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キャプテン・アース

キャプテン・アース 12話 「闘う少年たち」 感想

 今の俺を壊すな。


 ヤクザの組長である父親に連れられ地下へ降りるクミコ。彼女が毎夜見る悪夢には沈み行く船のイメージが。
 アースエンジン・インパクターの起動シークエンスに象徴される上昇運動に対して、今回描かれたのは下降運動。脚本と演出から滲み出るのは、どこか退廃的な死の臭い。

 最後のデザイナーズチャイルドであるバクは「今の俺を壊すな」と、本能的にキルトガングとの接触を避けようとする。今までのデザイナーズチャイルドは鬱屈とした人生をインスタントに打破できる『本当の自分』への誘惑にあっさり屈したのに対して、彼の人生もまた籠の中の鳥でしかないにも関わらず現状への執着を見せている点で決定的に異なっている。
 それは間違いなく、彼に想いを寄せ、また自らも想いを寄せているであろうアサノダ組みの令嬢クミコの存在があるからだろう。彼女との相互依存的な、しかし先行きの見えない関係性こそがバクの今であり、『現状維持』が彼の意志であるがゆえにそれが壊されることを忌避する。

 しかしその構造には暗い罠が潜んでいるように見える。
 劇中、バクはフードやタオルで常に目元を隠し、リングの上でも対戦相手を下してスポットライトを浴びる彼の目元には影がかかっている。考えるに、これは彼が『現実を直視していない』ということを示す映像演出ではないか。
 『バク』とは夢を食らう想像上の生き物で、アサノダ組の構成員たちは一様に悪夢に悩まされ、さらには不死身の者さえ出てくる始末。そしてモコ曰く、バクのシンギュラリティには空間に作用する何かがあるらしい。
 この辺の描写から、クミコ含むアサノダ組の連中は沈没『事件』で既に死亡していて、バクの能力で彼の今を守るために生かされているだけなのではないかという予想が出ていますね。夢を現すのが遊星歯車装置で、バクにはその力がある。しかし彼が保っているのは停滞した世界であり、その先には破滅しかない。バクが生み出した擬似的な永遠は、死の臭いに満ちている。
 なんかアサノダ組死亡説を前提にして語ってるけど、これ外してたら赤っ恥だな。

 
 そんなバクのエピソードもやはりダイチたちとの対比になっている。
 悪夢を見るアサノダ組の面々に対して、ダイチは爆睡。そんな彼に、ハナが優しくおやすみのキスをする。
 街中を歩くミッドサマーズナイツが見るのは、幸せそうな新婚カップルの姿。「今日よりも素晴らしい明日」を守るために闘う少年たち。未来に希望がなく、もはや過去となったはずの今に縋りつくバクとはあまりにも対象的だ。
 基本的にデザイナーズチャイルドはその境遇として「大人に利用されている」という共通項があり、キルトガングに覚醒でもしなければ自分が食い物にされて終わっていた、未来のない少年たちだ。そんな彼らが宇宙人としての自我を得ることで、捕食者の立場に回る。それがあくまで一面的なものであり、捕食者と被捕食者の関係性がいくらでも逆転しうるという構造を描いているのがこの作品なのだが、たとえ思い込みであっても自由と優位性を手にしないと自らの明日さえ掴み取れなかったのがキルトガングという存在だと言える。
 一方で、自らの決断によって明日を掴み取る、という基本シークエンスがありつつも、間違いなく環境的にはキルトガングよりは恵まれているミッドサマーズナイツ。互いを素直に尊重でき、認めあい、驚きを与え続けることができる。循環的な承認構造によっておぼろげながらも自らの居場所を確立していく彼らの姿は当然ながら社会とリビドーの狭間で苦しむ若者達の光のモチーフであり、対するキルトガングたちは影である。
 明快な対比構図を基に様々なテーマを語るのがこの作品の特質であり、今回はその中の一つである「生と死」に関してここにきて大きく踏み込んできた、という印象がある。1クール目のクライマックスということで、仕掛けを通じて何を見せてくれるのか楽しみです。 


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