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キャプテン・アース

キャプテン・アース 22話 「発動オペレーションサマー」

 おう。任せとけ、相棒。

 いよいよ最終局面、ということで決戦前の雰囲気を盛り上げつつバラ撒かれたテーマにも回収の気配がする回。

 まずは以前にもちょっと名前の出たプランターユニットの話。
 ブルーメ搭乗に付随するハナへのリスクに考慮して、遠隔操作を可能にする装置を密かに開発していた西久保。「結局実用レベルには至らなかったって、物語中で機能しないならその話いらなくない?」みたいな事を言われそうですが、これも当然いつもの対比構造のためのガジェットですね。まあ何かの伏線として機能する可能性がなきにしも非ずですが、それはまた別の話。
 ハナをどう扱うか、という1点においてのglobeとソルティドッグのスタンスの違いが、まさに「花」に纏わる言葉で表されてますね。プランターとは、文字通り花を育てるためのモチーフ。対してソルティドッグである広末はかつてハナを「花瓶に活ける」と表現していました。ハナを人として見るか単なる道具として見るか、明確に対比してみせることで、ハナの母親となったツバキと対になる西久保が彼女に対する父性を獲得し、擬似家族という「帰る場所」としての地盤が確立されたのですね。

 ただ、両陣営の大人の対比。あるいは「人類を救う」ソルティドッグと「地球を守る」ミッドサマーズナイツのスタンスの違いに見る可能性と諦観の対比という点では、正直広末とのアレコレで描かれた以上のものが提示されなかったという印象。急先鋒として自らも命を張り、真に地球の存亡を憂う一人の人間として切実さを見せてくれた広末と比べると、安全圏で我欲が見え隠れする方便を述べ散らかす幹部達3人は余りにも底が浅い。それ自体が悪いとは言わないけど、この期に及んでという気持ちが湧いてくるのも事実。まあ、私の考えが及んでないだけで彼らでしか描けない対比構造その他諸々があるかもしれないので、ピンと来る方がいたら教えてください。

 
 今週の遊星歯車装置。
 いよいよ総攻撃の準備が整い一同に集う彼ら。終わりを迎えるだろう地球での生活と人間の肉体に想いを馳せるのはやはりモコ。アマラと二人、クレープ屋さんとして過ごしてきた日々を思い出しているモコが、車の窓から風を受けているのがね、もうね。最初はうかない顔だったのに、運転席のアマラの横顔を見ると嬉しそうな顔するんですよ。つまり「気持ちのいい風」っていうのはそういうことだよモコ! ぼんやりとは分かってるはずなのに、確信には至らない彼女の微妙な描写がもどかしい。
 誰もが地球人として、あるいはキルトガングとして地球を過ごした日々に影響されている中で、ただ一人そんな感慨とは無縁のアマラさん、マジブレないわぁ。


 そしてミッドサマーズナイツ。
 今回の出撃シークエンスの際に、いくつもの約束が取り付けられるんだけど、言うまでもなくこういうシチュエーション下での「この戦いが終わったら」という約束は物語上では死亡フラグとされる。もちろん今時死亡フラグという言葉を知らない作家なんて早々いないだろうから、知っててその通りに機能することを狙って使うか、あるいはそれを逆手に取るか、というのが主な使い道だと思うんだけど、本作ではむしろその性質をテーマ性に取り込んで使用しているような印象がある。
  「必ず生きて帰ってくる」「一緒に縁日へ行く」。死亡フラグは、そのままキャプテン・アースが定義する希望、すなわち「今日よりも素晴らしい明日」を意味するものだ。いくつも立てられるフラグは、まさに戦いに赴く彼らが拠るべき旗印となる。
 そして、叶わない可能性も承知した上でなお希望を信じるのが彼ら。作戦のためにブルーメに搭乗するハナを見送るテッペイの視線。アイキャッチの英字「Her,lie」が直球過ぎる。ハナはエゴブロックを持たないはずだが、オーベロンの破壊によって本体であるブルーメに影響が出るのだろうか。とにかく、ハナが何かリスクを隠しているのは確かで、それでもひたすらに希望を口にする姿が尊いんですよ!
 というかハナだけじゃなくテッペイ自身にも何かあるかもしれない。ダイチとブルースターをやり取りする時のアカリの表情なんだよアレ! いや、単にハナを心配してるのかもしれないけどさ、テッペイがブルースターを返せない状態になる可能性を示唆してるんじゃねーのとも考えられるわけですよ。
 話を戻して、「縁日に行って、りんご飴食べようね」というハナの約束がいいんですよね。「縁」はまさに彼女が人間として永遠の代わりに手にしたものだし、「りんご」はピンドラを持ち出すまでもなく禁断の果実であり愛の象徴なんですよ。ちゃんと夏の季語になってるし、このシンプルなのに絶妙な言葉選びが榎戸さんだよなぁ。

