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キャプテン・アース

キャプテン・アース 1話 「アースエンジン火蓋を切る」 感想

 君はキャプテンか?

 帰ってきた五十嵐×榎戸コンビ、ということで初回から早々に圧倒される物語と映像表現の妙に大興奮ですよ。

 まず感じたのは空、そして宇宙への憧憬。それは人類のロマンとしてはもはや使い古された節のある要素ではあるけれど、それでもなお空高く舞い上がり、成層圏を突き抜け、宇宙へと進出するシークエンスには胸を熱くさせるものがある。
 主人公のダイチもまた、宇宙飛行士だった父がロケットを飛ばす姿を鮮明に覚えていた。型にハマッた学校の授業に退屈するダイチが教室の窓から見上げるのはやはり空。
 挟まれる回想でも、フェンスを飛び越え、ブーメランを飛ばし、テッペイの作る虹の輪っかに目を輝かせる。閉じた日常からロマンの世界へ、というダイチの分かりやすい衝動が今回ラストのロボット合体シークエンスで一気に昇華されていたのが素晴らしかった。

 また、子供の頃の一夏の出会いがダイチの現在とリンクする構成もジュブナイルのそれで、強引に繋げればこれもロマンなんだよなぁ。スタドラでは三角関係が一つのテーマだったけど、今回はメインキャラが4人みたいだし、また違った人間ドラマの妙を見せてくれそう。
 とりあえず今回は、ダイチとテッペイの「交互に相手を驚かせる」ことでペンダントを交換し合うシーンがなんとも微笑ましくて、それでいて2人のこれからの関係性をも予感させてくれる実にスマートな描写。

 ただ、宇宙へ行くというのはロマンであると同時に、キルトガングとの戦いの最前線に立つということを意味する。ダイチの父タイヨウも地球を守るためにその命を賭けて隕石を止めた。
 今回ダイチが宇宙へ飛び立ったのは、宇宙への憧れからではない。地球に危機が及んでいることを知り、それをなんとかしたいと考えたからだ。

「どうすればいい? 僕に何ができる」

 この未曾有の危機を前に、逃げることではなく、立ち向かうことを迷わず考える。理屈ではなく資質、それが主人公というものなのだと(≠かくあるべき)いうことに非常に自覚的な描き。自分の身の安全を真っ先に考える当り前で、だからこそ凡百の人間にはない、選ばれた者の資質。
 立派なキャプテンだったというタイヨウは、希望とは未来が今よりももっと素晴らしいと信じられることだ、と言った。これで思い出すのはスタドラ最終回、主人公タクトの最後のセリフ「僕たちはこれから、これとは違うもっとすごい空を、きっと見るさ」。
 素晴らしい未来のために、後に託す決断ができる、それがキャプテンなのだと。
 そして今、何も分からないまま新たなキャプテンが飛び立った。託された未来が花開くとき、新たな物語が始まる。

 戦う理由も、戦える理由も、理屈で説明などはしない、センスオブワンダー。
 ただ『キャプテン』という言葉と圧倒的な映像シークエンスが不思議な説得力を放つこの感覚。
 ひとまずは見たかったものは見られたと安心した所で、この大作に挑んでいきたいと思います。


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Comment

No title

まず1話サブタイが堂々と格好良いですねえ。

今更キャプアス追いかけていますが、第1話のカタルシスは確かに素晴らしいものがありました。「どうすればいい」からの「僕に何ができる!?」も、本当に主人公の主人公たる所以を一言で魅せきっていますね。

ブーメランも、今後の話で重要なガジェットになっていきそうな・・・。

なにげに五十嵐×榎戸コンビ作品をちゃんと観るのは初なので、初めてづくしのこの作品を楽しんでいこうと思います。

Re: No title

>絵樟さん

コメントありがとうございます。
今自分でもこの記事読み返しましたが、最終話を見た後だと何箇所か「違う、そうじゃないよ当時の俺!」という部分があってこそばゆくも面白いです(笑)

ブーメランは出番こそなくなりますが、最後までテーマとして活きてくるモチーフなので!

ボンズ作品らしく人を選ぶので趣味に合うか分かりませんが、引っ掛かる人には素晴らしい宇宙を見せてくれる作品ですので、ゆっくり追いかけてみてください。
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