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戦姫絶唱シンフォギア

戦姫絶唱シンフォギアG 6話 「奇跡――それは残酷な軌跡」 感想

 だって彼女は「立花響」だから。

 響のアームドギア。それは束ねて繋ぐ力だが、同時に砕いて壊す力でもある。
 生命の危機に聖遺物が反応して、再び暴走してしまった響。
 喰べられて無くなってしまったはずの左腕は、アームドギアとして再生成される。しかしその姿はかつてフィーネが称した「人の形をした破壊衝動」そのものであり、自分自身で「誰かと手を繋ぐこと」を否定しかねないものだった。それを象徴するのが、ネフィリムにトドメを刺す際に槍の形に変化した右腕である。武器を持たないからこそ手を繋げたはずの彼女の腕が、対象を破壊するためだけの形に変化してしまった。
 もしこれでウェル博士にまで手を出してしまっていたら、最早彼女の正義は折り砕かれていただろうから、そうならなくて当然なんだけど安心した。だが彼との溝はあまりにも深くて、それでもなお手を繋ごうとするのか、というのも今後の焦点だろうなぁ。

 体組織が聖遺物と同化してしまうくらい、促進された融合状態。それは響の後先短い命を宣告すると同時に、「もはや彼女は人と呼べないのではないか」という問いを発してもいる。
 今の響は確かにバケモノだ。そしてその事実は、より一層「誰かと手を繋ぐこと」を困難にするだろう。
 1期では手を繋ぎ、響き合うことをテーマとして描いたこの作品だが、続く2期ではそれを貫き通すことの困難さをこれでもかと描いている。
 月の落下という可能性を受けて自国や各国政府に協力を求めようとするも、まるで上手くいかない特務2課の描写は、規模が大きくなればなるほど、人が決して一つにはなれないことを示唆しているようだ。
 響の現状を知った翼さんも、不器用ながらも響を戦いから遠ざけようとしている。そして恐らく一人で抱え込むつもりなのだと思うが、クリスちゃんにもその事を話さず反感を買ってしまう。
 響のその腕が、皮肉にも一度手を繋いだはずの仲間たちの絆にも不和を招いてしまった。

 過去に響が受けた謂れのない悪意。彼女の人助けが惨劇を生き残った負い目などではないことは既に結論として出ている。しかし、断片的な状況から察するに今でも彼女の家族は傷付いたままで、多分彼女はずっとそれを罪として胸に抱いている。
 自分が頑張っても、誰かを傷付けてしまうかもしれない。特に今は、響が頑張れば頑張るほど自分の命を削り、結果的に周囲の人を悲しませてしまうという構図になっている。
 ただ自分の信じる正義をぶつけて、それが良い結果を生み出してきた今までとは違う。彼女は良いにせよ悪いにせよ、自分の行動によって引き起こされる結果を受け止めなければならない。
 自分の行いが「偽善」なのかもしれないと迷いながら、しかしそれでも彼女は前に進む。
 響かないかもしれない。大切なものを壊すかもしれない。そしておそらく自分の命が長くないことも、人の身ではいられないことも気付いている。
 それでも彼女は彼女の戦いをやめない。

「この拳もッ! 命もッ! シンフォギアだッ!!!」

 きっと、それを「覚悟」と呼ぶのだろう。
 ウェル博士は結局、響やマリアを「英雄」に仕立て上げるのではなく、自分自身が人類救済を為す「英雄」になることを目的としていたようだ。
 しかし追い詰められたことによって、逆に響の持つ「英雄性」が輝きを放ちはじめてしまう。「英雄」はなろうとしてなれるものではない。その溢れ出る強い信念が、望まずとも「英雄」を産み出してしまうのだ。本当に素晴らしいな。

 余談だけど、このシーンが響がふらわーのお好み焼きを食べた直後ってのが地味に利いてると思う。
「お腹が空いたまま考えても、ろくな事が浮かばない」というのが1期からのおばちゃんの名言で、逆説的に今回の描写はお好み焼きを食べた=響がウジウジモードを脱してポジティブモードにシフトしたとも読める。その前向きさが危うすぎるのが困りものなんだけどね。


 さて、悲壮でさえある覚悟を見せた響とは対照的に、未だ本当の意味でスタートラインにすら立てていないもう一人のガングニールの少女(?)・マリア。
 「フィーネを背負いきれてない」って言い回し、これもう完全にフィーネを「役割」扱いだよね。優しくてポンコツなお姉さんの彼女が、今後どう覚醒するのか楽しみで仕方ありません。
 今回ナスターシャが「私たちには、微笑みなど必要ないのですから」というセリフは、もちろん1期2話での翼さんのセリフの繰り返しだけど、2課が実際には微笑みの溢れたあったかい場所だったことから考えると、これもまた両組織での対比になってるのが面白かった。しかしウェル博士があまりにもヒャッハーし杉田ので、今まで厳しく鞭を振るっていたナスターシャもさすがに方針転換を考えているようだ。
 本当に彼女たちについてはどう転ぶか読めない。色んな意味でボロボロな武装組織「フィーネ」の明日はどっちだッ!


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