うつけ者アイムソーリー

　久しぶりの浅香監督コンテは1カット1カットが印象的だったなぁ。まるで少女漫画のようだった。
　
　長い戦いを終えてついに幕を閉じた高校選手権。
　最後にして至高の試合を見せつけた新に、千早は未だ自分が届かずにいることを知る。どれだけ努力しても、まだトップクラスの実力には届かない。その差を実感して焦るも、そこから新当人に「どうすれば強くなれるか」を聞けるのが千早の強み。ひたすら前だけを見ている。
　太一や肉まんくんとは違う、この辺の性格の差も資質の一つなんだろうなぁ。太一は上手くコンプレックスを昇華し始めているが。

　試合前にどうしてあんなに落ち着いていられるのか。
　千早の問いに、新は「いつもあの部屋に帰ることにしている」と答える。
　二人の原点、始まりの場所。千早がかるたを知り、クイーンになるという夢を抱いた場所であり、新がはじめて友達とかるたをやることの楽しさを知った場所でもある。
　幼き日の記憶は共有していても、そこだけは太一にも入れない二人の部屋なんだよね。ええんや、太一は負の感情抱えている方が強くなれるから(震え声)

　千早がついに自覚した、淡い恋心。それが年相応のものがどうかはともかくとして、いくらバカな千早だっていつまでもガキじゃない。
　そんなこと太一だって知ってるけど、焦った所でかるたで強くならないことには振り向いてもらえないことも痛いほど分かってるんだよなぁ。伝える伝わるはルールの向こう側に。だから、二人きりの合宿とかはぶっちゃけあんま意味ないけど、太一が富士崎の合宿に参加すること自体は太一にとって二重の意味で有効なわけだ。

　この作品の主題はあくまでかるた。でもそのかるたには、千早が自らの想いを謳うように少女漫画の主題である「恋愛」もまた内包されている。物語のメインではないにしても、恋心がかるたへの原動力になっていて、その構造がまたかるたという題材を象徴している作りになってるんだよね。
　何言ってるのか分かんねえなこれ。

　とにかく、原点回帰を果たしてこの第二期は終わる。団体戦をアニメで起こす上で演出やテンポ配分に色々苦心していたように感じたけど、団体戦の積み上げあってこそ終盤の個人戦の盛り上がりがあったので、結果的に一つのタメとして機能していたと思う。ラスト数話は毎回すごすぎて幸せでした。
　まだまだ見たいエピソードやシーンがたくさんあるので、是非第3期を制作してもらいたいですね。とりあえずは、スタッフの皆様、お疲れ様でした！

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