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輪るピングドラム

輪るピングドラム 19話 「私の運命の人」感想

これがやりたいがためのブログと言っても過言ではない。
割とマジで。
「だって、これで罰が終わりじゃあ、つまらないでしょう」 by女神様

18話で多蕗に家族の絆を見せ付けて、苹果が慈愛に目覚めて、「さあこれから運命に向き合うんだ!」ってなった後にこの展開。上げて落とすってレベルじゃねーぞ!

初っ端から爆弾投下。
18話の予告であったようにラーメン屋から始まるが、そこにいたのは何と高倉夫妻。
前回あれだけ「親父の居場所は知らない」「もし知ってたら…」と何よりも大切なはずの陽鞠の命が掛かった場面でシラを切り通したものだから、冠葉が普通に両親と会っていたのを見てかなりビビッた。
まあこれだけで冠葉は陽鞠よりも両親を守ることを優先したと考えるのは早計だ。でも回想の電光掲示板の記述は「隠し通した。これだけは言えない」なんだよなあ。
しかし冠葉が陽鞠のためなら死んでもいいと考えてるのは今までの描写からして嘘偽りはないと思う。
一方、冠葉は両親に対しても愛情を抱いていることもなんとなく感じられる。5話では幼少時の経験から父・剣山に大きな影響を受けていることが見て取れるし、13話での回想では両親が犯罪者=悪人であるという情報に強い語調で反発していた。そして今回では「良くやった」と褒める両親に対して実に嬉しそうにはにかんでいる。
晶馬の両親を糾弾する言葉にしぶしぶ相槌を打ってるのも分かりやすい。
ここからは妄想だが、冠葉にとっては両親は絶対の存在で、彼らの言う事を鵜呑みにしてしまっているのかもしれない。もちろん陽鞠を愛してるのは本当だけど、両親が家を空けている間高倉家を守る役割を担っているのは両親の言いつけによるものらしいことが今回示唆された。こう考えると、今までの冠葉のブレない姿勢にも納得がいく。以前からモラリストである晶馬とは対称的に犯罪行為にためらいが無いように描かれていたのは、両親の言う事に絶対的な正義を見出しているから。もしそうだとしたら、たとえ前回で父親の居場所を知っていたとしても、事前に場所を言わないように指示を受けていたのなら盲目的にそれに従ったということもあり得る。
今までこの作品では親の歪んだ愛によって人生を狂わされた人々の姿が描かれていたが、冠葉は未だに親の絶対的支配を受けている人物なのかもしれない。

ゆりさんのシーンは切なかったな。
てっきり多蕗とは利用しあうだけの関係(実際多蕗の方はそう思っていた)だと思いきや、しっかり彼との関係にも絆を求めていた。
「この世は全て嘘」と考えていた彼女が、正真正銘の仮面夫婦に真実を見出そうとしていたのは皮肉としか言いようが無い。
今回部屋で呟いた「寒い」という台詞は17話でもあったが、一人きりだろうが多蕗がいようが寒さは変わらないのが悲しい。多蕗には彼女を抱きしめてやる気なんて更々なかったのに、彼女は彼の温もりを求めていたのかな。
だが桃果以外の存在(たとえ桃果によって繋がれた運命であるとしても)に「本当」を見出そうとしていたのは、彼女にとってはある意味吉兆ではないか。彼女に関して言えば、もう救いの道は見えているのかもしれない。

今回も素敵な真砂子様。
前回では「(あのままじゃ冠葉が犠牲になって死んでしまうから)あの家には一刻も置いていけない」と言ってたのに、今回では「冠葉を私に返して!」「あんたなんかがいるから!」と嫉妬丸出しである。陽鞠が終始オドオドしてたのが面白かった。真砂子には自覚はないだろうが小姑にしか見えない(笑)
どうやら高倉家の秘密を全て知っているようで何故か記憶が抜け落ちている(あの赤玉を以前喰らった?)陽鞠の記憶を呼び起こそうとする。今回二発目の爆弾は彼女がトリガーだったが、彼女の玉は結局当たってないところが実に彼女らしい。彼女の主張はどこか的を外しているという暗喩だったり?真砂子かわいいよ真砂子。
「返してもらうだけよ。私の過去を。私の真実を」この言葉は、つまり陽鞠が冠葉と家族でいることが真砂子にとっては真実を歪めることであることを示唆している。冠葉との兄妹説も真実味を帯びてきたが、どうなんだろうか。いまだ眠り姫でしかないマリオのことも含め、今後の動向が気になる所である。

今まで純真無垢な存在として描かれていた(アニメ版では特に顕著)陽鞠が黒い感情を覗かせる。すっかり高倉家に馴染んでしまったりんご(晶馬と台所に立つ絵は見ていて微笑ましかった)を複雑な表情で見つめるカットで「おや?」となり、続く眞悧の会話と埋もれていた過去によって衝撃の事実が判明する。
秘め事明かすホーリーナイト。

「私は死ぬのね」
「死なないよ」
「嘘」
「どんな言葉を言って欲しいのかな?」

まるで自分が死ぬことを肯定して欲しいような会話にも聞こえる。単に信じられないという可能性もなくはない。
しかし、真砂子に追い詰められて思い出した記憶が全てを反転させる。
子供ブロイラーで出会った運命の人。それは幼き日の晶馬だった。
そこで彼は「家族になろう」と言う。
そして現在、陽鞠はその経験を忘れ、何食わぬ顔で高倉陽鞠として過ごしている。
高倉家の人間であるために。大切な妹としていつまでも愛されるために。
裏で必死に働きながら家族を支える冠葉と同じ様に、彼女は病弱で可愛い「妹」を演じる。
もし彼女の病気が治ってしまったら? 兄達に構ってもらえなくなるかもしれない。
もちろん記憶が抜け落ちているから、深層心理の働きによるものだとは思うけど眞悧の言葉を否定したのはそんな思いがあったからじゃないかな。

それにしても「陽鞠の運命の人が晶馬だった」という事実はただそれだけでなく冠葉の想い、苹果との関係、兄弟の絆等を一瞬でひっくり返してしまいかねない威力がある。えげつねぇよこれ。タイミングがえげつない。
運命を受け入れる覚悟をした登場人物達を嘲笑うかのように過酷さを増していく現実。

さすがです女神様! シビレましたー!

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