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映画

心が叫びたがってるんだ。 感想

 番宣の仕方はアレだったけどいい映画ですよ!


 卵がメインのモチーフに使われていて、少女が殻を破る話なので実質ウテナ案件なんですけど、王子様による救済は思いっきり否定していて、拓実が成瀬の手を引くその前に、告白してフラれるというプロセスを経ているので、そこでようやく成瀬が閉じ込もっていたお伽話から外に出る、という構図がしっかり描かれていたのがとても良かったです。

 普段心の奥にしまって言えないでいることを口に出して言う、みたいな物語なので、全体的にセリフが多い作劇もテーマに沿っていて鼻に付きにくい、という感想をチラっと見たんですけど、確かにそうなんだけどそうでもないというか。
 こういうテーマだからこそ、なのかな。結構登場人物が何かを言おうとして結局言えない、というシーンも結構多くて、そう簡単にポンポン言いたいこと言えたら誰も苦労しねぇよな、という話でもある。
 一番分かりやすい例がメイン4人の誰が誰を好きかっていう相関図で、これは後半になるまで明確にはされないんだけど、表情がおしゃべりな成瀬はもちろん、他の3人に関しても言動の端々で矢印を示しているのが分かります。ただ、仁藤さんが拓実のこと引きずってても別に恋人がいるって話はわりと最後まで信じてて、そして何故かあの友達のショートの娘と付き合ってると思ってました。ふれ交前夜でショートの娘が仁藤と拓実を二人きりにした時なんかは、なんて男前なやつだと謎の感動を覚えたものです。百合脳でもなんでもないのに、なんでだ。
 仁藤がしばしば嫉妬やら何やらに駆られたりするのはもちろん、成瀬が逃げ出した時に「自分の事を好きなのか分からない」的なことを口走る拓実に自分の好きな子のことだからこそそれを分かっている田崎が怒鳴りかけて最後まで言わなかったり、成瀬に傷付ける言葉も全部言えと促した拓実が仁藤の悪口に及ぶと一瞬キレかけたりと、言葉にならないままの内なる叫びも鮮明に描かれていたように思う。
 だからこそ、それを伝えるタイミングであるとか、そのための勇気だとか、そういった過程にドラマの焦点が当たっていたように感じたし、そのきっかけとして「歌」というモチーフが使われていたのが非常に良かったです。
 ミュージカルとして描かれた成瀬の歌が素晴らしいのは、シンフォギアとのギャップにより一層冴え渡る水瀬いのり嬢の才覚もそうですが、心から言いたいことをそのまま言っているがために、どれだけ暗い内容でも、それ自体に善意も悪意もない、本当に生の感情が出ているからだと思うのです。
 だからこそ、一度決めたメリーバッド風味なラストを成瀬がハッピーエンドに変えようとした時に、拓実はどっちも盛り込む方向の提案をするのですね。どっちも等しく成瀬が伝えたいことだから。それが音楽の調和によって可能となる、というのがまた素晴らしい。
 そしてその相反しつつも共存する二面性を写す鏡となるのが、成瀬の母親で、あの日罰せられた自分の声を呪うような歌詞に、彼女は自分の罪を知るのです。もちろん、成瀬には糾弾の意志はなかったけれど、母親は歌を通じて自分が娘に何をしたかを理解した。
 しかしそれだけでは終わらず、クラスの皆と楽しそうに歌う成瀬の姿そのものが、同時に母親にとっての救いとなる、この構成が美しい。歌うことで吐き出される闇と、歌うことそのものの喜びとが、一体となって心の解放を成す、見事に「歌」というガジェットがテーマに合致していて、満たされるものがありました。シンフォギアも、元々はそんな作品だったはずなんだけどなぁ……。

 単純に青春群像劇としてもよく出来ていて、バラバラだったメインキャラたちが内外両方に視野を広げまとまっていく過程が丁寧に描かれていたし、マリーっぽいエグみを随所に出しつつも基本的に優しい世界になるようにバランスを取っていて不快感もなく爽やかな物語になっていたんじゃないかと思います。

 あんまり関係ないけど、私ってイマイチ長井監督の演出ってよく分かってねーなーという感想を持ちまして。というのも、最近たまこラブストーリーやデレマスの鮮烈でエッジの利いた演出(この表現が適切かどうかはともかく)に大分揺さぶられているので、それと比べると演出的な取っ掛かりがないという印象を受けたんですね。良し悪しではなく、多分私の好みの問題として分かりやすいフックのある演出が意外となかったんです。というか、私が見つけられなかっただけの話なんでしょうけど。
 長井監督は演出の個性が強い作家という印象があったんですが、長井監督の特徴的な演出ってなんだったっけ? と見ながらちょっと気になってました。そもそもTVシリーズで久しく見てないからなぁ。
 何が言いたいかというと、長井監督×岡田のマリーコンビへの印象が大分上向いた所で、10月から始まる『鉄血のオルフェンズ』への期待も高まっている、ということです。


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アニバタ Vol.6アニバタ Vol.9に寄稿しました。よろしくです。


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