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俺ガイル

やはり俺の青春ラブコメは間違っている。 7巻 感想

 私、思ってたよりもずっとあーしさんのこと好きなのかも。


 いやホント、あーしさんこと三浦優美子は初登場時からずっと評価上がりっぱなしですね。豪胆で傲慢だけど、決して卑劣なことはせず気に入らないモノは真正面から叩き潰す。なんだかんだ素直で、女の子らしい所もチラホラ見せる。友人のことは意外とちゃんと見ていて、自分との関係も含めてしっかり考えている。何これイイ女過ぎるだろ。
 八幡も最初彼女のことを誤解してたように、第一印象から徐々に相手の人間性が見えてきて評価が変わる、って感じのキャラの見せ方が上手いよね。あーしさんは最初から一切ブレてなくて、変わったのはこっちの印象という。
 その内彼女メインの話来ないかなー。順番的にもそろそろ奉仕部来てもいいよね。

 さて、文化祭も終わり、今回のイベントは修学旅行。
 しかしそこはこの作品、単純に楽しい旅行になるはずもなく、事前の依頼によってどこか不穏な空気が漂う。
 いや、でも実際旅行は楽しそうだった。戸部の恋をサポートしつつも、ちゃっかり八幡との距離を縮めようと頑張る結衣が可愛い。そして雪乃も、恋愛感情かは分からないけど八幡も含めた奉仕部三人の時間を大切にしているようで、6巻での成長の跡が見て取れる。
 だからこそ、クライマックスでの八幡の「嘘」に繋がるわけですが。

 今回仮面の下の素顔を見せたのは「腐っている」海老名さん。彼女の依頼は表向きは腐女子的な価値観に基づくものだったが、その実態は今と変わらぬ関係を保つためのものであった。
 修学旅行に乗じて海老名さんに告白しようとする戸部。しかし葉山にも、八幡たち奉仕部にも、当の海老名さんにしてもその恋が実らないことは明白であり、ただ彼らの人間関係にひびが入る結果に終わることを誰もが予感していた。
 海老名さんは今の関係が好きだと言いながらも、変わるくらいなら自分から壊してのけるというくらいの考えを持っている。ああそうか、彼女は少なくとも学校内ではぼっちだろうがリア充だろうがどっちでもいいんだ。何故なら確固たる自分の居場所を既に持っているから。
 4巻での彼女のセリフ、
「趣味に打ち込んでいると、イベントとか行くようになっていろいろ交友広がるでしょ? きっと本当の自分の居場所みたいなのが見つかると思うんだよね。学校だけがすべてじゃないって気付くよ」
 これは留美ちゃんの処遇を巡る議論での意見だけど、自身の経験則からの発言のはず。そのまま取ると、彼女の本当の居場所は腐女子界にあるということになる。学校の交友関係は二の次。こう考えると、海老名さんのプロフィール欄にある『休日の過ごし方:友達付き合い』がめっちゃ意味深に思えてくるんだよね。横のあーしさんの『だらだら遊ぶ』と行為的には同じのはずなのに、全然意味が違って見える。相模の件といい、プロフィールでそのキャラクターの本質的な部分を臭わせるのが上手い。

 実際学校での人間関係が世界のすべてじゃないってのは全くもって正しい。
 あの材木座ですら、学校の外では普通に格ゲー仲間とかと交流持ってたりするしね。海老名さんにとっては腐女子という自分の趣味と居場所に絶対の価値を置いているから、それが脅かされるならたとえあーしさんとの友人関係だろうと切り捨ててしまえる。だからこそクラスでも腐女子趣味を隠さない。それを理解して受け入れるあーしさんマジイイ女!
 自分を殺してまで周囲に迎合する価値がないと考えている点では、彼女と八幡は似ていると思う。


 同じグループ内でも、当然それぞれに意識の差はある。
 それでも、葉山もあーしさんも海老名さんも今現在のまま変わりたくないという想いは同じ。現状を維持するために、いつも通りの自分を演じている。変化に繋がり得る要因はタブー視して、見て見ぬふりをしたり牽制したり調整したり。そこはいくつもの嘘で塗り固められ、欺瞞の関係がツギハギのように作り上げられていく。
 ……渡先生、リア充の心も抉りにいってないッスか?
 私個人の意見としては、たとえ欺瞞だらけだろうと、その関係を大切に思う気持ちが共通しているならそれはそれでアリだと思うよ。今の私的にポイント高い!

