うつけ者アイムソーリー

　まず花野さんはこの作品屈指の「女の子」だなー、と。太一に手を引かれる千早を見て、嫉妬とも憧れとも取れる視線を向けて、恋の歌に想いを馳せる。
　しかし、どこまでも恋に生きる少女である彼女が、だんだんとかるたの魅力に取り込まれていっているのが見てて微笑ましい。あ、筑波くんもがんばって(適当）

　
　一期からそうだったが、新のかるたイメージは「水｣。
　清水のように静かで落ち着いているっていうのもあるけど、対戦相手に合わせた戦術と技巧で自分のかるたをさせてもらえないという、まさに息ができなくなるような嫌らしい戦い方をしている、ということなんだろう。
　メンタル、テクニック、フィジカルも最高レベルで、神懸った実力を発揮する新。

　一方の詩暢ちゃんは、取る札捨てる札と区別をしてしまったことで自分とかるたとの繋がりが断たれてしまったと感じる。もちろんそれは彼女の精神的な苦痛に過ぎないのだけど、それを狙ってやってる新がいかに鬼畜かよく分かる(笑)
　しかしそこから奮起して自分のかるたを取り戻してしまえるのが詩暢ちゃんが強者たる所以。スローモーで解説を入れないと何やっているか分からないくらいハイレベルな攻防を繰り広げる。
　その光景にただただ目を奪われる千早。自分が目指すかるたがそこにある。それは逆説的に自分と理想との距離を見せ付けられるということで、そうなる恐れを直感的に感じ取ったから千早は会場に入るのをためらったのかもしれない。

　死闘は新の勝利で幕を閉じる。
　しかし詩暢ちゃんの顔に浮かぶのは満面の笑みだった。勝ち負けではない、自分に立ち向かってくる人間が、自分を打ち倒してしまう人間がいる。この日はきっと、彼女が｢他者とやるかるた｣の楽しさを数年ぶりに実感することができた日だったのだろう。他者を通して、自分はもっとかるたと繋がれる。
　長い全国大会編で詩暢ちゃんが学び、感じ取ったものは大きい。その意味で、彼女はきっと二期での裏主人公というべき存在だったのだろう。

　眠いので雑になったけど勘弁。

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