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輪るピングドラム

ピンドラ雑感 幻想が造り上げた 英雄を葬り去れ

最終回前のあれやこれ

誰一人血の繋がらない高倉家の兄妹が最後にどんな答えを得るのだろうか。

感想で冠葉には愛してることを伝えることが必要だと書いた。しかし、後からちょっと違うんじゃないかと考え直す。

22話での冠葉のセリフ、「お前があの時、俺に与えてくれたものを」。この言葉は既に冠葉は陽鞠から実りの果実を受け取っていることを示している。だからこそ冠葉は自分も果実を与えたい。しかし、それができなくて迷子になってしまった。

冠葉の最大の苦しみは陽鞠を助けてやれないこと。たとえ陽鞠がもう十分だと言っても、彼にとってそれは果実を与えたことにはならない。彼はもう陽鞠の命を救うことでしか果実を与えたという実感が得られないのだ。

そんな彼に必要なものはなにか。晶馬は彼のために何ができるのだろうか。

晶馬は今回の描写で陽鞠の死を受け入れて、看取る覚悟をしていたように見えた。運命に向き合うことにしたのか、ともかく夢の中で陽鞠と語らい、別れのキスを済ませたのだと私は受け取った。あのキスは立派な果実だったと思うし、陽鞠はちゃんと実りの果実を受け取ってるのだろう。

晶馬は陽鞠を救えると信じる冠葉に運命を受け入れることを迫るんじゃないかな。作中で何度も「運命を乗り換える」という言葉が出ているが、これは死そのものを回避するものだとはどうにも思えないのだ。

少女革命ウテナでこれに対応すると思われる「世界を革命する」という言葉も、最終的には作中で言われていたものとは異なる形で実現されるという転換があった。私は「運命を乗り換える」という言葉にも同じことが起きるんじゃないかと考えている。

話を戻すと、冠葉はおそらく陽鞠の死という大嫌いな運命を認めなければいけない。その上で、彼が今まで家族のためにやってきたこと、それが晶馬や陽鞠にとってかけがえのない果実であったことを伝える事が必要なのだと思う。そもそもこの作品における悲劇は、互いに想い合っているはずなのに上手く伝わらずに一方通行になってしまっていることが原因である。自分の想いの行き場所を見失っている冠葉の目を覚まさせることが晶馬に求められているのだろう。

ただ、冠葉を見つけるのは晶馬でも、彼を救うにはやっぱり陽鞠もいないと駄目だと思う。ダブルHの贈り物も届いてないし、彼女にもまだ役割は残っているはずだ。

陽鞠はあのまま死んで本当に幸せなのだろうか。彼女が晶馬と冠葉から貰ったものがかけがえのないものであることは疑う余地はない。彼女はその境遇から常に諦念を匂わせていたから、意識して幸せのハードルを下げてるんだろうけど、まだやりたい事はいっぱいあるはずだ。だから、最後くらいエゴというか、心の底からのわがままを聞いてみたいと思う。その上で、冠葉が救われ、家族以外でできた親友である苹果からダブルHのプレゼントが手に渡れば、それだけで彼女の生涯を幸せなものとして納得できるような気がする。

この作品ではずっと今この時代における幸せの価値が問われてきた。最終回の直前である23話のEDで、ARBのHEROESという曲が使用されたのはとても象徴的である。

 使い古された歴史の ヒーローを葬り去れ 幻想が造り上げた ヒーローを葬り去れ

理想の家族像、ステレオタイプな人生設計、そして押し付けられる幸せの意味。それらを全て葬り去る時が来たのではないかと、そんなメッセージを感じる。

家族の形に拘り続けた結果崩壊してしまった高倉家の三兄妹が手にするであろうピングドラムこそが、そんな問いかけの一つの答えになるものなのだろうと思う。

さーて、好き勝手書きましたがここに書いたことがかすりもしなくて大恥をかく覚悟はできております。
たとえ陽鞠も死なずに皆ハッピーなエンドでも納得して超感動するようなラストにしてくれると信じてるんで、後は時が来るのを待つだけだ。

生存戦略、しましょうか!

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