 ダイチがブルースターをテッペイに投げ返し、自分が本当のキャプテンになるのは戦いが終わって帰ってからだと言うのは当然彼の行動原理の根底には父タイヨウの最期があるから。帰ってこなかった父に対する言葉にならない想いは物語当初から示されていて、だからこそダイチは「行って、帰る」ことに重点を置く。必ず戦いが終わったあとの約束を事前に取り付けているのもそのためですね。彼の特技はブーメランを投げることで、それはライブラスターを撃つ感覚と似たようなもの。
 今回のエピソードもまた、ブルーメから箱舟派迎撃のために出撃し、船に戻るまでの「行って、帰る」戦いなんだよなぁ。そしてラスト、今度は夢の中へ誘われ、来週は当然そこから帰るための戦いを行なうのでしょう。

 『真夏の夜の夢』。次回のサブタイトルはついに本作の元ネタの名が冠せられました。
 『夢』というのも本作において重要なキーワードの一つ。夢の中に囚われたのはダイチですが、次回予告を見る限りでは今回洗礼を受けるのはむしろ「世界の夢を現す者」遊星歯車装置の方に思えます。
 永遠の時を生きる彼らにとって、アバターの肉体でキルトガングとしての記憶を失いただの地球人として過ごした時間は一瞬にも等しく、それこそ短い夢のようなものだと言えるでしょう。現実味のない夢のような時間を、同じく永遠の刹那と感じていたテッペイは「今この時にオイラといるため」とアカリに定義された。笑顔も涙もきっとすべて、君に出会うためだったと。
 キルトガングとして地球のリビドーを喰らうべく行動する遊星歯車装置もまた、地球人としての記憶に少なからず影響を受けている。彼らのとってその時間はなんだったのか、永遠の命を持つが故に決して成熟することのない精神がその問いに向き合う時、何が起こるのか。いよいよ物語も終局へ。次回も見逃せません。

※追記

 パックについて語るのを忘れるという痛恨のミス。
 ピーター科学部長の「永遠の生命について」という質問への回答を交互に語るパックと久部パック。
 まず述べるのは一般論、「美味しいワインを飲み続けるには」あるいは「見目麗しい美女と一緒に過ごす」。
 前者はこの作品のテーマの一つでもある、有限と無限のアンビバレンツ。限りある資源を永遠に享受するにはどうすればいいか、というのはエネルギー問題のようでもあり、個人を人類という種に置き換えればそのまま我々にも共通する悩みになりそう。故に一般論。
 後者は逆に刹那的な快楽を追及するという欲望の問題。永遠の命を持つ遊星歯車装置なんかはまさにそうで、享楽的な性格を持つ者が多い。ただ風を追い求めるリンや、アイドルとして今を楽しんでるアイはその典型。永遠の中で、限定された快楽に囚われるのは、ある種のジレンマのようだが、永遠は退屈の問題を常に孕んでるだろうから、そういうものなのかもしれない。
 しかし人工知能であるパックが結論として出したのは、「この宇宙に存在する自分の知らないものの多さにイライラしそう」だという答え。「しそう」とは言うが、パックは事実上人工知能として永遠の命を手にしているので、実際は「している」と読み取っていいだろう。彼を突き動かすのはただひたすらに好奇心であり、だからこそすべてを知るために「銀河の支配」を目論んでいるということだろうか。戯れに人の肉体を手にしてみたのも、肉体がなければ出来ないことに興味があったからで、しかし心が伴わないからひたすらに女や酒といった快楽を追及するだけというのがなんとも皮肉である。
 パックの回答によって本作における「永遠の生命」に纏わる論点が整理された感があり、それが最終的にどう帰結するのかも注目すべきポイントの一つですね。


 
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