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サムライフラメンコ

サムライフラメンコ 9話 「抗えぬノルマ」 感想

 悪のノルマと正義のノルマ。さて、何のためのノルマでしょう?

 すっかり常態化してしまったサムライフラメンコとキングトーチャーの戦い。しかしもう街中で怪人が現れても通行人は目を向けることすらなく、週1度のニュースとして人々の耳を通り抜けるだけだ。
 あれほど異常な出来事として印象付けられた怪人の出現は、もはや娯楽としてすら機能をしなくなり、惰性めいた日常の一幕へと姿を変えた。

 どんな凄惨な事件も、いずれは風化する。
 いみじくもフラメンコガール改めフラメンコダイヤが指摘したように、世間を騒がせたギロチンゴリラの一件とは打って変わり、人々の間では退屈な空気が蔓延している。マンネリを打破するには新たな刺激が、次なる展開が必要なのだ。
 我々の日常にもこの構図は潜んでいる。たとえば凶悪な事件が起こったとして、あるいは1週間ぐらいは連日世間を賑わせるかもしれないが、数ヶ月もすれば人々の記憶から消え去ってしまう。
 あれだけ甚大な被害をもたらした震災でさえ、忘れたわけではないにせよ、復興が続いている今でも当時のような非日常的な空気は鳴りを潜めている。
 事件は日常に異変をもたらし、見方を変えれば娯楽にさえなり得る。しかし、たとえそれが「悪」であっても、ルーチンワークと化したそれは大衆を、そして当事者たちでさえ飽きさせる。

 しかしこの状況にこそキングトーチャーの罠はあった。
 視聴者は突然提示される、今野の拷問シーンに度肝を抜かれる。拍子抜けして退屈だったのは視聴者も同じ、だから茶番劇は残虐な方向へとエスカレートする。
 キングトーチャーが与えた新たな刺激、それはサムライフラメンコの日常への侵食であり、ヒーローの仲間の危機である。
 変わり映えの無い日常に刺激を求め、「面白い事」のために人でなしとして命を賭ける。キングトーチャーの下に集まった怪人たちは、美学を以ってして「悪の組織」のノルマを果たす。ショボイ作戦を立てて、予定調和的にヒーローに撃退されて、最期には爆発して花と散る。正義と悪の、際限無くエスカレートする戦いという、「面白い事」のために。ただ適当にやられるための「雑魚」ですら、個人個人が確かな信念を以って戦っているのだ。

 ここにあるのは、彼らが子供の頃夢見て憧れた特撮ヒーロー番組そのものだ。それを再現するためには「正義の味方」だけでは成立せず、だから「悪の組織」が現れた。醒めない情熱と揺るがぬ信念を持っていたはずの羽佐間でさえ、この状況に耽溺している。「悪の組織」在る限り、彼は疑問の余地無く「正義の味方」でいられるからだ。
 だが「ヒーロー番組」には当然毎週似たような展開のマンネリは許されない。大衆は今新たな刺激を求めている。怪人たちはヒーローにやられる事で己のノルマを果たした。次にノルマを課せられたのは「正義の味方」側、そしてそれは今まで以上の残虐さを含んだ悲劇を以って果たされるだろう。
 
 今までサムライフラメンコは大衆たちの日常に潜む小さな悪に目を向けていた。しかし大衆は今や当事者ではなく、我関せずと正義と悪の戦いを遠巻きに眺めている。ここに現実での構造、日々流れてくるニュースの中で正義と悪の構図を見つけては、ささやかな娯楽として茶々を入れている我々の日常への皮肉を見ることはきっと飛躍ではないだろうと思う。

 まさかこんな切り口からこれまでの物語により一層踏み込んでくるとはまるで想像だにしなかった。視聴者の反応すら予測して仕掛けを仕込んでくる、脚本の技巧をまざまざと見せ付けられた気分だ。
 ってかマジで倉田さんこんなスゴかったのか、正直ナメてましたごめんなさい。すでに怪作の貫禄、めちゃくちゃ面白いです。

 
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