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ユリ熊嵐

ユリ熊嵐 4話 「私はキスがもらえない」 感想

 でざいあ~。


 最近の休日は寒さに負けて布団から出られないことが多く時間を無為に浪費した結果書く時間が足りないので今回は軽くいきます。

 1話の「私はスキをあきらめない」と明らかに対比関係にある今回のサブタイトル「私はキスがもらえない」。アバンから既に、かつてのるるがユリ裁判を受ける際に「キスをあきらめるか/スキをあきらめるか」の択が提示されました。るるはここで前者を選択したから、もうキスがもらえない。その意味は、まあ今回の話でなんとなーく分かるでしょう。

 突如始まったお馴染みのイクニ童話。
 かつてとある国のお姫様だったるる。次期の国王であった彼女は、生まれた日より人々から愛される日々を送っていました。しかしそんな彼女の周囲を旋回する赤い光の蜂。おべっかを使う侍女たちは刺されないように距離を取ります。
 この時点で既に使われるるる姫の口癖は「でざいあ~」。欲望を意味する単語は彼女の満たされない心を表しているように思えます。
 
 Desireを抱えるるる姫。そんなある日惑星クマリアの爆発によりいくつもの星が降り注ぎます。その一つがお城にぶつかると、るる姫の下に弟のみるんが現れるのでした。
 生まれた瞬間からるる姫の立場を奪ってしまったみるん王子。人々の関心も彼の方へ。るる姫はじゃまじゃまじゃまーな弟の存在を疎んじはじめました。
 なんかあらすじみたいになってんな。

 ざっくり言うと、ホンモノのスキがお星様になって約束のキスになる、という童話の通り、デザイアとは一線を画するる姫のスキがみるんという形で彼女の眼前に現れたのでしょう。しかし無邪気に自分を慕ってくるみるんは彼女のデザイアを阻む存在でもあります。
 この辺にスキとデザイアのコンフリクトが見られますね。みるんは蜂の周回軌道の内側に入り込む、つまりはるる姫の心に近づくことができる。それは彼が侍女や王子たちとは違い、るる姫の立場や権力ではなく彼女自身へと向けられたホンモノのスキを持っているからでしょう。しかしその人の内側に踏み込むことは、蜂に刺される、つまりは拒絶され傷付けられる危険性を伴います。
 るる姫は形だけのモノや名声への献身によっては満たされない、ホンモノのスキを求めていたはずなのに、デザイアに惑わされハチミツ(=約束のキス)を放り投げてしまう。この時、ハチミツが宇宙まで飛んでって星に戻ってしまうのが寓話内寓話の内容に沿っていて面白いですね。
 何度るる姫に箱に詰められ蹴落とされても約束のキスを持って姉の下に帰ってくるみるんは七実様というよりは某すり潰されたりせん死なない男を思い出しますが、彼がいつでも笑ってキスをせがむ姿には確かに心に踏み込まれる恐怖心のようなものが表れていたように思います。あれ怖くなかった? 私の心が汚れてるだけ?
 るる姫の中のデザイアはやがて純真を噛み殺す。みるんはある日蜂に刺されてあっけなく死んでしまいます。この自分の手には拠らない突然の死も、某祖父と同じパターンですね。唐突な当り前の喪失。(言いたかっただけ)

 単純な欲望(=空き)が主人公たちが再三問われ口にし続けているスキとは別のモノであることは今まで描かれてきた通り。みるんの死を受け望み通り収まったはずの跡継ぎの座に着いたるる姫は、しかし満たされない日々を送っています。
 そんな彼女の下にハチミツの瓶を持ってやってきたのは死んだはずのみるん、ではなく百合城銀子。
 「失った者を忘れてしまったら、本当に失ってしまう」と言う銀子。だから受け取るべきだとるるが何度も投げ捨てたハチミツを差し出す彼女は、いつの間にか蜂の周回軌道内に。失った者を忘れてしまう恐怖は、今まさに紅羽を苛んでいるものでもありますね。
 ホンモノのスキは約束のキスになる。しかしキスを得るには相手の承認が必要になります。いくら相手へのスキを表明しても、それを受け入れてもらえるとは限らない。受け入れられないキスを繰り返せば、やがて凍り付いてしまう。
 「最初からあなたたちが大嫌いで、最初からあなたたちが大好きだった」。透明な嵐に混じらず、ホンモノのスキを相手に表明した者はその心に土足で踏み入るが故に、相手に憎まれることもある。相手を透明ではない、個として認識することは常に傷付け傷付けられる関係に身を置かなければならない。きっと約束のキスもそうすることでしか得られないから。あの子が食べたいクマいちもんめ。
 るるが紅羽にハチミツ粥を振舞おうとして拒絶されるのも、かつてみるんが彼女にされたことの反復。断絶の壁を越えるクマは、人間に撃ち殺される。
 だからこそ、たとえ撃ち殺されても約束のキスを果たしに壁を越えると宣言する銀子の希望に満ちた表情が尊いんですね。罪熊という言葉は、きっとホンモノのスキを持ち、たとえキスがもらえないとしてもそれをあきらめない、その生き方そのものを指しているのだと思います。
 ユリ裁判でキスをあきらめるから、スキをあきらめないと宣言したるるも、また罪熊として生きる覚悟を決めた。きっと、たとえ見返りがなくとも愛を捧げ続けることが、キスをあきらめてスキをあきらめない生き方なのではないでしょうか。
 誰かを大切に想うことは、その人を傷付ける覚悟をすることだから、彼女たちは自ら罪を背負ったクマを名乗る。

 かなり雑だし見落としや取りこぼしが多過ぎる感じもしますが、宣言どおり今回は軽くということでこの辺で。
 

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