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The Princess of Tennis

テニプリンセス 感想 いまさら113話について

 アウトプットしなきゃ収まらないものってあるよね。

 昨年誰も聞いてないのに折に触れて「今年最強のエピソードはこれだ」とのたまってきたのがこの、本作113話『加蓮がテニスをする理由』。
 ぶっちゃけこのエピソードだけは読んでる時に涙は溢れるわ唇は震えるわでまともな思考が働かないのであえて詳細には語らなかったのですが、今連載中の聖ブラウニー戦がS1を残した現状で更新が1ヶ月以上途絶えていて、テニプリンセス分の不足によりまた最初からつらつらと読み返していたところ、また新たな発見がありまして。気付いたのが運転中の時だったので、涙がボロボロ零れてきてエライ目にあったとか。
 
 本作第三の主人公とでも呼ぶべき青学の部長・北条加蓮がサブタイ通りに自分がテニスをする理由を語る、超重要エピソード。
 ここには本家にも通ずる私が惹かれてやまない加蓮の在り方と生き様、テニスを通じて描かれるアイドル像という構図、今この時を全力で駆け抜ける青春の価値、あらゆるテーゼが織り込まれていてもうこれだけで最高の代物なのですが、私が今回語りたいのは物語構成上におけるこの話数の位置づけ。

 つまり、なぜ特訓を終え、全国大会開催を控えたこのタイミングでこのエピソードを挟んだのか、その必然性について。
 当初は初戦でぶつかる聖ブラウニー戦で加蓮が対峙するであろう、岡崎泰葉との対比構造を明確にするため、くらいに考えていまして。実際に、「一緒に」がキーワードとなる聖ブラウニー戦において、「大切な誰かと一緒にいるためにテニスをし、またそのために友と袂を分かち一人になった加蓮」と「父の下たった一人でテニスに専念し、そして今初めて誰かと共に歩む道を見つけた泰葉」という対比は重要な要素だと思います。
 このマッチアップには更なる意義を見出していたりもするのですが、それは聖ブラウニー戦が終わった後のとっておきたいとっておき。

 話を戻して、今回読み返していて加蓮と泰葉の対比軸以外にもっと明白な意義があったじゃないかと、今更ながら気づきまして。
 いや、本当に私の目が節穴なだけですが。
 
 それはすなわち、本作のメインヒロインである渋谷凛の救済です。
 もちろん、自分の心情を語る加蓮とそれを聞く卯月の構図から、最後の最後、ラストカットで物陰の凛にフォーカスを当てるネームの神懸かりっぷりも本エピソードの評価点の一つでしたが、これが思った以上に意味があった。
 このエピソード、全国大会前の準備として、紅葉・秦緑との合同練習の締めくくりを兼ねてるんですよね。そして、特訓編で描かれるのは青学の選手たちがそれぞれ関東大会を通じて直面した課題に取り組む姿。
 なのですが、物語上もう一つ関東大会編における大きな課題があって、それこそが親友との切望した試合をしこりの残る敗戦で終えてしまった凛の救済なんですよ。
 苦悶と涙に彩られて、それでも約束を果たした後、憂いのある凛の心情を慮って、紅葉の監督である和久井さんが「これからも、どうかテニスを続けてね」と声をかけます。この「続ける」「続けない」も、やがて物語全体の大きなファクターになっていくわけで、話が進むほど明らかになるその構成の巧みさには舌を巻く他ないのですが、それはまた別の話。

 一度宙ぶらりんにされた凛の課題。これが青学特訓編の発端となる93話で狙いすましたかのようにピックアップされるんですね。加蓮に協力したいという自分の本音に向き合った凛が、和久井さんに許可を求める際のやり取り。

teniprincess93.jpg

  そう、これが特訓編の最後の最後で回収されるんですよね。気付いた時マジで鳥肌が立ったわ。

 ずっと加蓮に負い目を感じていて、だから青学の練習に出来る限りの協力をして、あれが最後の試合だと知っていても「これが最後ってワケじゃない」と加蓮に笑って語りかけていた凛。
 その心情に想いを馳せればキリがない、そんな彼女が加蓮の独白によって確かに報われて、救われる。その裏筋を示すための、あのラストカットですよ。最高かよ……!
 自分がそれをもたらしたことを、当の加蓮はまったく知らない。なんて尊くて美しいんだ。なんだこれヤベェって泣きながら呟いてた私の心境が少しは理解してもらえるでしょうか。
 そういうストーリーラインがあったことを踏まえた上で考えると、もう一つしっくりくることがあって、凛が高校最後の大会を終えたこの段階においてフレデリカと互いに高め合うライバルとしての関係を築いたのも、彼女がまた心からテニスを続けられるようになるために必要なプロセスの一貫だったんですよね。ホントなんなのこの構成力。

 こうして113話について考えて、改めて思うのは「ありきたりな言葉をどれだけ響かせられるか」が物語における作者の大きな腕の見せ所の一つだということ。
 だって、「みんながいるから」とか「一人じゃない」なんてそれ単体では鼻で笑ってしまうような、陳腐とすら言えるほどシンプルな言葉なわけで、でも加蓮という少女の物語がそれを私だけを殺す言葉に変えてしまうわけですよ。
 「愛」なんてその最たるもので、ハリアーPは別作品でその一言に到達するためにアイドルたちをひたすら駆けずり回らせていたりします。
 それが出来る作家だからこそ、私は絶対的に信頼しているんだなぁと。

 自分が好きで好きで仕方のない物語って、何度繰り返しても新しい発見がある。本当にどこまでも掘れるんですよね。因果はきっと逆じゃない。
 だからこそ、こういう出会いに感謝したいし、どれだけ忙しくなってもそんな気持ちだけは忘れたくないと、想いを新たに今年もテニプリンセスと共におっかなびっくり駆け抜けたいという抱負を掲げて、2016年最初の記事を締めくくりたいと思います。


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Comment

はじめまして

先月偶然ここのブログを見つけて『テニプリンセス』の感想を拝見しました。自分同様に、この作品を愛している方がいらして、とてもうれしく思っています。最新話のブラウニー最終戦すごかったですが、素晴らしい感想を楽しみにしています。大百科の記事も、ここは書くべきだというところがおありでしたら、ぜひ編集してください。

Re: はじめまして

こちらこそはじめまして、大百科の記事、たまに見ておりますが丁寧かつコンスタントな編集には頭が下がるばかりです。
聖ブラウニー戦ラストの熱量がヤバ過ぎて涙腺がボロボロでマジで目が腫れそうな勢いなんですが、感想記事は絶対に全力で書き上げますので読んでいただけたら幸いです。
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