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戦姫絶唱シンフォギア

戦姫絶唱シンフォギアGX 4話 「ガングニール、再び」 感想

 3話の感想も兼ねてるデース!


 単純な癖に根本が歪んでいるため、一度スパイラルに陥ればとことん
メンド臭いのが立花響という主人公。でもそこが好き!
 Gで融合症例というイレギュラーでなくなり、正式な適合者となったことによる心境の変化を、「力」というテーゼを以って描いているのが今のところのGXの印象。
 
 GXの特徴的な演出として、装者たちが変身する際に用いる聖遺物ペンダントをわざわざ「取り出す」芝居を入れていて、変身バンクも必ず手にペンダントを持つ画から始まる。
 極々自然に差し込まれた調理実習のシーンで、響が分かりやすく手に持った包丁に例えていましたが、自分の意志で行使する「力」としてのシンフォギア、としての側面に焦点が当たっていますね。
 融合症例だった頃の響はいわばガングニールと一心同体。彼女の想いに呼応して自然と胸に聖詠が浮かび、心のままに纏うことができた。
 それが今は、歌うために力そのものを取り出すという工程が必要になった。このワンアクションに、響が惑う隙が生まれる。
 例えば1話のように、純粋に誰かを助けるためなら、響は迷わずにその奇跡を行使することができる。しかし、戦うべき敵を前にすると、その相手を傷付けてしまうのではという、力に対するおそれが生まれる。この辺、藤尭さんの「どうして敵を前にして戦わないんだ!?」というセリフや、キャロルとちゃんと話が出来なかったと語る響に司令が疑問を口にするシーンとかで、仲間内での、意識の断絶が描かれることで響の歪みが浮き彫りになります。どうでもいい事ですが、信頼しあう間柄でもポイントポイントで方向性のズレみたいなのが描かれると安心する人間が私です。

 響って、ノイズなど純粋な脅威に対してはともかく、対話のできる相手に対しては戦うことはあっても力押しで解決したことはないんですよね。フィーネさんにはあくまで了子さんとして接し続け最後には未来を託したし、2期で戦った調に対しては実は一発も入れてないし対決なくして和解が描かれた。逆に言えば、明確にこちらと戦い目的を果たそうとする意志を持った相手ととことんやり合ったことがない。
 その点キャロルは話し合いに応じないどころか、計画の一貫として響を戦わせようとする。響が今まで本当の意味で向き合わずに済んだ部分に踏み込むために設定された敵キャラ、という気がする。気がするだけ。
 
 響の抱えた歪みがどういうものかと言うと、まず1期で指摘された「昨日までただの女子高生だったのに迷いなく命がけの戦いに赴ける」その性質がある。
 彼女の根底にあるのは、やはり奏さんが絶唱したあのライブの惨劇で、奇跡的に生き残ったために周囲の人間の悪意に晒された経験。もちろん1期で「私が誰かを助けたいと思った気持ちは、惨劇を生き残った負い目なんかじゃないッ!」と言っていた以上、罪悪感から人助けに奔走しているわけではないと考えていますが、実態はある面だけを見ればもっとヒドいかもしれない。
 Gで見せた響の歪みは、ガングニールの侵食が進み過ぎたせいで、命の危険に晒され、変身を禁止されたことで表出しました。「戦えない私って、誰からも必要とされない私なのかな……」と、戦うことに自身のアイデンティティを託しまう危うさ。装者として戦い、世界まで救ってみせた1期を経て象られた彼女の負の側面ですね。そうでなくても彼女は、自分自身の命に対すては異常なほどに執着を見せない人間で、だからこそ命を失うことよりも戦えうことが許されない事態に心を悩ませていた。
 そして、1期でもGでも響が苦悩の答えを見出したのは未来さんを助けるシークエンスにおいて、なのですね。ここまで来れば、GXで歌えなくなってしまった響に未来を示すのは彼女の陽だまり以外にあり得ないと、当然思うでしょう。事実、その通りに、今回も未来さんがこれまでのシリーズを受けた言葉で響に彼女が戦う理由を思い起こさせた。そして、その場所は1期8話を思い起こさせるような廃墟であり、口笛と共にギアを纏った響のバックで煌めく流水はEDテーマタイトルでもある「再誕」のイメージを想起させる。
 これは勝ったなと、そう思わせる展開と演出。
 それこそが性悪ガリィの、そしてA.Kanekoの仕掛けた罠。復活の響の、真っ直ぐに一直線な前へ前へと突っ込み押し切って行くミカ戦のアクションは彼女らしさ全開の見事な出来。
 だからこそ、その猪突猛進はオートスコアラーの敵意にあっさりと気泡と化す。響の信条そのままの直線上のアクションが敵の罠に嵌められる、空高く打ち上げられて散華と共に落下する。寓意を伴った戦闘シーンの演出が素晴らしくて飲まれました。
 「誰かを傷付けるためじゃなく、誰かを助けるために力を振るうことを恐れないで」と、そのメッセージは確かに戦う事そのものを忌避する響に必要な答えだった。その点で、未来さんの言葉は的確だったと言える。
 しかし、それで目を逸らしていた自分の力に向き合ったことに、果たしてなるのだろうか?

