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キャプテン・アース

キャプテン・アース 14話 「夜をつらぬく少女の涙」 感想

 いっそのこと、殺そうかと思った。


 まずは新OPについて。正直前期の鶴巻OP(特に歌いだしからAメロに入るまでの曲展開と映像演出のリップシンクが完璧)に比べるといかにガンダムビルドファイターズの長崎建司コンテと言えどイマイチ訴求力が足りない感じ。
 とはいえ、冒頭にタイヨウからダイチに『明日』が託されるイメージ、ミッドサマーズナイツの4人がそれぞれ朝→昼→夕方→夜と空を見上げながら一日が移ろっていく演出、あと順にポーズ決めるだけで超カッコイイ遊星歯車装置の皆さん等など、見所は十分すぎるほどにあるんだよな。

 さて、自分たちのマシングッドフェローがついに直っても、セツナのカプセルを使い果たしたため攻勢に出れないアマラとモコ。二人の勝手な行動に久部社長は失望を見せ、その様子を見たヒトミちゃんは分かりやすく嬉しそう。かわいい。
 久部社長に子供扱いされて怒るアマラだけど、悠久の時を生きる存在だと知っていても子供が親に絞られる図にしか見えないのが面白い。永遠の命を持つからこそ、『明日』の価値も分からなければ、成熟もしない、17歳の姿のまま不老不死となった遊星歯車装置の設定そのものが上手くテーマと絡み合ってる感がたまらない。
 マクベスエンタープライゼス内での一幕は、久部社長とアマラ・モコが互いに互いを見限ろうとすることで亀裂が走ってるんだけど、両者とも自分が優位にいるのを確信してる中で実際にその場をコントロールしてるのはやはりパックなんだよね。今の所主導権を握っているのは遊星歯車装置だけど、パックに疑念を抱いてる(今回あからさまに釘を刺した)のは久部社長の方で、この点では後者にアドバンテージがあるとも言える。ただ、パックの言う久部社長の利用価値が気になるんだよなぁ。たとえば彼の身体に自身をインストールしたとして、今でも十分マクベス社をコントロールできてるのにさしたるメリットも思いつかないし。

 
 一方、アカリの提案で休暇を取ることにしたミッドサマーズナイツの面々。
 「休暇って何するんだ?」と手持ち無沙汰なテッペイの描写がいいですね。2部では「自分に出来ることがない」ことで手にした人間としてのアイデンティティを掴み兼ねてた彼が、ライブラスターを撃てるようになることで、「することがない」状態をネガティヴな含みを持たせずに描かれるようになった。今の彼は自身の「やりたい事」と「やるべき事」がはっきりしていて、ミッドサマーズナイツでの活動それ自体が充実しているから突然得た休暇にもベッドに寝そべるしかない。最近のテッペイはすごく自然体な感じがあって、リラックスしてていいなー、と思います。

 そしてアカリが強引に進展させようと画策するダイチ―ハナのラインはどうも性愛に寄ろうとしてる節がありますね。これまでひたすらにイノセントで無邪気な少女として描かれてきたハナが、その裏に潜む棘をここにきて見せてきた。ここからようやっとハナの物語が始まるということでしょう。
 夜、ダイチが寝てる間にだけキスをするハナ。キルトガングに作られた道具である彼女は、彼らと同じ性質を持っている。つまり、キスをするとその時思っていることを伝達することができる。
 寝てる間にすることで、ハナは一方的にダイチの側からのみ心情を読み取ることができるんですね。相手のことは知りたいけど、自分のことは知られたくない、ってのはある意味では乙女っぽい感覚で、これまで記号的な美少女ヒロイン像をなぞっているようにも見えたハナに女の業が付加されたことで一気にその存在が輪郭を帯びたような感覚がありますね。
 テレパシーキスは、設定的には「キスをすることで心が通じ合う」というなんともロマンチックなギミックなんだけど、作中での実際の用法はすべて一方通行なものであるのが面白い(笑) もちろん、それは今後の展開で互いを理解し合うための(あるいはし合った後の)キスが待ち受けていて、それをするのはダイチとハナしかありえないわけだけど、そのための布石としての側面とはまた別に欲望とエゴの発露としてキスが描かれているってのはあると思う。

 さて、ハナの涙の真意はどこにあるかはまだ分からないけど、『秘密は女を女にする』のでだからこそ、というのはありますね。理解できない部分が見えると、美少女は女に変身する。キルトガングがライブラスターを撃つために作られた存在であるハナは、地球に落下する人工衛星をも消し飛ばすほどの力を持つことによる兵器としてのアイデンティティを備えている。天に昇るブルーメのオルゴンビームは、まさに夜をつらぬく少女の涙でしょう。
ダイチには決して知られたくない、『本当の自分』は間違いなく設定的なものにとどまらない彼女の黒さ、醜さに直結してるはずで、自身の現状を否定するために『本当の自分』という幻想に縋りついたキルトガングたちとは好対照。
 ダイチの方は、彼女の真意を知るためにも『正しい答えを直感する』シンギュラリティによってハナへのキスを迫るんだけど、拒絶されてしまう。ただ手を伸ばすだけでは届かないハナに対して何ができるのか。この辺、まずハナの行動が先立っての好転じゃないとダメだと思うんですが、まあ大丈夫でしょう。
 それにしても、「いっそのこと、殺そうかと思った」からの告白はさすがのセンスとしか言いようがない。アカリやクミコ、バクもそうだけど、思い通りにならない世界に対しての手段として、自殺を図るのではなく必ず『自分にとっての世界』を道連れに破滅しようとするのがこの作品の登場人物の特徴っぽいですね。この、触れ幅の大きい少年少女の心情が彼らの手によって命運が託されている地球の明日、というテーマにもリンクしててすばらです。

 ふり幅が大きいと言ったけど、繊細な心情描写にも定評があるこの作品。
 種子島基地の危機に、いつもクールで西久保に対してもつれない態度を取ってきたリタがあからさまに動揺を見せるんだけど、それを見るアカリの表情がいい。
 アカリの自己評価は「素直じゃない子」である、というのが9話を見ての私の見立てなんだけど、アカリだって父親が心配なはずなのにそれをすぐに表に出すことができない。それどころか、父の愛人であるリタさんが初めて見せた「女の表情」に動揺してしまっている。このシーンは、自身が培ってきた魔法でも止められない決定的な場面に直面するものでもあって、彼女が何を考えていたのか、色々想像を巡らせることができる。
本当、アカリは立場性格スタンスからして読めそうで読めない、噛めば噛むほど味の出る美味しいキャラやでえ……。

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