 そういう友人関係に必要な欺瞞を憎んでいるから、八幡はぼっちでいることを志向してるわけだけど、実はこの構図は八幡自身にも当て嵌まっている。だから彼は葉山に共感してしまったんじゃないかな。
 今の関係性が心地好いから、それを変えたくない。それは八幡にとっての奉仕部も同じのはず。だから自分からはあまり近付かないように、だけど決して離れない。そんなどっち付かずの態度で、現状維持を続けているのは彼もまた同じだ。

 葉山はその願いと裏腹に何もできない。それは八幡の言う通り彼のエゴだけじゃなく、誰も傷付けたくないという彼の信念ゆえだろう。葉山はグループの中心であり、トップカーストの人間。自分を犠牲にしようにも、彼が何かするだけで周囲の人間に影響が出てしまう。だから彼は動けない。
 対して八幡は己には失うものがないから自身を犠牲にすることで問題の解決を図ってきたわけだけど、実はもはやその考え自体が欺瞞になってしまっている。

「君が傷つくのを見て、痛ましく思う人間もいることにそろそろ気付くべきだ」

 平塚先生の言葉通り、八幡の自己犠牲に傷付く者がいた。結衣の想いに、本当は気付いているはずなのに、自分が傷付くのが一番効率がいいのだと嘯く。彼にはもう大切なものができてしまっているし、彼を大切に思う者だっている。
 大切な者ができると、人は弱くなる。この言葉は真実の一端を突いていて、まさに何もかもが大切な葉山はそれがゆえ何も救えない、八幡は自身の信念と行動との間に溝を作るばかりだ。
 
 全ては変化を恐れるがゆえなのだろう。今あるものは永遠じゃない。いつか失ってしまう。
 だけれど変化を望む者もいる様に、それが全てではないはずだ。作中で最も変化に積極的なのが結衣だろう。八幡に恋をし、今の関係をさらに発展させようと頑張っている。もちろん彼女だって奉仕部の関係を失いたいとは思っていない。ただ彼女は、今よりももっと良い方向への変化を望んでいるだけだ。恋愛かどうかはともかく、雪乃だって多分その方向性にシフトし始めてるはず。
 どちらが正解というわけでなく、きっと楽観か悲観かの違いなのだろう。

 雪乃が八幡のやり方を否定した理由がちょっと難しいんだよなぁ。
 八幡が彼女の目の前で自己犠牲に走るのは今に始まったことじゃないからそれが原因ではないはず。とすれば、やはり今まで関係性の破壊を持って問題の解消に当たっていた彼が今回に限っては関係性を維持するために行動したから、という事なんだろう。
 欺瞞を憎むがゆえに「変わらない」ことを志向していた八幡が、「変わらない」ための欺瞞に手を貸してしまった。手段と目的の逆転。
 6巻で八幡が「お前のやり方じゃない」と雪乃を否定したように、雪乃もまた八幡の矛盾に気付いた、という事なのではないでしょうか。
 いや、この辺難しくて正直自信ないんですよ(笑)

 とにかく、6巻のあのラストから雪乃と結衣にまで否定されるという展開に心が痛む。流れとしては順当なあたり、構成力の高さを感じるのだけどね。まああの二人がこのまま八幡を放っておくわけがないので、8月に出る新刊(7.5巻って何!?)が今から楽しみだ。
 でもこの作品、終わらせ方難しいよね。安易に八幡が他者との関係性を容認してしまったら、「結局ぼっちでいる事は否定されるの?」ってなっちゃうし、かと言ってこのまま八幡が孤独に生きるのなんて見てられないし。だからこそ上手い落とし所を期待してます。
  
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Comment

私見ですが八幡の方法が変わっていないのに
雪乃が否定したということは雪乃の八幡への感情が変わったと考えるべきではないでしょうか。(クラスメイトに遭遇する可能性があることもありますが)一緒にいることを恥ずかしがったり服のはじを掴んだりとより好意をもってきている節があります。

だから今回は八幡が自己犠牲を選んだことを悲しく思ったのではないでしょうか。

雪乃が理由を説明できないことはこれまでなかったように思います。今回せつめいできなかったのは自分の気持ちの変化に気付いていないからだと考えれば自然です。

Re: タイトルなし

>あさん

コメントありがとうございます。

それが恋に値するかどうかは分かりませんが、感情の変化があったのは確かでしょうね。
個人的にはやはり今回の八幡のやり方に自己欺瞞を見たのが主な原因かなとも思うのですが、その裏で「大切な人が傷付くのを見たくない」と自覚なしに考えての態度と見ると確かにいい感じですね。なかなか萌えます。

答を知るためにも早いところ続きが読みたいところですが新刊は短編集だし、わたりんは超忙しそうだしでもうちょっとかかりそうですねー(笑)
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アニバタ Vol.6アニバタ Vol.9に寄稿しました。よろしくです。


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