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キャプテン・アース

キャプテン・アース 10話 「風の星で」 感想

 我ら遊星歯車装置、世界の夢を現す者。


 前回もそうだったけど、2部からの基本フォーマットを守りつつも色々展開に捻りを加えている印象。次回はそのフォーマット自体を崩してきそうだけど、ともあれ今回も人間とキルトガングの対比を描く作劇は一貫。

 気持ちのいい風を感じたくて、マシンに乗っているというデザイナーズ・チャイルドのひとり、リン。『風』というのはこの作品にさんざ出てきたモチーフの一つで、1話では都会の風に馴染まなくなった(社会の抑圧的な暗喩)ダイチが、少年期への回帰を象徴する種子島の風を求めて家を出た。
 ハナやテッペイ、アカリたちが風に吹かれる様も再三描かれているが、それと平行してキルトガングたち遊星歯車装置にはその風を感じることができない、という描写も徹底されている。最も、モコに関しては明らかに自分たちが理解できない地球人が言う『風』に感心を向けるような描写が積み重ねられているので、今後キルトガング側に思想的な変化が起こるとしたら発火点は彼女かな、と予想。

 『風』は今そこにいる場所が、自分たちが自由に価値を追い求め決断していける場所かどうか、というのを表してるように思う。上手い表現が思いつかないけど、学校でのダイチは自らの選択肢が社会の規範やレールによって狭められていることに息苦しさを感じているようだし、だからこそ不明瞭で、飛躍した決意のままに動ける戦いと素直にお互いを認め合える仲間たちとの日々が痛みを伴うとしても彼には心地良い居場所になっているわけだ。
 他にも、「明日は明日の風が吹く」ということわざからこの作品のテーマの一つである『明日』に繋げることもできなくはないし、答えは風に吹かれて消えるだとか、人の思いの儚さの比喩にもなったりと、曖昧だけどだからこそ色々考えられそう。

 リンはスピードを追究することで「風を感じる」=「生きている実感を得る」ということなんだろうけど、そんな彼女が不死であるキルトガングに覚醒してからは水中、そして宇宙と、風の届かない空間で泳ぎ回る姿が描かれる、という見方によっては皮肉ですらある描写。
 ダイチとリンの対話によって浮き出てきたのはこの作品の死生観。
 いつかは必ず死ぬ、不完全な存在だと人間を見下すキルトガング。しかし、「笑って死ぬから」と残した父親の意志を引き継いだダイチは安い挑発を跳ね除ける。
 人は死ぬけど、だからこそ未来のため次代のため、そして明日のために生きることができる。別にこの手のやり取りでは特別でもなんでもないカウンターだけど、一方のキルトガングが不死だからこそ『生』の感覚に鈍い、という形で掘り下げられるのが本作の特徴だと思ってる。対極があるからこそ一方が際立つわけで、死を知らないキルトガングの死生観は浅い。思うに、ライブラスターの放つオルゴンエネルギーは生命の輝きで、だからこそキルトガングに扱うことができないんじゃないかな。
 不完全な生命を魚になぞらえて嘲笑うリーバンは、ギグモード時には不死を象徴する人魚になる。しかし地球人を圧倒するスピードを得た彼女は、吹き抜ける一陣の風に貫かれ敗北するのだ。

 今回はネビュラエンジンのお披露目ということで、テッペイが初めてライブラスターを放った記念すべき回。ここで濃い目に描かれるのは、やはり決断シークエンスなんだなぁ。
 テッペイが出撃するまでのシーンのことね。西久保の許可が出ないままに準備が進んでいる、というのがいつも通り。彼は彼で無茶苦茶言い出すようになったけど、やっぱりそれって誰かが作った流れに乗ったものなんだよね。そしてミッドサマーズナイツ結成後初の天海道起動ということで、最終決定権は西久保からキャプテンであるダイチに。それでいいのか西久保さん!
 とはいえ、試作機でキルトガングを迎撃するという決断自体はテッペイ自身がちゃんと行なっているわけで、それでもダイチに決断が委ねられるのは彼が『キャプテン』だから、という他はない。決断主義とかイマイチ理解してないんだけど、誰かの決断を受けて自分も決断する、という連鎖構造も重要なのかね。基本的にこの作品の作劇は、誰かの行動が別の誰かに波及していく、その連環で進められている。ダイチとテッペイのペンダント交換の儀式なんかはその最たるもの。
 今回のテッペイの活躍は、単に戦力になるということではなく、「仲間の失敗をカバーする」というチームとしての役割を立派に果たしたもので、今までのテッペイの悩みをきっちり解消していく話運びは地味ながら見事。

 最後に、毬村博士という新キャラの登場で押し出された『夢』というモチーフについて。
 かつては人に好きな夢を見させる、という実験をしていたらしいけれど、彼女が今手がけている『インストール』は夢に夢をインストールするものではないらしい。
 そして遊星歯車装置の「世界の夢を現す者」という名乗り。彼らは実際に抑圧された人間としての人生から、「本当の自分」とかいう幻想に目覚めた存在なわけで、夢を現実にインストールしてると言える。しかし彼らが掲げるのは「世界の」夢。世界の夢ってなんだよ、って所で黒幕オーラの出ているキルトガング・セツナ&ピンクのピッツ登場。
 セツナはロビンを名乗るパックと組んで毬村を利用しているっぽいし、単に地球のリビドーを食い尽くすだけではなく『夢』を以って何かを実現しようとしている、別の目的があるのかな、と思う。風貌からは、エーリアルと対になる存在っぽくもあるんだけど、この辺の対比構造はハナやパックも絡んできて厄介なんだよなー。ともあれ、来週は新キャラの動向に期待しておこう。

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