成長の糧にはなり得ない。だから相模に最後までその役目を、責任を果たさせた。
のように相模さんのためというより、雪ノ下雪乃が奉仕部で受けたのは相模を委員長の役職として支えるという条件でそれを守るため。その条件のために雪ノ下雪乃は姉にも頭を下げたと見ることもできると。他にもずっと頑張っていた雪ノ下雪乃のために彼は泥を被ったのでは? だから雪ノ下雪乃はステージで光を浴び、比企谷八幡は一人後ろの影の中にいるという対照的なステージでの図となったのではないかと思います。

しかし
>他人との関係性に依存しなければ自己を確立できないという構図に欺瞞を覚え
ていた八幡が雪ノ下雪乃のために自己犠牲をした。自分はぼっちで人との繋がりがないと思っていたが、実は知らず知らずのうちにそれができていてそのために行動した。それを指摘したのが先生の「君が傷つくのを見て、痛ましく思う人間もいることにそろそろ気づくべきだ、君は」というセリフ。自分が変わった(てしまった)ことに気づいた八幡。しかしあねのん、先生と歩いて行くシーンで彼は一歩を踏み出せずに歩きだせなかった。彼も変わりたいのかもしれない。だけれどもこれまでの自分を思い出すと変われないジレンマ、恐怖。

彼がどうなるかはわからない。
「こんなどうしようもない一幕でさえ、いずれは失うのだ。そして失ったことをきっといつか、悔やむのだろうと思いつつ……」
どうなるのだろうか。

No title

>splさん

コメントありがとうございます。

>だから雪ノ下雪乃はステージで光を浴び、比企谷八幡は一人後ろの影の中にいるという対照的なステージでの図となったのではないかと思います。

そうですね、副委員長として相模の依頼に応えてきたのは雪乃で、彼女は最後まで表舞台に立ち続けた。そんな彼女を支えるために、陰で暗躍し続けたのが八幡、という構図だと思います。相模を探しに行く時も、一人舞台から降りて暗がりに消えていくカットが印象的です。
ライブシーンでの彼の痛ましい笑みもまた、鮮烈に焼きついてます。立場的にも性格的にも結局日陰者でいるしかない彼に、光の中にいる雪乃や結衣がどうやって手を届かせるのか、怖ろしくもあり楽しみです。

>自分が変わった(てしまった)ことに気づいた八幡。

あー、そうか。八幡が自分の理想と現実によって生じる自己矛盾にいつかは直面するだろうとは思ってましたが、このシーンで自覚してるのか。なるほどです。
見返してみると、平塚先生のセリフを聞いている時だけ目がいつもとは違って光を帯びてるんですよね。そう考えると、こののラストって思った以上に救われてないというか、完全に破綻の予感しかしないんですが(笑)

これからどうなるかは、丁度文化祭編の続きに当たる原作7巻を購入済みですのでそれで分かるかなーと期待してます。
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