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戦姫絶唱シンフォギア

戦姫絶唱シンフォギアG 8話 「繋ぐ手と手…戸惑うわたしのため…」

 足りないから、彼女たちは手放していく。

 1期8話は小日向未来が「守られているだけじゃなくて、自分も戦う」と決意を固めた話だ。その際彼女が叫んだ「もう迷わないッ!」という言葉を、今回の2期8話では奇しくも(いや、当然狙ってるだろうけど)マリアが口にし覚悟を胸に構える。
 今回の未来の戦いは、響を日常の世界に押し留めること。響も今度はその事を知っているから、ノイズの襲撃があっても「変身しなければいい」と妥協案を提示して「日常」の姿のまま人助けに走った。それこそが立花響であることを良く知っている未来は、その案に従うしかない。このシーンでもさり気なく響が未来の手を放すシーンを入れるのがニクイ。
 彼女は確かに響を守ろうと戦ったし、実際に瓦礫から響を助ける描写も入れている。しかし、それでも最後には繋いだその手を放してしまった。「非日常」が「日常」を浸食するその力の前に、ただの一般人でしかない未来はあまりにも無力だ。未来には力が足りないのだ。

 足りないのは未来だけではない。2課には響を救う技術が足りない。F.I.Sには計画のための実行力が足りない。響には命が足りないし、マリアには覚悟が足らなかった。
 本来ならその「足りないもの」を補うためにこそ、「手を繋ぐ」行為が必要だ。しかしどうだろう、作中の現実では組織間における関係どころか、身内同士ですら足並みが揃わない。その不和を、他でもないウェル博士に指摘させる脚本は些か皮肉が利きすぎデス。

 手を繋げないのは、誰も彼もが好き勝手をやっているから。確かにそれは一抹の真実ではあるのだろう。しかし、足りないからこそ自分の身に原因を求めてしまうのはある種当然のことでもある。たとえば翼さんは、響を守るために再び孤独な剣であろうと努める。序盤で緒川さんとの絆を見せておきながら、彼の助けも拒否してしまう。彼女は自分の力の足りなさを自覚しており、しかしだからこそ強くあらねばと必要以上にその身を研ぎ澄まそうとする。
 「足りない」というのは「至らない」ということ、つまりある程度は自己研鑽の問題なのだ。それを「弱さ」と認めて、他人と手を繋ぎ助け合うのが本来の解だろう。実際にシンフォギアはそういう話だったはずだ。しかし、1期で描いた話を「理想」とするなら2期で描かれるのはそれを引き裂く「現実」の話だ。胸の想い、世界への不信、抱えた秘密、そして自分一人ではどうしようもない現実が摩擦を産み、繋ぐ手と手をコンフリクトさせる。まあ摩擦がないと手を繋げないので、この辺は実は表裏一体なわけだ。多分そこも描いてくれると思うけど。

 で、誰かと手を繋げない場合にどうやって自分の「至らなさ」を解消するのかというと、今持っている何かを捨てるしかない。両の手で持てるものには限界があるから、何かを手放さなければならない。今回、マリアは足りない己の覚悟を、「人を殺せない」甘さを捨てる(なし崩し的にというのが彼女らしい)ことによって固めた。
 そして、未来と響が繋いだその手を引き裂かれてしまうシークエンスが力を入れて描写されている。マリアも未来も、決して自分の意志を以って手放したわけではないことが共通している。
 一方で響は、自分の意志で未来の手を放した。それは「日常」との決別の意志表示にも見えるが、響は決して「生きるのを諦めた」わけではない。未来との約束を果たすために、彼女は繋いだその手を一度放したのだ。
 響が何かを捨てるとしたら、それは「自分」に他ならない。しかしそれは「立花響として生きる」ためであり、逆説的に「自分」を貫き通すことでもある。周りにものにとっては生き永らえることこそが響の「生」であるのに対して、響の「生」は胸の響きに従って生きることだ。そのギャップこそがコンフリクトの根源であり、そして響が持つ「歪さ」である。
 しかし響の決断を嘲笑うかのようなラストシーンから見るに、彼女のその「歪さ」もまた正されて然るものとして描かれているように思う。覚悟を決めて上昇していくマリアと、手を放して堕ちていく響の対比が象徴的だ。


 描かれていること、描こうとしていることは多分なんとなく分かってるんだけど、状況が一向に好転しないしカタルシスもないから見ていてストレス溜まるし考えるほど辛い。答えは見えているのに、そこに至る道筋が全く見えない。でも面白ぇなあチクショウ。
 響の問題だけでも重いのに、フィーネ問題とかマリアさんの末路とかもあってこれマジでどうやって処理すんだ?(笑) ラスト3話までずっと溜め回ってのもありえるかもしれない。ともかく上がっていくハードルを越えるような物語と映像を期待してる。

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