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サムライフラメンコ

サムライフラメンコ 21話 「愛をおしえて」 感想

 愛の話なんだよ。

 澤田灰司の悪行は続き、ついにはミネミラや後藤さんにも彼の魔の手が伸びる。
 一人だけ無事なまりは、このまま黙っているようなタマじゃありませんし、まず間違いなく最終回で活躍してくれることでしょう。

 サムライフラメンコのためのだけの敵・澤田灰司の出現、そして自分の中に見出してしまった悪の心。ただの『正義』ではどうにもできない問題を抱える羽佐間に、師匠である要さんはヒーローが孤独と戦うための最後にして究極の武器である『愛』の存在を告げる。
 しかし羽佐間にはそれが一体なんなのか、どうすれば手に入れられるのか、理解することができない。なぜなら彼は、ずっと『正義』のことだけを考えていた、あまりにも純粋な存在だからなんですね。ただ正しさを追究するだけでは、時に間違いすら内包する『愛』を知ることができない。
 そんな彼が相談したのは、マネージャーとしてずっと彼を見守ってきた石原さん。モデルとしてデビューしてからこれまでの羽佐間に関する資料と共に、彼女が見せるのは慈愛の表情。物心付く前から両親を亡くし、物語開始以前から育ての親である祖父をも失った羽佐間にとって、この石原さんこそが彼の気付かぬ間に保護者のような存在になっていたのではないでしょうか。親代わりというよりは、姉弟に近いかな。後藤さんにさえ信じてもらえなかった灰司の存在を、とりあえず彼女が受け入れたのはやはり『家族』としての描写の延長だと思います。

 『愛』には形がなく、人それぞれだから具体的に教えることはできないのだと、要さんと石原さんは羽佐間の疑問に同じような答えを返す。
 でも、だからこそ『愛』はどこにでも転がっているんですね。羽佐間が生まれたのも両親が愛し合ったからで、彼がここまで育ったのも祖父の愛があったから、モデルとして大成したのもファンの愛のおかげ。彼自身が気付いていないだけで、色々な人の『愛』を受けて羽佐間は今ここに立っている。それはつまり、彼が今現在苛まれている「ヒーローの孤独」と相反する概念なんですね。だからこそ孤独を打ち破る武器になる。
 ただ、『愛』は必ずしもいい面ばかりではなくて、時に容易に他の感情へと変わってしまうのだと石原さんは言います。おそらくは、後藤さんが過去に執着し続けるのも『愛』が歪んでしまったからで、灰司のサムライフラメンコを求める心も『愛』の発露。だからこそ『正義』だけでなく、『愛』だけでもなく、その両方があって初めて無敵のヒーローが誕生するのだと、要さんはそう言っているのです。かつてビヨンド・フラメンコに「何に狂っているかの違いしかない」と言われたように、羽佐間の掲げる『正義』は純粋であるがゆえにあらゆる感情や概念を内包し得る『愛』にまで到達することができない。
 羽佐間の正義も、後藤さんの恋心も、共に未成熟なままの感情であり、ここでこの作品のキャッチフレーズ「大人になりたくない“大人たち”へ」に繋がるわけです。大人になるということは、現実を知り物事に分別を付けるということであり、しかしそれは純粋な心とトレードオフの関係にある成熟への道です。後藤さんは彼女がいなくなったことをどうしても認めることができないし、羽佐間は大人のルーズな社会に正義を突きつけるためにヒーローになった。

 これまでの物語で、羽佐間は純粋だからこそここまで来れたというのが間違いなくあって、でもここに来てその純粋さが彼に牙を向いて来た。未成熟な感情は、そのまま未熟な少年の姿で彼の前に表れ、正義と裏返しの悪意に襲われる。両親の愛を受けられなかった羽佐間と、両親に愛されつつもそれを受け取らなかった灰司、今回もまた2人が対の存在であることを示す事実が明かされましたね。ちなみに今回灰司が後藤さんの彼女のメールや口調を装って彼に害意を向ける描写も、灰司が羽佐間の影であると同時に同じく未成熟な後藤さんの影であることも示してるのだと思います。
 子供と大人の狭間、あるいは純粋と成熟の狭間、メタフィクショナルにヒーローを突き詰めたこの作品が最後に辿り着いたのは『愛』に至らない『正義』のジレンマ。未熟な子供でもない、現実に擦れた大人でもない、たとえば『少年の心を持った大人』のような、愛と正義の無敵のヒーローになるにはどうすればいいのか。ついにここまで来たこの作品もいよいよ最終回、全力で見届けたいと思います。


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