 力を行使することを意識したが故に迷う響との対比で描かれるのは、
力を持っていない、あるいは持っていながら十分に扱えない立場を背負ったF.I.S組だ。
 彼女たちはGで力の使い方が未熟だったために迷走してしまったという経緯がある。
 GXでは明確にそのことを悔いて、今度こそは正しく力を使おうと模索している姿が描かれていますね。
 特にマリアさんは、迷う響に誰よりも強い言葉を浴びせる。ブーメランだとか揶揄されているみたいですが、覚悟が足りなかったためその力によっていたずらに人を傷付けてしまった彼女だからこそ説得力を持つ言葉です。なにせ、明確にその手で人を殺めた描写がある装者は彼女ただ一人ですからね。
 誰よりも強く後悔し、しかしだからこそ強くあろうと偶像のままでいることに甘んじないマリアさんの決意に答えるように、響を拒否したガングニールが再び彼女の手の中に収まります。メイン武器を食うサブ武装万能マントさんがないのは、設定的には適合係数不足、寓意的には偽りでない覚悟を背負った証と読める、良い描写ですね。
 未練を残しつつも、「君にこそ相応しい」と譲ったガングニールを響に返すマリアさん。力は無くとも決意は固いマリアさんの勇姿が描かれるからこそ、力に執着する響の闇が際立ちますね。
 1話で響は「シンフォギアを纏める奇跡が嬉しい」と笑いました。
 しかしそれは裏返せば、人を救う事ができる力への依存とも取れるわけです。だからこそ、それが誰かを傷付ける凶器にもなり得る事実に過敏になっていた節もあるのですが。そしてそんな響が、キャロルの奇跡を殺すという言葉通りにガングニールを失ってしまった。
 ここからさらに響の問題に踏み込むための話運びになっています。
 なってるんだよ多分!

  劇的な復活劇をフェイクに使ってまで描いた響の問題とは何か、という命題に私の考えを述べると、それはズバリ自分のために他人を理由にするズルさなのではないでしょうか。
 響はいつだって、誰かを助けるために戦ってきた。
 しかしそれは、自分のために戦えない自己評価の低い精神性と表裏一体のファクターでもある。響って、やっぱり趣味の人助けをすることで過去に散々否定されてきた自身の存在意義を確認してる節があるわけですよ。意地悪な見方ですけど、誰かを傷付けるのが怖いというのだって、
「救う」とは真逆の行為で自身のアイデンティティが否定されることへの恐怖、平たく言えば「自分が傷付くのが怖いだけ」でしかないわけで。
 でもそれこそが響だから、未来さんは響が響である限り彼女を応援し続けるから、そんな在り方を肯定してしまう。未来さんは響に戦う理由を与えてしまう。自分が響の陽だまりで居続けるためにそんな歪みを許容してしまうことを自覚しつつも、かばんの隠し事にして隣で微笑み続けているのが未来さん、というのは私の妄想ですが、ひびみくの共依存関係というのは詰まるところこういった事なのではないでしょうか。今回、響が響のまま迷いを振り切ったが故に敗北したわけですからね。それが響を否定するカウンターであると共に、彼女が目の前でヒドい目に合うという未来さんのトラウマを刺激するという意味ではひびみくの在り方事態を問い直す意図があるのかもしれないしないのかもしれない。
 じゃあどうすればいいのと言えば、その答えを先に口にしてるのがやはりF.I.S組なわけですよ。彼女たちは自分のやりたい事ではなく、ウェル博士やナスターシャ教授の言う事に従い、結果振り回されてきた。
 だからこそ、自分のやりたい事をやらないとダメだと、墓前で醤油を備えつつ答えは自分で探すと語りかけるわけですよ。
 「答えは全部あるはずだもの」ってけだし名言ですね……。

 力と責任から目を逸らさないってのは、つまり自分の意志で自分のために戦うことから逃げないってことじゃないでしょうか。
 響はいつだって他人のために戦うから、それが自己承認欲求を満たすためのエゴであるという一側面から目を素らし続けている。
 だからこそ、自分の目的のために託された力を振るうキャロルに勝てない。
 そこに向き合うために、まだ父親関連の描写が残されているのではないかと、予想というか、期待しています。考え過ぎかもと6割くらい思っていますが、4話にしてこの展開となればその線も全然捨てたもんじゃないのでは?\うん、それある!/

 ストーリー面では、やはりキャロル陣営が何度かイレギュラーに直面しつつも着実に計画を進めている点がGとは決定的に違うところかなと。
 エルフナインをレイラが追い立てていたのを見るに、彼女がS.O.N.Gと合流し協力するのも、壊れたギアを錬金術とダーインスレイヴで改良するのも計画のうちでしょうし、この手のひらの上状態が連中の強敵感に拍車をかけている感じでいいですね。おかげでずっと不穏な空気が拭えませんし、程よい緊張感をもたらしています。
 マジでキャロルの知らないジョーカーとしてウェル博士大活躍の展開があるんじゃねーかこれ。
 正直3,4話の作劇自体には若干Gの悪い面が顔を出しつつあるのを感じなくもないのですが、単純にバトルヒロインアニメとして見ても高水準なので問題なく面白いですね。
 あとはどれだけテーマ面で踏み込めるか。期待の押し付けは良くないですが、やはり傑作と思える出来を夢に見てしまうのです。


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アニバタ Vol.6アニバタ Vol.9に寄稿しました。よろしくです。


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