ペルソナ4　18話　「Anniversary to Become a Family」　感想

ペルソナ4

ペルソナ4　18話　「Anniversary to Become a Family」　感想

｢菜々子は天使｣。この言葉の真の意味をようやく理解した気がするぜ…。

大人の弱さと子供の強さ、その両方を丁寧に描いた良脚本だった。

警察官という職業上、家を空けることが多かった堂島さん。今でこそ悠がいるからいいけど、それまではずっと家で一人だったんだ。仕事だからとずっと我慢して、それでも笑顔でい続けた菜々子。それが当たり前の家族だった。

しかし、かつて妻を死なせたひき逃げ犯が再び表れたことで張り詰めた家族関係に亀裂が走る。
執念か憎しみか、犯人探しにいつも以上の熱意を見せる堂島さん、だんだん余裕がなくなってきて菜々子の扱いがおざなりになっていくのがリアルできつい描写だった。

そんな父親の姿に、菜々子は愛情を見出せずに限界を迎えてしまう。子供たちには一度でいいから｢愛してる｣という言葉が必要なんだよ！

堂島親子の不和を繋ぎ止める役割を果たした悠さんはマジおかん。修羅場をくぐってきただけあって堂島さんにも臆さずに意見を言う。正直いつ殴り出すのかとハラハラしてたが、暴力に訴えるような描写が無くてよかった。

菜々子に母親の死の理由を知らせない、堂島さんはそれを菜々子のためと言う。しかし、何も教えてもらえないと、子供は死を受け入れることはできないと思うんだよなあ。多分、菜々子はずっと寂しくないと自分に言い聞かせてきた子だと思うから、母親の事を悠に話す時もなんでもないように話してたけど、本当はずっと溜め込んでいたんだ。

だから、ラストシーンでようやく泣けたことは、結果的に良かったと思う。あれで初めて、彼女は母親の死を実感し、そして同時に父親の愛情も受け取ったのだ。ここですごいのは、自分が寂しかった事を認めるだけでなく、父親もまた寂しがってたことを見抜いたこと。何この幼女聡明すぎるだろ。さすがはラブリーンだ！

堂島さんが改めて悠を家族に迎え入れる描写を挟んだのも、今回彼が果たした役割を考えれば納得で、実にキレイな流れだった。

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