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サムライフラメンコ

サムライフラメンコ 13話 「決戦前夜」 感想

 ヒーローの限界と業と信念と。

 起、承ときたら次は当然「転」でしょう!と言わんばかりの急転直下。実に正しい物語のフォーマットですねー(棒)
 
 倒しても倒しても、次から次へと湧いてくるフロム・ビヨンドの刺客。
 正義の味方がいる限りいなくならないんじゃないかとも思うが、今の所キング・トーチャー編のように「人格のある悪」として描写されてないし、単なる舞台装置として見るのが妥当かな。

 敵が多過ぎるとどうなるか。いくら無敵のヒーローとは言えど、手の届く範囲には限界がある。示唆された敵の総攻撃の可能性、今まで通り悪の魔の手から民衆を守れる保障はどこにもない。
 ヒーロー活動のスケールが大きくなるごとに、敵も強大さを増し、それに比例して守るべき人の数も増えてくる。悪夢にうなされていたように、羽佐間が感じていた潜在的な恐怖はつまり、手が回らなくなった時に失うものの大きさ、そして悪の組織に対抗できるのが自分たちしかいないという事実によるものだろう。
 
 そしてスケールアップのもう一つのジレンマとして、国家との協力体制による行動の束縛化がある。フラメンジャーはその活動を全面的に国家によって支援された、公僕に近いといってもいい存在だ。組織が大きくなればなるほどしがらみは増え、フットワークは鈍くなる。思い立ったら即行動とは行かない。さらには、彼らの『正義』自体も、その性質を揺るがされることになる。
 国家的な正義とは合理的な判断に基づいた、「選び切り捨てる」正義だ。フラメンジャーの面々に突如課せられた、「5人まで関係者をシェルターで優先的に保護できる」という選択は端的にその性質を示していて、人の命に自ら貴賎を設けることが要請される。
 当然ながら羽佐間は身近な5人を絞り切ることができない。それは従来の彼の正義に反すること、というよりも善良な人間としての当然の感情であるように思えるが、しかし要さんが指摘したように正義の「選択性」は対象との距離が違うとはいえ彼らが普段から無自覚に行なってきたことである。
 
 この辺の構図に物語の意地悪さがある。
 当初サムライフラメンコは、東京だろうけど境界がイマイチはっきりしない、ある種箱庭的世界だけを救い、まりによって外にいる悪の存在は示唆されたものの、活動の場を広げることはなかった。そして、当然ながら上記のようなジレンマを突きつけられることもない。なぜなら当時の彼はヒーローとは言っても「変態」扱いであり、誰も彼に正義を期待してはいなかったからだ。
 ところが今はどうだ。名実共にヒーローとして悪と戦う勇士となり、『国民英雄賞』を授けられるまでになっている。今の羽佐間には己の信念以上に、人々からの期待が重く圧し掛かっている。象徴的なのが彼が代表として賞を授かるシーンで、首相の政治的判断に揺れる中、他のメンバーは渋い顔をしているが羽佐間だけはなんとか笑顔を保とうと努力している(ここの表情が絶妙)。もちろん職業柄でもあるが、彼はきっと国民のヒーロー、つまりは偶像としての役割を理解しているのだろう。ヒーローは決して弱音を吐かず、悪を倒して皆を救い、笑顔を見せ続けなければならない。
 羽佐間はずっと憧れ続けた本物のヒーローになれた。しかし現実は彼の思い描いたものとは違い、正義と政治のジレンマに苛まれ、背負った国民の命に圧し潰され、終わりのない悪との闘争に神経をすり減らす日々だ。描かれた荒唐無稽なヒーロー番組の非日常性と、現実の理不尽さがコンフリクトした時、浮き彫りになるのヒーローという存在の歪さそのものである。

 後藤さんが言うように、羽佐間がかつて戦い続けた日常に潜む悪は怪人がいようがいまいが存在していて、しかしそれこそが世界の当り前だった。もはや後藤さんの守る日常と羽佐間が守る日常は位相を違え交わることはない。
 羽佐間のヒーローに憧れる心が悪を呼び覚まし、今彼に現実を突き付けている。追い詰められたヒーローが選択できるのは、ある意味でお決まりの「全員救う」という非現実的な解でしかない。
 たとえばこの事件が「要さんの自己犠牲」によって解決されたとして、そこに表層として浮き出てくるのは感動的な結末よりも、その裏に潜むヒーローという存在の虚無性であろう。意識的にそういう舞台を積み上げてきてる。マジで悪趣味な作品だわ(笑)

 ただ、ヒーローを否定しきるだけじゃテーマとして弱いんだよなー。ここまで「ヒーローとは何か」ではなく「ヒーローと日常の関係性」に焦点を当てた作劇だから、その辺で上手い落とし所を見つけてくるとは思うんだけど、何せまだ後半戦が始まったばかりだからね(笑) これ以上はなにも言えないわ。
 来週は羽佐間のカミングアウトでパニックになる大衆が描かれるかもしれないし、「面白いこと」のためにまりを売った今野さんが動くかもしれないし、どっちにしろ嫌な予感しかしてこない(笑) 逆にあっさりと解決してしまったりして。

 いやー、本当毎回楽しくて仕方がない。思う存分振り回してくれ。
 超展開期待してんだ♪

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