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映画

THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ! 感想

 「だって私は、天海春香だから」

 アイマスというコンテンツは枝葉が多いし原作ゲームに触れていないのもあって若干語り難いと感じる面が無きにしも非ずなんですが、ここはあくまで『アニマス』についての記事ということで割り切っておきましょう。

 全編新作ということで、まず期待していたのは作画。
 アニマスと言えばライブシーンの作画物量がすごいというイメージがまずあったので、そこは当然楽しみにしてましたね。
 しかし実際にクライマックスに配置されたライブシーンでは、3DCGから起こしてるシーンが多く、個人的には「そっちいっちゃうのかー」とちょっとがっかりしました。単純に作画、というか動かし方に関してはTVシリーズの方が断然好みです。ただ、今回のライブシーンはどっちかというとアリーナを広く使ったステージ演出こそが肝だったように思います。あれは見ないと分からない、ダイナミックなカメラワークも相まって劇場版にふさわしいクオリティになっていました。
 単純な作画物量で言えば、お約束のネタバレ全開な劇中劇予告編映像がすごかったのでその点ではそこまで不満ではないです。
 あと作画と言えば一点、なんでもないようなシーンで明らかに不自然なロトスコープっぽい動き方をしていて気になりました。完全に浮いている上意図もまったく分からない、あれはなんだったのでしょう。『銀魂』ではちゃんと使いこなしていましたが、今作においてはマイナス要素にしかならんような。
 ちなみに原画クレジットで確認できた知ってる名前は桑名郁朗さん中村章子さん濱口明さんの3人だけ。人数かなり多かった。

 
 演出面では、いいレイアウトが複数あった気がするけどあんまりそういうの覚えない人間なんで語れない(笑) 注目したのは光の使い方。太陽の日差しはもちろん、ラムネの瓶や海の反射、ランプやビルの明かりなどに照らされる765プロアイドルたちと、一人暗い部屋で携帯の液晶を眺める矢吹可奈を始めとした候補生たちとの対比。そしてラストで壁を越えてステージの上で共にスポットライトやサイリウムの光の渦へ、という流れになっていて印象的でした。
 音楽面では無理にPV風にして楽曲を挟み込むよりも、アレンジして劇伴として使う方が効果的だったかなー。これはTV版でも思ったけど。

 物語としては一度完結したTVシリーズの延長として各キャラクターの成長を踏まえつつ、輝きの向こう側、つまりは一段先を目指した作品と言える。千早と雪歩は明快に成長描写がされてましたね。やたら美味しい所を持っていく伊織は、まあ元々そういうポジションだし、という感じ。美希はライバルとして存在感を見せていたし、春香さんは当然主役として物語の中核に据えられていた。あまり目立ってないキャラもいたけど、そこはまあそれぞれのファンの不満はあれど取捨選択の結果としては間違ってないでしょう。

 アイドル候補生たちは、765プロアイドルたちに『先輩』という立場の変化を付加するガジェットであると共に、春香に選択を迫るための役割も担っていたように思う。練習について行けず、ミニライブでも失敗してしまう。先輩への憧れは罪悪感へと変わり、結果的に候補生の一人矢吹可奈はドロップアウトしてしまうことに。
 これがきっかけとなり、本番まで時間が残り少ない中で彼女を切り捨てて少しでも前に進むか、ギリギリまで彼女を説得するかという選択を突きつけられる春香。
 千早の時も「ほっとかないよ」の春香さんは当然後者を選択します。この辺は結果が分かりきってるのに全然春香さんが煮え切らなくてぶっちゃけグダってました。「お、やっと動くのか?」→「メールかよ! 早く会いに行けよ!」とめっちゃツッコミたかったです(笑)

 でもまあ春香を追い込むのにも意味はあるんですよね。早々に春香が決断しちゃうと、「その選択が正しいから」になっちゃう。劇中でも再三言われているように、「春香がどう思うのか」が重要なわけで、彼女の考え自体は甘いし理解もできないと評されたりもしている。それでも、美希がいう「キラキラ」っていうのは各人が思ったとおりに動いた結果に付随するものであって、だからこそ考え方の違いを強調されつつもリーダーである春香の想いが尊重されたのですね。誰かの「諦めた」の上に立ったステージでは輝けない、というのがアニマスでのアイドル。

 そして可奈を説得し、誰もいないアリーナへと足を運ぶ面々。
 春香は一人ステージの先へ、舞台の真ん中へと進みます。候補生からはもちろん、他の765プロアイドルからも明確に一線を越えた位置にいる春香。この構図は素晴らしかった。
 彼女が語る想い、これまでの軌跡、そしてこれからの夢。天海春香こそが、アイドル――というよりは『アニマス』の象徴なのだと、明確に示されたシーンだったと思います。
 ここで春香は皆を一つにすることに成功するんですが、直後にすごく辛そうな顔をしてるんですね。それはリーダーとして、自分のエゴに皆を巻き込んだ、この重過ぎるアリーナを全て背負ったことをも同時に意味してるんですね。だから伊織が「転んでも支えるために私達がいる」的な発言をしています。
 この辺がまあアニマスが出した答かなと。アイドル物語としてどうかは知りませんが、アニマス春香さんの物語としては悪くない落とし所だったんじゃないでしょうか。
 
 
 そんなことはさておき、律子の出番が予想よりずっと多かったのは嬉しい誤算でした。
 白眉は赤羽根Pと屋上で会話してるシーン、座り込んだ律子が彼ににじり寄ってパンチする一連の流れには心臓を撃ち貫かれて悶えました。これはアイドルではなく、プロデューサーの律子だからこそのやり取りと言えるのではないでしょうか。本作でのベストシーン、これだけでも満席で上映を2回見送ってでも見た甲斐がありました。
 他にもクライマックスのライブに出られない分、合宿ラストで『GO MY WAY!!』をセンターで踊ってましたし、その後に皆に笑顔で囲まれるシーンも含めて、彼女が愛されてるなあと実感できて幸せでした。TVシリーズ最終話でもライブが終わった瞬間竜宮小町の皆が彼女の元に駆け寄ってきて笑顔になる最高のシーンがあって、それを思い出しましたね。
 というわけで、律子が可愛かったのでこの映画はいい映画です。


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アニバタ Vol.6アニバタ Vol.9に寄稿しました。よろしくです。


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