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戦姫絶唱シンフォギア

戦姫絶唱シンフォギアG 12話 「撃槍」 感想

 マリア・カデンツァヴナ・イヴのディナーショウ、開幕。

 作画というかもはや動画がおかしかったし、話は詰め込み過ぎで流れは強引だしで色々と酷いクライマックス。しかしながら、物語そのものは詰めてきているというアンバランスさ。洗練されている部分と、明らかにおかしい部分が偏在しているカオス、これぞまさにシンフォギアだ! というには些か熱量が足りない感。

 監視装置としての月を再起動させるため、全世界に向けて歌うマリア。ここで放送を聴いている人々にも歌って欲しいと呼びかけるんだけど、実際彼らが歌っている描写が一切挟まれないのはアカンでしょう。誰もマリアの呼びかけに応えなかったのかもしれないけど、それを判断する材料すらない。
 自分の無力さを痛いほど実感しているからこそ人々に呼びかけるマリアの描写自体はよかっただけに、レスポンスの不足は演出上の瑕疵として数えられるでしょう。
 
 調と切歌、そして翼さんとクリスちゃんの戦い。
 主人公チームと対比する形でもう1つのチームを登場させたのにも関わらず、このクライマックスにおいて彼女たちが相対するのは自分たちの仲間だ。特務2課とF.I.Sは対比関係にあっても、実は物語構成上対立軸には置かれてない。
 1期で人と人が手を繋ぐことを理想として描き、それに対するカウンターとして2期では大切な人同士ですらその手を離してしまうという現実が徹底的に描かれた。
 そして「手を繋ぐ事」のアンチテーゼを担うウェル博士が仲間内での同士討ちをプロデュースするという構成。つまり作品テーマの延長線上にこの2組のバトルがあるわけだけど、しらきり組の描写はどうにもなあ。
 
 調と切歌は2人で1つとして設計されているキャラクターであり、互いを補い合う存在であるのはよく分かる。自分の存在が消えてしまう恐怖で自分を見失ってしまっている切歌を助けようとする調。ただ調を守りたい一心で間違ったやり方でも世界を救おうとする切歌。2人の想いが互いへの「大好き」で、それがぶつかり合うシチュエーション自体は悪くない。特に調は、子供だからかぶっちゃけ視野がかなり狭いけど、だからこそ大切な人のことを良く理解できているのでこの場での正しさを通すことができる。
 ただ、切歌が間違いに気付くのが勘違いが発覚した後だってのはさすがにどうなのよと思わざるを得ない。順序が逆だろと。話の流れは強引でも筋は通ってるからこの作品が好きなんだけどなぁ。まあもうちょい考えたら納得の行く答が見つかるかもしれませんが。

 フィーネに関しては良し悪しかなぁ。切歌の絶唱の効果を聞いた時から「これフィーネ倒せるんじゃね?」と予想はされていたわけですが、1期で彼女に響が未来を託したのが無駄になるのでやらないだろうと思っていた所にこれだよ!
 まあ実際1期を否定したのかと言えばそうとも言い切れないわけで、もにょる所はあるけれどこうして調を守って今を生きる人間たちに未来を託すというのは響への意趣返しという側面もあるからなぁ。
 「今みんな必死こいてお前のケツ拭いてんだよ!」と言いたくなるけどまあそれは我慢しとこう。


 翼さんとクリスちゃんが再び手を繋ぎあうシークエンスは概ね満足。
 クリスちゃんが思ったより考え無しだったのはアレだったが、名前呼びを通り越した「先輩呼び」からのエア奏、先輩風を吹かせる翼さんとのコンビネーションは熱い。そして何よりも、後輩の呼び声に答えて『絶刀・天羽々斬』を歌う翼さんの大立ち回りは素晴らしかった。翼先輩カッコよすぎぃ!
 クリスちゃんがアーマーパージして全裸になるというサービスシーンがあったが、あれは一応翼さんとの絆を確かめ、帰る場所を再認識することで「制服=日常」を取り戻すという演出だと捉えることもできてそこも良かったです。


 そして今まで徹底的に物語から対峙を避けられてきた2人のガングニールの少女がついに邂逅を果たす。
 結局マリアは月の再起動を為すことはできなかった。マリアの力はLiNKERによって誂えられた偽物だし、『烈槍・ガングニール』で唄われるような偽悪の覚悟も全て嘘っぱちだ。
 しかし「誰かを助けたい」というその想いだけは真実であり、3人娘にもそれは伝わっていた。
 多分、否定されているのはマリアのガングニールの力そのもので、明らかに彼女の「嘘」の象徴として扱われている。ナスターシャを月に飛ばした(笑)ウェル博士に対して殺意を持って槍を振るう怒りに任せた彼女の行動は、もはや人のためでもなんでもない。「ただの優しいマリア」に本当に相応しいのはセレナのギアで、彼女の意志を真の意味で受け継ぐことで纏えるようになるんじゃないかと予想しているけど、7割方外れそうだな。
 そこに現れたのは響。彼女はウェル博士を庇うように立ち、「ただの立花響」として対話の意志を示す。自暴自棄になったマリアに対して放たれる言葉は当然の如く「生きるのを諦めるなッ!」。奏から響へ、そして響からマリアへ、ガングニールの少女に伝わるこの言葉を彼女がどう受け取るかが色んな意味で分水嶺なんだよなぁ。もう後がないぞマリアさん。
 
 響が一度ギアを失って、戦う力がなくても「人助け」のために奔走する姿を通して響の歪みの解消を描き、歪な融合体から正規の適合者へと覚醒するという一連のロジックの美しさは素晴らしい。
 全国に全裸を放送されてしまうマリアさん、「嘘」の象徴とされたガングニールからの解放ですね。ただ、ここでもマリアさん自身の気付きによってではなく強引に剥がされちゃってるのがネックで、結局F.I.S側を道化にし過ぎちゃってるから素直に盛り上がれないんだよなー。すべて最終回への溜めだといいけど。

 まあ泣いても笑っても次で最後なので、余計な不満を引き摺らずに楽しむとします。



 
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