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キャプテン・アース

キャプテン・アース 7話 「誕生ミッドサマーズナイツ」 感想

 明日また、4人で食べよう。

 ただ『明日』を求める物語。
 かけがえのないその日々は、いつかきっと『永遠』に変わる。

 夕日に照らされて、食卓を囲んで4人でスイカを食べるダイチ、テッペイ、ハナ、アカリ。近付こうとして、踏み込めなくて、受け取れなくて。無邪気さの中にわずかな逡巡を感じさせる彼らの距離感が、「また明日」という他愛のない約束で頼りなく繋がれる。

 不老不死の命を持つキルトガング。永遠を生きる彼らは、矛盾するようだけど『明日』とは程遠い存在。有限の時を生きるからこそ、今を愛おしく想い、明日に希望を抱くことができる。だからモコやアマラには明日の風を感じることができない。
 人間とキルトガングとの間で揺れるテッペイは種子島に吹く風の心地好さを、永遠の命を持っていても今この時が長く続かないことを知っている。だから彼は恐れ、迷うのだ。

 今回も当然大人と子供の対比は徹底していて、ピッツに教えてもらったハナがキルトガング襲撃を伝えても、大人たちは半信半疑。一方で、ダイチは迷わずにアースエンジンに乗り込んでいる。この、あくまで理屈に縛られる大人と感覚を信じる子供の対比、実はこの狭間にいるのがアカリという存在。彼女の行動基準自体は感覚に拠るものだけど、その手段はあくまで現実的。他の3人と違って、彼女だけは凄いハッキングスキルを持ってる『だけ』で、理論を飛び越えた特別な力を持たない。今回テッペイを叩いたのだって、感情的な行動に見えて、どこまでもクレバーな行動だ。あの場でダイチを助けられるのはテッペイだけ(つまりは自分にはできない)だから、焚き付けて任せるしかない。魔法少女を名乗りながら、ロジカルな手段しか行使できないのがアカリ。そんな彼女が、理屈を飛び越えて真の魔法少女になることができたのなら、きっとその手にはライブラスターが握られているはずだと思う。

 そしてダイチを助けに現れたテッペイは、自らのエゴブロックを破壊する。
 永遠の命を捨て、失う存在になる。しかしそれは、決して不老不死に劣る価値の生ではないと彼はもう知っているからだ。そしてリコーダーの音が響き、彼の手にはいつの間にかライブラスターが。
  「希望は決断によってしか生まれない」のならば、決断によって生まれるライブラスターは希望の象徴でもあるんだろうなぁ。

 無限の生命、飽くなき欲望に対して、ダイチたちの物語は一夏のものとして「いつか来る終わり」を前提としている上に、ただ『明日』をもぎ取るために泥臭く突き進んでいく。   
 今の所本作のロボットアクションは爽快感やエンタメ性はかなり抑制されていて、このシークエンス自体が彼らにとっての重い「決断」を表しているかのような、荘厳な音楽に鈍い動き。敵の猛攻をただひたすらに耐え忍ぶのがアースエンジン。
 それに対して羽のように軽く飛び回るキルトガングは、そのまま彼らのリビドーに忠実で縛られない様を表しているのだろうと思う。
 本当の『希望』を生むためには、重苦しい『決断』をしなければならないという、本作のテーゼをそのまま表したかのようなシークエンス。こりゃあ立派なロボットアニメですわ。

 そして少年少女たちは、ただ『明日』を迎えるために、かけがえのない一夏の夜を守る騎士になる。一日ごとに『明日』がある、たったそれだけが生きる意味になる。有限の侘しさと眩しさを描くジュブナイル。まだ序章が終わったばかり、彼らの青春から目が離せない。


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